『ほらね』
《あくまで
仮の話
地球に向かう
小惑星が見つかりました
軌道計算の結果
完全に衝突いたします
その結果
地球上の全てのものが
死滅いたします
回避する術は
ありません
三日後に
全てが終わります
回避する術は
ありません》
この時
何が起こるだろう
諍いは
無意味だと知るだろう
けれど逆に
どうせ誰も助からないならと
傍若無人の
振る舞いをする者も現れよう
果たしてその先の世界は
本当の穏やかさが訪れる筈
本当の意味での
平和が訪れるのでしょうね
生きとし生けるも全てが
「いっせーのせ」で『無』に還る時
ほらね
平等に平穏がやって来る
神も仏も無い
平等に平穏がやって来る
※10/21に某アプリに投稿したもの。
『丸ぼうろ』
親の故郷の繋がりで
子供の頃に出会った丸ぼうろ
何かの理由をつけては
よく取り寄せた北島の丸芳露か
いつかのあの娘が
送ってくれた北村製菓か
たまたま今
目の前にあるのは
何故か薩摩は万国屋の
蜂蜜丸ぼうろ
なんとも言えない
食感の茶色のかたまり
甘味な愛しさは
いつまでも変わりなく
今日の晩酌の請けは
この愛しい茶色でいってみるか
※9/18に某アプリに投稿したもの。
※供養から抜け落ちていたもの。
『揺らすのは』
いつだって
水面を揺らすのは
自分自身の
気弱な心
止まない波紋は
拡がるばかり
いつだって
木の葉を揺らすのは
信じ切れない
自分の信念
最後の一葉さえ
残ることなく
いつだって
いつだって
揺らすのは
揺らすのは
いつだって
いつだって
※10/19に某アプリに投稿したもの。
『バーチカルもクロソイドも』
若かった
遠い日々には
鋭角に尖る事しか
出来なかった
それしか術を
もたなかったから
全ての事柄から
身を引いた今なら
穏やかなバーチカルも
問題なく描けるし
クロソイドの渦だって
きっと上手に航って行ける
皮肉なもので
今更必要としないもの
穏やか過ぎる空を
仰ぎ見る事さえ忘れた鳥は
籠の中の小さな世界に
今日も全てを委ね
ただただ
揺蕩っている
※10/19に某アプリに投稿したもの。
『新しい居場所』
新しい居場所を
見つけたんだ
ここじゃない
違う場所
ひとりぼっちは
変わらないけれど
ひとりぼっちでも
居心地悪くない場所さ
新しい居場所を
見つけたんだ
ほんのちょっぴり
嬉しいんだ
※10/15に某アプリに投稿したもの。
