先日わずかに血尿がでたので、近所の泌尿器科へ行った。
入院設備の整った割合大きな専門病院。
午後の受付をすませて待っていると、看護師がきて
「診察の前に、先にいろいろな検査を済ませてしまいたいのですが、費用のこともあるので
一応確認を」
「たとえば、どんなことを」
「CTスキャンとか」
「いえそこまではちょっと」
みたいな会話があった。
ん、これはエライところに来てしまったぞ。
私も元病院医事課の人間である。
経営サイドの意思は痛いほどわかっている。
高額な検査機器の減価償却を早く終わらせてしまいたいに違いない。
普通、常識的には、医師が診察して、ある程度の仮の病名「〇〇の疑い」をつけ、
それにあわせて必要な検査項目を指示するというのが流れだろう。
現実は違う。
病院ごとにやりたい検査(高額な機器使用)があり、検査してから
それに合わせた病名を考えることがままあるのだ。
駆け出しの医師はそこがうまくない。
要は保険のシステムに乗るかどうか。
医師Aは「B」という病名をつけて「C」という検査をした。
するとベテラン医療事務員Dは、医師Aに指示する。
「先生、この検査やっちゃったら、この病名じゃ審査機関通らないよ。
E F G のどれかにして」
さかさまだが、現場はそんなもの。
という実情を知っているから、私としては慎重にならざるを得ない。
検査はすべて診察後にしてもらった。
ややのち、名前を呼ばれた。
診察室に入る。
ドクターは検尿結果を見てズバリ、
「〇〇ガンを疑いますね。内視鏡にしましょう」
初めての経験だが、そう痛いものでもない。
自分も同時に画面を見ているので、よくわかる。
正常だし、これなら大ごとにはならないか?
とはいえ、あまりうれしいものではないな。
検査はひとつづつやるとしても、仕事しながらは無理だろう。
よし退職。とあっさり決めた。
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