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河原直一郎に会いたい

2015-05-15 05:51:05 | 日記

河原直一郎なんて、こんな名前に反応したあなたは、
①伊藤整の信奉者
②文学史の研究者
③小樽市の郷土史家
④旧北海タイムスの関係者
のどれかに該当するのでは。
伊藤整の「若い詩人の肖像」では堂々と本名で書かれている。
何も隠し立てすることもないから当たり前か。
いかにもブルジョアという登場の仕方だが、実際父親・河原直孝は、当時の北海水力電気
(現北海道電力)の重役で、後の小樽市長なのだから仕方ない。
直一郎と整はしばらく同人雑誌をやっていた。が、経済面は直一郎が主体だったらしい。
私がなぜ彼に興味を持ったかといえば、かつて勤務先の社長の自宅を訪問したところ、
書斎に伊藤整全集があり、その付録(配本時に付いてくる16頁くらいの小冊子)
の中の写真を見せられて、「この人はウチの母と昔お見合いをしたことがある」
という話になったことから。
それがまさに直一郎だったのだ。
北海道文学大辞典に記載はあるものの彼はいわゆる文学的活動をしたわけではないし、
最後まで一般人のままで終わったので、私ごときが関心をもつというのは
筋違いのそしりを免れないのだが、不思議な親近感をもったことは間違いない。
当時彼は小樽高商の図書館に勤めていて、後欧州に外遊、帰国後は当時の北海タイムス
(現在の北海道新聞)に就職した、というのが主な経歴。
昭和35年だったか、伊藤整は週刊新潮の「掲示板」というコーナーで、
直一郎の消息を尋ねる記事を掲載してもらったことがある。
共通の知人があって、整に彼の居所(関西)を伝え、それから両者の交遊は復活したという。
二人とも明治38(1905)年生まれだったが、整は昭和44年に、
直一郎は同じく49年に他界し、そして「明治は遠く」なった。(2012.3.21記)



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