クリスマスも近い。この時期に半日かけてヘンデルの「メサイヤ」全曲を聴くのが40年来の習慣である。
実演が望ましいが、レコードで我慢する年も数多い。
その場合、ほとんどはスコアが英語の原典版を使用している。(例 サー・アードリアン・ボールト指揮等)
ところがある時、適当なのがなくて、ドイツ語版(モーツァルト編曲)をかけてみたが、強烈な違和感を覚えた。
最も異なるのが、後半に出てくる「トランペット・シャル・サウンド」の極端な短縮である。
これについて古来多数の解釈がある。
①作者の幼時体験説:
音に敏感だった少年は金管楽器の鋭い響きが耐えられなかったので、短縮したというもの。
②適当な奏者の不在:
ウィーンでのメサイヤ演奏のためモーツァルトに編曲を依頼されたが、その際適当なトランペット
奏者がいなかったため、短縮せざるをえなかったというもの。
①②ともかなり無理がある。
そこで登場するのが③フリーメーソンの影響説である。
ようするに短縮部分は「ヨハネ黙示録」の天使のラッパを意味しており、メサイヤのテーマの中核の一つの
終末論的な部分を代表しているので、その筋から改変を指示されたという思想的理由によるものだという。
詳細な論証は専門書を参照してもらう他ないが、現在のところ私は③の消極的支持者である。
しかしこうなるとモーツァルトの印象が相当変る。
他人の曲の中心テーマに手を突っ込むなどもっての外だ。
誰かちゃんと研究して新説を提示して下さいな。納得できればすぐ豹変しますから。(2010.11.27記)
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