今日も明日も愛してる

私が見たものをあなたにも見せたい。月日が経って季節が変わっても、これは世界へのラブレター。

世界の入り口は、本と映画だった

2008年02月14日 | Weblog

狭い世界で生きているんだね、と言われてしまった。
自分と家族だけ、家の中だけ。
外部と交流しない。
それでは一人と同じ、だって。

外国に行ったことがない。
国内でも旅行には行かない、外食もしない。
スキーもテニスもダンスもやったことない。
ブランドの名前も全然知らない。
髪を染めたことも、エステサロンに行ったこともない。
恋をしたこと、はあったけど
数えるのに、指を一本か二本折ったら終わりだった。

あらためて考えたら、何にも経験がないんだ!私って

でもね、毎日の食べる物の事や、子供を育てる事を考えるだけで
本当に精一杯だったの。
一生懸命やっている間は、余計な事考える暇はない。
それはそれで、幸せだった。

本のページの中や、映画のスクリーンの向こう側を想像した。
違う言葉や、違う民族、違う習慣。
小さな部屋の中で、想像力だけを広げて暮らしてきた。

一生独身で、
最後はお医者さんにもかからずに死んでいったエミリー・ブロンテ。
家の中に篭って、風の吹き荒れる丘を毎日眺めていたのだろうか。
彼女は、奇跡のような小説『嵐が丘』を残した。
素晴らしいね。

沢知恵さんが歌う『私がいちばんきれいだった時』
曲の最後が物凄くステキなんだ。

「だから決めた
 長生きすることに
 年取ってから
 すごく美しい絵を描いた
 フランスのルオー爺さんのように、ね」

私、一生に一つでもいいから
胸の中に何か綺麗なものを残したい。
たとえ「狭い世界」だって、そこから拡がるかもしれないよ。


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