2018年7月12日
「晴れ、ときどきブタ」というアニメ、もしくは絵本をご存知でしょうか。
子供が書く日記のお天気欄に、主人公の男の子がふざけて「晴れ、ときどきブタ」 と、ある日書いたところが、ほんとうに空からブタが降ってくる、って話なんですけどね。
小さい頃、うちの子供たちはこれに夢中になりまして、繰り返し共にビデオを見たものです。我が家のは「晴れ、ときどこネコ」であります。
数日置きに、ネコが脚を踏み外してか、フラットの2階なる我が家の台所そばにあるベランダの洗濯物干し場から、 昨日はクルル、先だってはゴンタそして、べべ、ぺトと順番に二階の我が家から、階下の庭に落ちるのでありました。
その都度、外へ出慣れてるゴンタをのぞいては、全員およそ外出したことのないネコたちなもので、けたたましい声で「落ちた落ちた~恐いよ~」と助けを求めて家人を呼ぶのであります。
出なれてるゴンタ君は「もっけの幸い!」とばかりに悠々と散歩に出かけるのですが、出たことのないネコ達は、落ちたその場で固まってしまい微動だにしないで、悲鳴を上げる。
「あ、またや!」と手にまず鍵を持ち、(慌ててこれを持たずに出ようものなら自動ロックでドアが閉まって、鍵を持つ誰かが帰宅するまで家には入れない・・・)、走って玄関口を出、車庫のある裏手の階下へと拾いに行くのです。
先日もその突然のネコの泣き声で「ありゃ!」と思い、窓から顔を出して見ると案の定。 「あらら、べべちゃん、落っこったのね。そっから動いちゃだめよ~、今迎えにいくから。」と叫んでましたら、階下のおばさん
とその小学生の息子、同じく窓から顔出して上を見上げながら言うことにゃ、
「今日も二階からネコが降ったん~~~、あははは」・・・
上からしょっちゅうネコが降ってくるとこって世界中探したってそうザラにはあらへんで・・・思わず、「晴れ、ときどきネコやな・・・」ボソッと呟いてしまったわたしでありました。
と、綴ったのは随分昔のことです。
今では猫メンバーは少し代わり、上に登場するゴンタとべべ2匹とも、もうあちらの世界に逝きました。そして、途中から我が家に来たホームレスネコのチビとゴローが加わり、現在我が家には4匹のネコがいます。
息子と娘も日本に住み、変わったのは猫メンバーだけではなく、我が家のポルトの家族構成も夫と私の二人になりました。そんな生活の日々のつい先ごろのことです。
夕方7時、晩御飯のため台所に立って野菜を刻んでいました。ポルトガルはただ今夏時間で、空がまだ真昼間のように明るい時間です。
かすかに猫の鳴き声を聞いたような気がして、慌てて我が家の猫の数を確認しました。全員います。なんだ、気のせいかと思い、再び台所であれこれしていると、やはり聞こえるのです、ねこの鳴き声が。
いったいどこからだろうかと、まず、台所のベランダから顔を出し、上を見上げると、ぎゃ!、子猫が上の階の洗濯物にぶら下がってるじゃん!

写真はこの事件後に撮ったのですが、子猫は干してあるジーンズにぶら下がって必死に助けを求めた鳴いていたのです。
「おーい、カルロスさん!てぇへんだぁ!」と、早めに帰宅していた夫を呼び、「見て見て!子猫が!」
下はコンクリのパテオですから、落ちたら小さい猫は恐らくひとたまりもないと思われ、慌てふためいてイスを持ち出してくるわたしに、「おい、これこそ今度は君が危ないよ」とたしなめられ。
そのうち、階下の住人も気付き、車庫の前のコンクリ庭に集まってきました。その間も子猫は必死に鳴いています。
咄嗟に夫は小さなカーペットを持ち出し、図のように三本連なる洗濯ロープの上に広げました。

しかし、カーペットだけでは心もとない。そこで大急ぎで我が家の猫の寝カゴの小さいほうを持って来てカーペットの上に置き、夫はそれを手で押さえました。下では見上げているアパートの住人たちが「Coitadinho!(可哀相に)」を連発しています。
いよいよ、力尽きた子猫、ついに落ちました。しっかりポーンと寝カゴの真ん中に!夫からそれを受けとり、ひとまず安心してもらうため、腕にダッコしました。小さな心臓がドキドキしていましたが、やがて少し安心したのか、のどをゴロゴロ鳴らし始めました。
下がその寝カゴとともに、すぐ我が家の台所に入った子猫です。
律儀子猫で、まずは自分と同種のペトにご挨拶の様子(笑)
ちゃんと相手をしてあげたのは、ペトだけで、我が家のほかの3匹は、チビの新参者はかなわん、とでも言うかの如く、そそくさとどこかへ姿を隠しました。

我が家は2階のフラットなのですが、3階で子猫を買っているのをこのことで知りました。猫は身軽ですばしっこい動物です。何匹も飼ってきて、我が家の猫たちも一通り窓から落ちて慌てふためいた経験をしていますから、わたしは、ペットを飼っている時に気をつけるべきことの一つとして、窓を開け放して出かけないことを挙げます。
きっと子猫だから、まさか窓までよじ登るとは思いもしなかったのでしょう。夜、10時ごろ、我が家のチャイムが鳴り、若いお母さんと子どもが「すみません」と受け取りに来たときは、子猫ちゃん、我が家での冒険をさんざんして、ご飯も済み、猫ベッドで寝ていたのでした。 小さなお客さま、お帰りです。
今頃、上の階の人、子猫が必死にぶら下がった爪あとだらけのジーンズを手にし、がっかりしていることでしょう。
久しぶりに子どもたちがいた頃の、「晴れ、ときどきネコ」を思い出したのでした。
「晴れ、ときどきブタ」というアニメ、もしくは絵本をご存知でしょうか。
子供が書く日記のお天気欄に、主人公の男の子がふざけて「晴れ、ときどきブタ」 と、ある日書いたところが、ほんとうに空からブタが降ってくる、って話なんですけどね。
小さい頃、うちの子供たちはこれに夢中になりまして、繰り返し共にビデオを見たものです。我が家のは「晴れ、ときどこネコ」であります。
数日置きに、ネコが脚を踏み外してか、フラットの2階なる我が家の台所そばにあるベランダの洗濯物干し場から、 昨日はクルル、先だってはゴンタそして、べべ、ぺトと順番に二階の我が家から、階下の庭に落ちるのでありました。
その都度、外へ出慣れてるゴンタをのぞいては、全員およそ外出したことのないネコたちなもので、けたたましい声で「落ちた落ちた~恐いよ~」と助けを求めて家人を呼ぶのであります。
出なれてるゴンタ君は「もっけの幸い!」とばかりに悠々と散歩に出かけるのですが、出たことのないネコ達は、落ちたその場で固まってしまい微動だにしないで、悲鳴を上げる。
「あ、またや!」と手にまず鍵を持ち、(慌ててこれを持たずに出ようものなら自動ロックでドアが閉まって、鍵を持つ誰かが帰宅するまで家には入れない・・・)、走って玄関口を出、車庫のある裏手の階下へと拾いに行くのです。
先日もその突然のネコの泣き声で「ありゃ!」と思い、窓から顔を出して見ると案の定。 「あらら、べべちゃん、落っこったのね。そっから動いちゃだめよ~、今迎えにいくから。」と叫んでましたら、階下のおばさん
とその小学生の息子、同じく窓から顔出して上を見上げながら言うことにゃ、
「今日も二階からネコが降ったん~~~、あははは」・・・
上からしょっちゅうネコが降ってくるとこって世界中探したってそうザラにはあらへんで・・・思わず、「晴れ、ときどきネコやな・・・」ボソッと呟いてしまったわたしでありました。
と、綴ったのは随分昔のことです。
今では猫メンバーは少し代わり、上に登場するゴンタとべべ2匹とも、もうあちらの世界に逝きました。そして、途中から我が家に来たホームレスネコのチビとゴローが加わり、現在我が家には4匹のネコがいます。
息子と娘も日本に住み、変わったのは猫メンバーだけではなく、我が家のポルトの家族構成も夫と私の二人になりました。そんな生活の日々のつい先ごろのことです。
夕方7時、晩御飯のため台所に立って野菜を刻んでいました。ポルトガルはただ今夏時間で、空がまだ真昼間のように明るい時間です。
かすかに猫の鳴き声を聞いたような気がして、慌てて我が家の猫の数を確認しました。全員います。なんだ、気のせいかと思い、再び台所であれこれしていると、やはり聞こえるのです、ねこの鳴き声が。
いったいどこからだろうかと、まず、台所のベランダから顔を出し、上を見上げると、ぎゃ!、子猫が上の階の洗濯物にぶら下がってるじゃん!

写真はこの事件後に撮ったのですが、子猫は干してあるジーンズにぶら下がって必死に助けを求めた鳴いていたのです。
「おーい、カルロスさん!てぇへんだぁ!」と、早めに帰宅していた夫を呼び、「見て見て!子猫が!」
下はコンクリのパテオですから、落ちたら小さい猫は恐らくひとたまりもないと思われ、慌てふためいてイスを持ち出してくるわたしに、「おい、これこそ今度は君が危ないよ」とたしなめられ。
そのうち、階下の住人も気付き、車庫の前のコンクリ庭に集まってきました。その間も子猫は必死に鳴いています。
咄嗟に夫は小さなカーペットを持ち出し、図のように三本連なる洗濯ロープの上に広げました。

しかし、カーペットだけでは心もとない。そこで大急ぎで我が家の猫の寝カゴの小さいほうを持って来てカーペットの上に置き、夫はそれを手で押さえました。下では見上げているアパートの住人たちが「Coitadinho!(可哀相に)」を連発しています。
いよいよ、力尽きた子猫、ついに落ちました。しっかりポーンと寝カゴの真ん中に!夫からそれを受けとり、ひとまず安心してもらうため、腕にダッコしました。小さな心臓がドキドキしていましたが、やがて少し安心したのか、のどをゴロゴロ鳴らし始めました。
下がその寝カゴとともに、すぐ我が家の台所に入った子猫です。

律儀子猫で、まずは自分と同種のペトにご挨拶の様子(笑)
ちゃんと相手をしてあげたのは、ペトだけで、我が家のほかの3匹は、チビの新参者はかなわん、とでも言うかの如く、そそくさとどこかへ姿を隠しました。

我が家は2階のフラットなのですが、3階で子猫を買っているのをこのことで知りました。猫は身軽ですばしっこい動物です。何匹も飼ってきて、我が家の猫たちも一通り窓から落ちて慌てふためいた経験をしていますから、わたしは、ペットを飼っている時に気をつけるべきことの一つとして、窓を開け放して出かけないことを挙げます。
きっと子猫だから、まさか窓までよじ登るとは思いもしなかったのでしょう。夜、10時ごろ、我が家のチャイムが鳴り、若いお母さんと子どもが「すみません」と受け取りに来たときは、子猫ちゃん、我が家での冒険をさんざんして、ご飯も済み、猫ベッドで寝ていたのでした。 小さなお客さま、お帰りです。
今頃、上の階の人、子猫が必死にぶら下がった爪あとだらけのジーンズを手にし、がっかりしていることでしょう。
久しぶりに子どもたちがいた頃の、「晴れ、ときどきネコ」を思い出したのでした。
日本の雑誌「ねこのきもち」の編集をしています、興野と申します。
ほかにすべがなくこちらに連絡してしまいすみません、
弊誌の連載に、世界各国で猫と暮らす日本人の生活を紹介するページがあり、そちらでご協力いただけないないかと思いご連絡差し上げました。
よろしければ詳細をお伝えいたしますので、
m-kyono(アットマーク)co2net.jp
にご連絡いただけませんでしょうか?
お忙しいところ恐れ入りますが
ご検討のほどよろしくお願いいたします。
興野