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リパッティはBGMに向かない

2017-11-30 09:22:39 | 日記

不世出のピアニスト、ディヌ・リパッティ(1917~1950)が今年生誕100年を迎えた。

12枚組の全集も発売されている。

たしか12月2日は命日だったような。

ああいうタイプのピアノはなかなか聴けない。

ものすごい技巧の持ち主だが、けしてひけらかさない。

むしろ抑制的に弾いている。

某ブログによれば、ペダルを意図的に使わないのだとか。

それはともかく、東京・吉祥寺の大昔からある名曲喫茶に行った時のこと、入店したら
私のリクエスト予定の曲の、全く同じ演奏が流れていて驚いたことがある。

J.S.バッハ:パルティータ第1番
ピアノ独奏はもちろんリパッティ。しかもブザンソン告別リサイタルの方。

ここは会話禁止、書き物禁止なので、コーヒーを飲みながらの喫煙くらいしかやることがない。

だからBGMには使えず、熱心に聴くことしかできないのだ。

その場面にもっともふさわしい演奏かとは思える選曲。

しかし私と全く同じことを考えているお客がいるとはね。

さすがに連続では頼めず、モーツァルトのイ短調ソナタに替えた。

最初に聴いたのがもう50年前か。

あの時はリパッティ生誕50年といって世間が騒いでいたなあ。

それにしても、モノラル盤のみで生き残っている演奏者が何人いることだろう。

演奏の力はすごい。

 



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