そらんぢ堂

『そらんぢ』の【墓標】

言の葉供養0068

2022年10月19日 20時00分00秒 | 言葉遊び、言の葉供養
『夜を独り占め』
 
雨上がり
冷え切った空気
 
星も月もない夜
私の為だけの夜
 
画面越し
歌舞伎町は人だかり
 
車椅子
120センチの視界
 
隣室の障害児が
奇声を発して駆け回る
 
隣のコンビニに
煩い車が止まる
 
喧騒も様々なノイズも
みんなみんな別世界
 
雨上がり
冷え切った空気
 
星も月もない夜
私の為だけの夜
 
アルコールは
とうに抜けた
 
旧いノッコの声だけ背負い
ソラノサカナになってゆく
 
朝が来るまで
ソラノサカナで泳ぎ渡る
 
この冷たい夜を
独り占め
 
※10/7に某アプリに投稿したもの。

言の葉供養0067

2022年10月19日 16時00分00秒 | 言葉遊び、言の葉供養
『Ginda-銀雫-』
 
少し増した雨音
ガラス窓に銀の雫
 
街明かりを乱反射して
様々な煌めきに変わる
 
虚ろな存在だった
かすかな温もりさえ
 
ここのところの雨模様が
全て奪っていった
 
君は…
元気でやっているだろうか
 
二人でいても
悩ましさを増すばかりの君
 
きっと
本音を言えない苦しさが
 
二人の無言を
広めていった
 
だから終わりを
告げたけど
 
君はずるいから
何も言わずに仕向けただけ
 
宝石みたいな
銀の雫がまた落ちた
 
僕ならずっと
穏やかなままさ
 
何も変わっちゃいない
変わりようもない
 
星屑みたいは
銀の雫がまた落ちた
 
君はずっと
君のままでいい
 
何も変えなくていい
変えちゃいけない
 
更に増した雨音
ガラス窓に銀の雫
 
※10/7に某アプリに投稿したもの。

言の葉供養0066

2022年10月19日 12時00分00秒 | 言葉遊び、言の葉供養
『ああ無情』
 
少し進んだ
季節感
 
肌寒さは
いつかの記憶を呼び起こす
 
共用廊下
淡く吹き込む小雨
 
薄っすらと湿った
郵便物
 
暗い空は
いつもより早い
 
夜を呼び込む
つもりだろう
 
何が変わるでもない
 
見つめる明日さえ
持ち合わせない
 
ただ穏やかに
今日が暮れていけばいい
 
※10/6に某アプリに投稿したもの。

言の葉供養0064

2022年10月19日 04時00分00秒 | 言葉遊び、言の葉供養
『黙って死んどけ』
 
ぼやけて滲む視界
明らかに睡眠障害の影響か
 
暗い淵から
蘇ったのに
 
懲りずにまた誰かの温もりと
幻みたいな影を追い
 
時の波に流浪しては
結局元の場所で独り佇む
 
もういいよ
少し疲れたんだ
 
何も映さない筈の
瞳の中の黒い影よ
 
頼むから
黙って死んどいてくれ
 
学習能力の無い
無能な俺の真ん中よ
 
頼むから
黙ってくたばってくれ
 
巡る同じような日々
 
これこそが罪と罰か
これこそが背負った業か
 
何も映さない筈の
瞳の中の黒い影よ
 
頼むから
黙って死んどいてくれ
 
※10/6に某アプリに投稿したもの。