母の本ですが 私好きです
ちょっと淫らではありますが歳を追う毎に見方が変わります
当初読んだ時は 阿寒湖と言うものに惹かれ北海道のどこにあるのか 釧北峠が本当にあるのかとか
そして人物 時任純子と言う人
何て言うのか 一種の憧れのような
彼女の聡明な雰囲気に惹かれ
男性の愚かさを知り
女のあざとさを知り
複雑な心模様
自己陶酔するのにそう時間はかかりませんでした
なぜなら時任純子になれば 私は無敵です
身体を委ねる私は存在しない
時任純子なのだから
心は遥先 北海道 阿寒湖 釧北峠
そうなればいいと何度思ったことか
これは小説ではない事実なのだから
彼女の人生 短いけれど 輝いてたと男たちは言う
そして誰もが時任純子に愛されていたと言っている
どうなのだろう
彼女はひとりだったのだと思う
いつもひとりで
ちっぽけな嘘で
自分を辛うじて保っていた
可愛い
可憐だ
哀れだ
でも素敵だ
凛として
自分を守る
弱かったとも思うし
強かったのだろうとも思う
真っ白な雪に覆われた釧北峠
春になり
白一色の林道に
私はここよ と
赤い手袋とマント
彼女は 時任純子を愛していたのではないかと思う
とても可愛らしい