個人旅行

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坪内祐三に会いたい

2015-09-01 04:20:50 | 日記

図書館で借りた本を読んでいたら、びっくりする箇所にぶつかった。

「別冊本の雑誌16『古本の雑誌』」本の雑誌社、2012年 所収の
「この先十年、町の古本屋は、またどうなって行くのだろうか」は、
坪内祐三氏の原稿だが、その中に二つの記事がある。

①「私は・・・世田谷区赤堤という町で育った」
小生は赤堤の生まれである。
正確に言うと、生まれた家の住所は杉並区下高井戸なのだが、生まれた産院が
赤堤にあった。

②「下高井戸の駅前市場・・・の先に豊川堂書店という昔の古本屋らしい雰囲気を奇跡的に残して
いる古本屋があるが」
私が初めて入った古本屋がまさに豊川堂である。
古本屋として入ったのではなく、遊び場所としてなのだが。

今は通り抜けできないようになっているが、当時私の家から路地を抜けると、最初のお店が
ここだった。
3歳ごろの記憶なので、かなりあやふやだが、当時すでになんだか古臭く、
ぱっとしない店だったように思う。
商品は雑然と並んでいた。
今の本屋のような書棚が高くそびえている感じではない。
平台がメインで、本が面出しされていた。
自分で買ったことはないが、祖父に何か買ってもらったことがあるかもしれない。
でもここでなじんでいたおかげで、長じてからどんな古本屋でも全く抵抗なく
入れたという面はあるだろう。
そんな意味で、あそこは私の原点であるとは
言いうるか。

それにつけてもこの本は中身が濃い。
私の好奇心を刺激する内容だ。
座談会「古本者人生すごろくを作ろう」は身につまされた。
私も蔵書全処分を数回やっている。
それぞれ事情あってのことだ。
もとよりたいして価値のあるものはないので、いくらにもならないのだが、とにかく量を
減らさないことには引っ越し先に物が入らないという悲しい状態。
そういう時の残留条件は、二度と手に入らないものだけ残すという単純なもの。
①自費出版などの、小部数でマーケットに存在しない本
②自分や親族が出版に関わったり、直接主題となっている本
③自分の原稿が載っている雑誌
④将来書きたいテーマにかかわる参考書で入手が著しく困難な本
⑤いずれはネットで売ろうと思っているが、詳細な解説をしないと決して高価にはならない、
知名度の著しく低い稀こう本やレコード、紙物等
これくらいだろう。
少しでも条件からはずれれば容赦なく処分する。
本当に必要なものはまた眼に飛び込んでくるから。
古書市、ブックオフ、フリマあさりに憂き身をやつしている限り、何も心配ない。
原稿の資料だけなら、図書館やグーグル検索でなんとかなる。
蔵書家の死後処分は本当に悲しい。
ちゃんとマーケットにでてくれば許せる(数年前の河邨文一郎氏の時は興奮した)が、
遺族に素養がなく、貴重なものをただ単に古いというだけの理由で捨てたケースは泣くに泣けない。
それでも九島さんのように奇跡的に拾われ、映画文献として100万円以上に出世することも
あるわけだ。
(札幌・九島興業資料一括は稲垣さんのおかげで380万の値がついた)

私の上がりはたぶん古本屋開業だろう。
店舗は持たない。
販売ルートはネットのみ。
仕入れをどうするか。
せどりだけでも月5万くらいは稼げるだろう。
サラリーマン時代、ヤフオクの売り上げが月15万だから。
技術的には心配していない。
必要なのは資金だけ。
それとも張り切って「古物商」を取り、組合に加盟するか。
そこまで本格的にやる根性はどうもなさそうだ。
でも勉強だけはしなくては。
本書で相場を知るだけでも役に立ちそう。(2013.6.23記)



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