二上さんがとうとう亡くなった。
私の将棋歴は祖父に教わった幼時からおよそ60年になるのだが、
初めて町の道場に行った中学生の頃のことを思い出した。
東京は新宿・歌舞伎町の裏の小さなビルの中、新宿将棋センターの
師範が二上王将(当時)だったのだ。
当時彼は30歳そこそこだったはず。
その後あのクラブはどんどん大きくなり、最盛時は靖国通り沿いのビルの5階ワンフロア
200席がすべて埋まるという活況を呈したことも。
今も移転したビルで営業は継続しているが、お客はずいぶん高齢化した。
あのときタイトルを奪った相手が大山名人なのだが、10年後私はひょんなことで
かかわりを持った。
名人が、私のいたところに人間ドックでやってきたのだ。
ご存知のように検査の合間は時間があるから、みんな退屈でしょうがない。
だれか将棋の相手をしてやってくれということになり、私の先輩がお相手をした。
もちろんボロボロにやられるのだが、素人相手の遊び大局なのに絶対手を抜かない。
見学しただけだが、恐ろしい迫力だった。
みんなどんどんいなくなる。
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