冬の星座は、今は西に傾き・・・天頂には春の星座、特に北天には大熊座の「北斗七星」・・・その「柄」の円弧をたどると・・・おとめ座のスピカ、その先には牛かい座のアークツルス、そして巨大な星座「しし座」が鎮座しています。
けれど、早朝の東から南東の空には、すでに夏の星座が姿を現しています。最も早く昇ってくるのは「さそり座」です。すぐ近くには今最も明るく輝く「木星」・・・さそりの東には火星が見え、日ごとに東隣りの「いて座」方向に移動していきます。他の星々と大差ない光芒も今年の夏は大接近となり赤く大きく輝きます。
そして・・・こと座のベガ、白鳥座のデネブ、わし座のアルタイルが描く「夏の大三角」も既に見えており、夜空では2つ、3つの季節が一望できることになります。そう思うと・・・寒い今もすぐに暑い夏がやってくることを連想してしまうほどです。
一眼デジカメをいまだ所有していませんので・・・過去に撮影の天体写真をご紹介します。中でも今回は・・・「散光星雲」を中心に・・・「古い」ですので覚悟の上ご覧ください。
↑ オリオン座大星雲・・・冬の星座の代表格オリオン座の中心部に位置しています。肉眼?や双眼鏡では白っぽくぼやっとした感じに見えます。写真フィルムでは、色の波長の関係でピンクから赤っぽく写ります。
↑ 馬頭星雲(中心部)と周りのガス・・・中央の黒い影が馬の首から顔の形に見えることからそう称されています。
↑ バラ星雲・・・オリオン座の近くで「一角獣座」に位置するバラの花びら状に見えるガスで中央の星の輝きを反射しています。それら恒星はこのガスによって形成されているとのことです。肉眼や双眼鏡では光量不足でまったく見ることはできません。写真フィルムにしてはじめてその存在を知ることができます。
↑ おまけ・・・へールボップすい星・・・ここ数十年では「百武すい星」とともに肉眼で見ることができた最大最高の巨大彗星です。特にこの写真は・・・1月20日の撮影ですが、前年の12月にまだ小さくかすかに見えていたものが西空に沈んだのち、1月に入って(一周してくる感じで)東の空に何時どの程度の明るさで見えるのか楽しみな彗星でした。これを1月10日過ぎに発見していたのですが、東の空低く大気の揺らぎ等から数分、数十分の露出が必要なため、なかなか点像で撮影できなくて(ブレたように)・・・この日やっと撮影できた1枚です。彗星本体が地球に向かってきているような感覚で「塵」等の「尾」は向こう側にあるように見えます。ちなみに神戸新聞に問い合わせると、まだそれら投稿はないとのことで急きょ取材を受け地域版に紹介されたところです。(ちょっと自慢?)
↑ おまけ2・・・3月にもなるとすっかり成長した太くて立派な「塵」と「イオン(青っぽい尾)」の尾がはっきりと見えます。両方の尾も肉眼で確実に見えていました。晴れると毎日(早朝)撮影していましたが・・・5月になると遠く離れていくとともに西空の夕方に見えるようになりしかも小さくなりましたので・・・高い場所からはとらえやすいのではないかと思い、(若いときですから・・・)近くの1000メートルの山に約20㎏もの機材一式を背負って昇り、西空に沈みゆくすい星を撮影したほどでした。