〇2月20日(木) 創世記3章 (益子教会 毎週木曜10時半「聖書に親しむ会」の概要を掲載しています)
この章では、古代パレスチナ地方の王たちが連合軍を組み闘ったことが記されています。そこへ寄留者のアブラハムが巻き込まれた理由は、ソドムへ移住したロトの救出でした。ソドムの町の住民が連れ去られてしまったことを聞いて、アブラハムはロトとその家族を助けるために戦うことを決めました。彼と同盟関係にあった人々も含めて(13節)手勢は少数380人であったのにかかわらず、主なる神様が戦ってくださったので、奇襲作戦で敵をダマスコの北まで追いやり、奪われた財産と人々を全て取り戻すことができました。
王たちとの闘いから帰ってきたアブラハムを迎えたのはソドムの王と、パンとぶどう酒を持って来たサレムの王メルキゼデクです。メルキゼデクは聖書で祭司として最初に言及された人物であり、アブラハムはメルキゼデクの優位性を認識し、彼に十分の一を捧げ、彼から祝福を受けました。メルキゼデクについては、旧約聖書では18節「いと高き神の祭司 サレムの王」と記されるこの箇所と、神様が将来の救世主の統治について語っている詩編110:4だけです。新約聖書では、へブライ人への手紙5-7章に記され、イエス・キリストがメルキゼデクと同じような、私たちの偉大な永遠の大祭司であることを説明するか所に記されています。彼は平和の王、義の祭司、つまり王であり祭司である、生まれも系図も何も示されず突然、アブラハムの前に「天地の造り主、いと高き神にアブラムは祝福されますように。」と言って登場したゆえに、キリストの予表と解釈されます。ちなみにサレムはエルサレムの短縮形として知られています(詩編76:3)
アブラハムに助けてもらったソドムの王はアブラハムに、「人はわたしにお返しください。しかし、財産はお取りください」と言いましたが、彼はここで、メルキゼデクが示した神の称号を取り上げて、自分が助けた王たちから戦利品を一切取らないという誓いを神の前で立てました(23節)。おそらく彼は、エジプトから受け取った多くの富がロトと自分との間に多くの問題だけをもたらしたことを学んだからでしょう。ただし、アブラハムと共に戦った人々(同盟を組んでいた人々)に対しては分け前を与えるように配慮しています。このことから学べる重要な教訓は、神がなさったことに対する栄光を神だけが受けられるような方法をとりたいと、つまり自分や人の功績を誇る、褒めるのではなく、すべて神様がなさってくださったので、神様がすばらしいという態度でいたいと思います。