竹田克也 オフィシャルブログ 「王子活動中」

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川崎の少年事件について

2016-02-05 07:13:52 | コラム
批判覚悟で川崎の事件についての所見を書いてみる。

SNSで「少年を死刑にしろ」みたいな言説が溢れてきていて、ちょっともやもやしてる。本当にそれでいいのか?

犯罪と地域社会、教育、家庭、色々な要因があって、ことが起こった時にあらゆるところに紐付けして解釈していく作業をないがしろにしていないだろうか。

そこに向かわせているのは感情が知性とかを抑え込むような社会環境になってきている、という事。

確かに被害者の親の立場になって考えると堪らない怒りが醸成するのはわかる。いや、僕には子がいないから本質的にはわからないのかもしれない。でも理不尽にも殺されたという悲しみと怒りというのは想像に難くない。

でもね、そこにコミットし過ぎるのは実は危険な事だ。だって、「我が子が加害者になるかもしれない可能性」には目をつぶっているから。「我が子に限って」と思うかもしれないが、加害者の親だって「どんなに悪い事してても、まさか殺人をするとは思っていなかった」と思っていると思う。

だから月並みだけど冷静になって、と言うしかない。感情というものは思考を抑制するものでもある。怒り狂ったり、焦ったりすると、正しい判断を見誤る事って普段でも良くある事なのはわかってもらえるはず。

感情に最上級の特権を与えるのをやめる代わりに我々は法を作って法治社会を作った。それはおそらく感情で全てを片付けようとすると、争いが止まらなくなるからではないか。人間という種が合理的に生き残るのに選択した戦略が言葉を使った社会づくりである。そこが動物と人間の大きな違いだと言える。

しかしそれが反転して感情の時代、つまり動物的な事に回帰しているように感じてならない。それが私の杞憂に終わればよいのだが、どうも材料が揃いすぎているようにも思う。

反射的にただ好き嫌いを語るにではなく、その感情の起伏が何に起因しているか、自分自身を観察してみるべきである。私はそう思っている。

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