あした(5/13)は、1954年ピアニストのヴィルヘルム・バックハウス(1884~1969)が来日し、
共立講堂で特別演奏会が行われた日だ。
当時彼は70歳。
技術的にも楽界での評価も絶頂の時期であろう。
私が初めて聴いたのはその14年後か。
春休みの数日をつぶして、上野の東京文化会館の音楽資料室に通い、ベートーヴェンのピアノソナタ
全32曲を通して聴く計画を立てたところ、全集はケンプとバックハウスのものがあった。
そこでバックハウスの方を選んだというわけ。
系統としてはベートーヴェン直系というだけあって、演奏は満足すべきものだった。
なるほどこれがスタンダードなのかと納得した。
ピアノは多分ベーゼンドルファーだったのだろう。
しばらくスタインウェイの乾いた音に違和感を覚えたものである。
バックハウス最後の演奏会は1969年。
これはFMで聴いた。
よる8時ごろ、誰もいない教室で、一人で耳を傾けたものだ。
あの時のシューベルト:即興曲作品142-2は、空前絶後の名演奏だろう。
これが彼の最後の曲となった。
彼は7日後に死去した。
85歳。
なにせ小品なので、子供の発表会等でもよく弾かれる。
だが私は言いたい。
まずバックハウスを聴いてから出直してらっしゃいと。
幸い、デッカのCDにステレオ録音が残されている。
「バックハウス最後の演奏会」。
これは宣伝ではありません。(2013.5.12記)
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