子どもの頃は自分が大きくなったら大人になるなんてどうしても信じられなかった。どうやってなるのか、ある日突然大人試験があるのかしらと不思議だった。
「病気になるとたくさんのことがわかる」という事がわかる、学校をお休みしたある女の子の一日。早く良くなってねと呟きたくなるラストシーン。
樹村みのりのデビュー作『ピクニック』は資料によれば1964年春。私は雑誌に掲載された時に読んで、その時とにかくびっくりした。当時の少女雑誌に載っているどのマンガとも違っていた。こんな下手な絵のマンガは見たことがない。でもそれなのに下手だけどすごく上手いと思った。絵とセリフが合っていて、人物がほんとに生きているようにとてもよく分かる。そうか、絵が上手いか下手かって私にとってはそんなに関係ないんだ、とその時から思うようになった。自分が面白いと思うものを読んでいこうと。
私にとっての記念碑的マンガ。