この大長編シリーズの、
最後の所を読むと、疲れが少し薄れる気がする。
だって、ギリアドのローランドはどんなに疲れていただろう。
長い長い旅の果てに、あの塔に入っていく時。
かつて出会った一人ひとりの名前を呼んで
彼らの名誉のために、その人生を証明するために、
彼は最後の一人となって、そこへ入って行く。
それは、自分自身を証明することでもあるんだ。
私は子供の頃からずっと、
ローランドになりたかったのかもしれない。
でも、実際にはフォックスウーマン。
『ローズマダー』の雌狐なんだ。
長く生き過ぎたせいで一人残されて、
後は年取って死ぬだけの灰色の狐。
最後ってことは、最初ってこと。
昔の『ザ・スタンド』がそれを言い当ててたよ。
「かくて円環は開く」「かくて円環は閉じる」って。
薔薇のタトゥーって、どうかな。
『薔薇の刺青』はたしか、テネシー・ウィリアムズ。
ダークタワーの薔薇は真っ赤であってほしいな。
支離滅裂な、今。
でも、「今」はすぐ過去になる。