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兵隊から逃れる法

2015-07-19 07:18:12 | 日記

これはつまり「徴兵拒否」のことである。
従来絵空事であったはずの「徴兵制」が、日本でもひょっとすると再開されるのでは、
と疑わせるに足る現今の政治情勢がにわかに風雲急を告げてきた。
といっても、まだまだマグマが微動を開始した程度で、今日明日の話ではない。
しかし、誰の目にも明らかになるようだったら、こんなテーマは圧殺されるだろう。
そう、語るのは今のうちなのである。
すでに徴兵されるのは不可能な年齢になってしまったが、私は高校生の時から
常にこの問題を考え続けてきた。
自分なら招集されても絶対行かないだろう。
ならば、方法論だけでも確立しておかなければなるまい、と心に決めたのである。
日本の徴兵制は明治6(1873)年以来の歴史を持っている。
初期は抜け穴だらけで、ちょっと頭を使えば誰でも逃げられた。
しかし明治22(1889)年、および昭和2(1927)年の改正で網は狭められ、
「国民皆兵」への道が確実なものとなって、日中戦争の拡大から対米英太平洋戦争の「敗戦」
へとつながっていく。
当時の大原則は「17~40歳の男子はすべて兵役に服する義務」のもとにあった。
この中に常備兵か後備兵といった区分けがされていただけのこと。
さて具体策だが、時代とともに変化する。

①本籍移転:
最初期は北海道や沖縄には、まだ徴兵令が施行されていなかったため、本籍を北海道に
移転したものが多かった。夏目漱石が有名な例だ。

②兵隊養子:
次に、戸籍の筆頭者とその後継者は徴兵されなかったため、わざと養子になるものが横行した。
この行為を取り締まる側の鈴木内務大臣が若いころ自らこれを実行していて話題になったことも。

③代人制:
官吏、海陸軍生徒、官立専門学校以上の生徒や洋行修行中のものなどは、代人料270円納入する
ことで、兵役が免除された時期があった。

④犯罪者:
徒刑以上の刑に処せられたものは「名誉ある兵役義務」の対象外であった。

⑤身体的理由:
「廃疾又は不具」および身長145.5cm以下のものは徴兵検査不合格なので、
実際に手足を傷つけたりこれを装うものが現実にいたという。
「筋骨薄弱」では甲種合格にはなれないし、射撃には視力が必要なので、近視ならせいぜい
丙種合格といったところか。現役を逃れる確率はぐんと高くなる。

⑥1年志願兵:
資産家にはこの手が使えた。
中等学校以上の卒業者なら、在営中の費用(たとえば年間100円程度)を負担することで
予備役将校の受験資格が得られたわけ。落第すればそのまま予備役下士官(伍長など)
になって現役は1年ですむ。

⑦師範学校:
小学校の教員は当初6週間(のちに1年)の現役実習で兵役をすませられるため、合法的な
兵隊逃れによく利用された。

⑧逃亡:
もっとも単純な方法がこれである。赤紙がきたら行方不明になりさえすればよいのだ。
明治期には年間5000人以上がこの手段を使用した。

⑨良心的兵役拒否:
ここまでのどの項目にもひっかからなかった人の最後の砦がこれである。
つまり精神的理由で兵役の「実務」から逃れようとすることだ。
米国等における現実は、絶対平和主義を信条とする一部教派(クエーカーなど)
の青年に認められた特例であるが、軍務に代わる「民務」にはつかなければならない。
代表的な分野が医療または介護であるから、関連資格を有するものは圧倒的に有利であろう。
医師、看護士、薬剤師、介護福祉士等の免許が合法的な兵役逃れに活用される社会が想定される。
宗教的な理由でも、付け焼刃的な入信は逆効果かもしれない。

⑩オタク路線貫徹:
以上述べたことは戦争が嫌いな人向けの対処法だが、逆もありうる。
つまり戦争は好きだが、自分は死にたくないといういかにも現代的な新人類のためのガイドだ。
これはもうゲームやパソコンの腕を磨いておいて、徴兵されたらそっち方面の技能を強調して、
「後方」に配属されるよう運動するのだ。
近代戦は歩兵による陣取り合戦ではない。
情報機器の取り扱いに秀でたほうが圧倒的に有利だ。
いかにも日本人向きではないか。
あと、調理師免許を取っておいて、炊事係に指名されるのもありかも。

結論:
どんな方法をとるにせよ、計画的にやってね。
ドロナワ式はすぐばれる。

蛇足:
我が家の場合、
祖父は大学中退なので、第一次大戦に海軍へ志願し、将校で退官した。
父は商業学校卒で、軍属のまま炭鉱の課長で終戦。
叔父は旧制中学卒で召集され、兵隊のまま戦死。(2013.2.19記)
2年前はまさかと思ったが、とうとうマジになってしまった。




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