『退屈さん』
退屈さんは
呪文を唱える
眠くなる
眠くなれ
退屈さんは
更に唱える
ほれ眠くなる
ほら眠くなれ
退屈さんに
私は負ける
眠いよ
眠たいよ
話し相手もない
私は負けてしまう
もう眠いよ
ああ眠たいよ
※9/30に某アプリに投稿したもの。
『モノオト』
毎夜毎夜
得体の知れない物音に
怯えて震えた日々を
未だに怯えるあなた
ねえもう
怖がらないで
ひとりの夜に
打ちひしがれないで
私はね
無音の安らぎの世界から
舞い戻ったもの
人なのかどうかさえ
分からない
あなたがどんなにか
怯える日々のその先には
とても穏やかな
優しい世界が広がっていて
本当の世界が
どっちなのかと思い至る
毎夜物音に悩む今の日々が
本当は偽物かもしれないよ
怯え苦しむあなたを
見守ることしか出来ない
人なのかも分からない
そんな私は
あなたが怖がる
そんな物音の裏で
ただじっと
見守り見届けているよ
何より穏やかで
優しい視線で
※9/29に某アプリに投稿したもの。
『ヒノヒカリ』
久しぶりに
陽の光
たっぷり浴びて
みたけれど
生憎今の私は
あまり相性が良くないみたい
だってほら
今日はこんなに体調不良
空を仰ぐ人は
今はもういない
空を仰ぐのを止めた人
それだけが現実
過去の光は
過去のままで
今は茶色く
ぼやけて滲む
おまけみたいな
余生の途中
※9/29に某アプリに投稿したもの。
『ミッドナイトブルーの先の色』
ねえ
君はこの
ミッドナイトブルーの
先の色を知ってる?
僕は知ってる
だってそこに居たんだから
ねえ
君はこの
ミッドナイトブルーの
先の色を知りたい?
でもきっと
君にはまだ早い
時間が来たよ
もう行かなくちゃ
その時が来たら
ちゃんと案内するよ
だからその時までの
お楽しみ
ミッドナイトブルーの
その先の色
二人で飽きることなく
眺めよう
時の止まった
穏やかな世界で
※9/28に某アプリに投稿したもの。
『海と空と夜明けと』
一睡も出来ずに
迎えた朝は
静かに明け行く
横須賀の海を
画面越しに
気怠く眺める
二ヶ月に一度の
定期通院
何故だか時の
流れ行き方を
酷く忘れて
しまったみたいだ
間もなく
烏も鳴き出す頃
動き出す
今日を
どう越えて
行けばいいだろう
※9/28に某アプリに投稿したもの。