竹田克也 オフィシャルブログ 「王子活動中」

ミュージシャン&総菜屋「やきとり王子」こと竹田克也は、毎日東長崎で活動中!

祭の前に、ちゃんと祭とは何かを考えてみた。

2015-08-24 21:56:14 | まちづくり

久しぶりの更新。ちょっと長い文章を書きたくなったので。

 

八月も終わりに近づいた。

この時期になると街はソワソワとしてくる。

毎年九月第二週目の土日は、地元長崎神社の例大祭。

この二日間に向け各町会で氏子会が結成され、神輿の巡回ルートの設定や子供たちを楽しませる為の準備に日々を費やす。

この時期は他の事は考えられなくなると言っても過言でないくらい、一年に一回の祭りに向けて気持ちを高ぶらせていくのだ。

 

私は地域の郷土史に関心があり、祭りの歴史についても調べた。

調べる中で柳田國男が文化人類学的に体系づけた「ハレ」と「ケ」という概念に出会い、それを元にして街の一年を捉えるようになった。

先日、文化人類学に興味のある若者と会話している時に、「ハレ」「ケ」の話になった。

「ハレ」が祭であるのに対して「ケ」は日常であると解釈するのだが、「ケ」に充てる文字は「気」であるという説を教えてくれ、更に「ケガレ(気枯れ)」という言葉があり、「気(ケ)」が「枯れ」ていくので一年に一回それをリセットする為の「ハレ」があるという事を教えてもらった。

私はちょっと見齧った知識しかなかったので、この新しい情報は新しい観点を与えてくれた。

町会ごとの氏子会という組織自体、町会が組織された以降の話であり近代である。

それまでは長崎村を字に区切り、それぞれが輪番で長崎神社の祭を仕切った。

その伝統とは明らかに違う形で祭りは存在している事に目を向けてみると面白い事に気づく。

つまり伝統というのは何かしらの力で作られる、という事だ。

町会が組織され、更に経済的に上向きになった時期があったから、各町会ごとに神輿を調達する事が出来たと推測される。

それと同じように、そもそも「ハレ」と「ケ」についても自然に生まれた概念というのに疑問が持たれる。

私たちは辛い日常(ケ)を生きているうちに気が枯れていく(ケガレ)。そんな「溜まった不満を解消させる為に仕掛けたのが祭(ハレ)である」という仮説が見出された。

それが意味しているのは支配の為の装置としての祭という見方だ。

ハレ、ケに見出される一年の形を踏襲し続けるという事は、もしかしたら支配の系譜から逃れていない証拠なのかもしれない。

もちろんこれらは私の思い付きであって、仮設の域は抜けない推測ではあるが、研究の材料として観察するには良いテーマではないかと思うのだ。

 

しかし、そうは言ってみたが私はそんな祭が大好きである。

私はここ数年、神輿を「地域」に見立てて担いでいる。

「私はこの街を支え、引き継いでいく人間の一人であるという誓いを神にする」という意識が数年前から芽生えるようになったのだ。

担ぐ高揚感、疲労感、汗と酒の力もあいまってか、ある種の神秘体験のようなものも感じる事もある。それが祭の大きな魅力なのである。

そんなメンドクサイ事しのご言わずに楽しめばいいんだ!と思われるかもしれないのだが、そこを論理化しようとするのが私の癖なので仕方がないのである。

この神輿を通じて地域のみんなと目標を共有する体験をする事は大切である。神輿はそれを僅か二日の間でしっかりと体験できる素晴らしい機能だ。

しかし所謂「ハレ」「ケ」の概念とは違った見方をしていかないと、一年のはらいせの為の祭でしかなくなってしまう。

祭の為の一年という見方をしてしまうと、変化して行く社会や環境を見落としてしまう。

近代が生み出した概念でしかない「伝統」だったり人集めの為のイベントではない、祭の形を考察しなおす時期にあるのではないだろうか。

一つの答えは、ながさきむら村議会で行った「ランチタイムコンサート」のようなお金では無くできる事を持ち寄って作り上げる祭、という形はあるのではないかな、と手前味噌ながら思う所である。


次 (ながさきむら村議会3月定例会)

2015-03-13 08:34:23 | まちづくり

ながさきむら村議会をはじめて3年が経過した。

昨夜はその定例会だったが、いつもとは議論の仕方が違った。

3年前にはじめた時のテーマだった「使用してこなかった駅前広場の活用」は、実際に行動する事で実現した。

昨年はランチタイムコンサートに加えて、十字会主催の「ひがしながさき祭」の運営に携わる事で、大きなイベントも成功させることが出来た。

最初のテーマは、そこで完結したんだよね。

なので、ステージ1からステージ2に行く為の最初の会議が昨日だったように思う。

これまでの「ながさきむら村議会」とは違った意味付けが必要となり、そのとっかかりが僕には見えていなかった。

しかし、千早高校の親泊先生と最勝寺さんのお二方が、議論の種を撒いてくれたので何とか成立したように思う。

もっと早く終了する予定だったが、どうしても「まとめ」に行きつかず、1時間超過で終了した。

結論は出ていない。とても哲学的な考察が必要になるかもしれない。

まちづくりをする時の「良い街」とは何か。本当に今思っている事なのか。

今まではぼんやりとした「まちを良くする」で緩く繋がりを形成してきた事はとても良かったかもしれない。

ただ、これから本当に街の形を描いていく時に、ながさきむら村議会が意義を持って受け入れられる為には、メッセージが必要なのだと思う。

どんなメッセージなのか。

昨日の会議の中でははっきりとは見えなかった。これからの事も。

ただ取るべき行動は、おおきなボンヤリから小さなボンヤリまで圧縮された感じはあった。

とにかく、好奇心をもって僕自身が「学び続ける」事が大事なんだ、という事だけはわかった。

 


企画案を練っております。

2015-02-21 20:31:49 | まちづくり

現在、地域イベントの案を練っています。

タイムスケジュール的に上手くいくか微妙な状況ですが、それでも期限まで諦めずに良い形のイベントを計画出来るよう、今日はちょっち勉強しようかと思っています。

昨夜はそういった事に精通している人に意見を聞きに行って、何となく取るべき道筋は見えてきたと思います。

あとはある程度具体的な草案を立ち上げて協力体制を取れさえすれば、きっと良い方向へ進むのではないかと思います。

今こそ気張る時かな、と思うところです。

ここで停滞してしまっては意味が無いです。

千載一遇のチャンスは今来ているように思います。

僕自身、経済的に何の得もしませんが、もっと広い視野でみると、先々かなり良い状況を作る事が出来ると思っています。

そもそも東長崎に戻ってきた時に、僕はこう誓って来ました。

「金にならない仕事を沢山しよう」

金になるかを基準にしないで、とにかく興味が持てた事や、こうしたいと思った事を愚直に追及するつもりで戻ってきたんです。

見事に金は儲かりません。

でも代わりに、物凄く知恵を持った人や行動力を持った人とお友達になれました。

地域社会の住人として、この地域に対して責任を持っていこうと誓えたのも、多くの人との繋がりが支えになっているからです。

「金にならない仕事をしよう」は結果的に「人が儲かる仕事」になりました。

僕がやりたい事の殆どが今現在実現しています。

だからこれからチャレンジしようとしている事もきっと上手くいくように思います。

是非とも応援して下さい。楽しい事いっぱいやりましょう。


東長崎のまちづくりと都道172号線拡張工事事業認可

2015-01-14 08:56:14 | まちづくり
都道172号線拡張工事の事業認可が下りた、という案内が町会の回覧板で回ってきました。


まちづくり会議を始めて三年。
発足当時から、40年前から棚上げになっている我が長崎十字会の横軸を横切る都道172号線計画が、東日本大震災をきっかけに防災の大義名分から進められるという話が持ち上がっていました。

僕は東長崎の今の景観が好きで、その良さを取り入れたまちづくりをイメージしていたので、この計画には反対の意思を持っていました。
狭い道幅というのは一見不便のように見えますが、自動車の自由にならないという事で「歩行者の町」としての安全と利便性を持っています。
それを放棄する事で僕たちが今後も住んで働く事をこの街がどうなるのか、という懸念が僕の中には今も強く存在します。

しかし実際のところ、道路地権者は都市計画に賛成している方が多く、測量などの作業を経て今回の事業認可が下りたという訳です。

これで僕が当初思っていたまちづくりプランの一つは終了となりました。

まちづくり会議ながさきむら村議会でも度々この話は出てきました。
なので僕の中では、「今の景観を守る」と並行して「拡張後の沿道まちづくりをどうするか」を考えてきました。

今回こうして具体化する事が決定したからには、私たちで新しい街の「絵」を描いていきたいと考えました。

そこで次回のながさきむら村議会定例会では、筑波大学の学生さんに仕切ってもらって、まちづくりのブレインストーミングを実施します。

沿道が広がり歩道が整備される時、その沿道にはどういった街を作っていくか、そして駅周辺をどのようにしていくか、自由に意見を出し合ってながさきむら村議会の案として提案出来るよう、一年かけて作り上げたいと思っています。

ながさきむら村議会は参加自由な会議です。
誰でも、いつからでも参加することが出来ます。

ですので関心がある方は、より具体的なまちづくりの話に差し掛かってきている今、参加してみてはいかがでしょうか。

ながさきむら村議会2月定例会
日時:2月5日(木)19:30~21:00(予定)
会場:東長崎スタジオ階梯
テーマ:沿道まちづくりブレインストーミング その他部会報告 まちづくり雑談
参加費:無料


ながさきむら村議会 定例会報告 1月

2015-01-11 14:10:57 | まちづくり
僕がやっているまちづくり会議の瓦版で定例会報告は毎回僕が担当という事で書いています。
進捗などは公式のホームページ(リニューアル準備中)、Facebookページ(https://www.facebook.com/Nagasakimura)でも読めるのですが、僕が書いたものについてはこちらにも掲載します。


ながさきむら村議会定例会報告

一月八日(木)十九:三〇より、東長崎スタジオ階梯にてながさきむら村議会新年第一回目の定例会が開催されました。新たに健康に関するセミナーなども行っている整骨院の先生と千早高校でコミュニティデザインの授業を持っている大学生二名が参加して下さいました。

【イベントカレンダー部会報告】
昨年各種イベントに部会メンバーが調査に入り、東長崎地域のイベントについてはデータが揃ってきました。
本年は実際にカレンダーを形にしていく方向で動きたいという意向です。
その為には、カレンダーをどのような形にするか、どのような利用方法があるかなどを詰める必要があり、引き続き会議参加者、関係団体などと意見交換して、人と人が繋がるきっかけになるようなカレンダー製作を進めて参ります。
【瓦版編集部報告】
編集スケジュールの改訂、記事のあり方、ホームページとのリンクなど、部会で編集方針について話し合う意向です。
【その他】
「高齢者体験キットを着用して街を歩いてみよう」
 福祉団体などが提供している「高齢者体験キット」を着用して実際に商店街や駅などを体験してみてはどうだろうか、とういう提案がありました。高齢者が多く在住している長崎の町は、本当に体の不自由な人にやさしい街になっているのかの検証や、そういった方への理解を深めるきっかけになるのではないでしょうか。
 まずはながさきむら参加者が体験してみて、その後、地域イベントに絡めて体験会を実施するなどに繋げていきたいです。
「沿道まちづくり」
 都道補助一七二号線の再整備に伴い、沿道整備を担当する豊島区に対して、地域から提案を出していかなければなりません。この件については本年の大きなテーマとして、ながさきむら村議会としても具体的な提案に繋げるように合意形成を作っていきたいと思います。
 そこで次回定例会で、ながさきむら村議会としての沿道整備の絵を描くためブレーンストーミングを実施し、具体提案に繋げるための一歩を踏みたいと思います。
【次回定例会】
次回は二月五日(木)一九:三〇よりスタジオ階梯で開催します。二月は第一木曜開催なのでお間違いの無いようお願いします。