私の家の近くに天神山という小高い丘がある。
といっても札幌の人以外にはわからないだろう。
南区と豊平区の境界線上にあり、神社や墓地、公園になっていて、
休日の格好の散歩コースだ。
その山の中腹に文学碑があって、
「石狩の 都の外の 君が家 林檎の花の散りてやあらむ」
と刻まれている。
一握の砂に所収された、ご存知啄木の名歌だ。
彼は明治の末期、札幌に2週間ほど滞在したのは事実だが、ここ平岸とは何の
関係もない。
しかしかつてこのあたりが一面のりんご畑だったことを、地元の人は
知っている。
だから平岸りんごの最盛期をしのんでここに記念碑を置いたのだ。
この歌に「君」とされた橘智恵子(啄木とは函館の代用教員時代に知り合った)
の生家は元村(現東区)でりんご園を営んでいたから、やはりりんご園の終焉には
ふさわしいか。
ここにたたずんでいると、どこからか美空ひばりの歌う「りんご園の少女」
(りんご追分のB面)が聞こえてきそうな気がする。(2013.4.27記)
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