京都が好き 写真が大好き by たにんこ

長く写真をやってると 
聞こえないものまで 
聞こえてくるんだな

京都 東寺 生きる!

2006年06月23日 01時29分43秒 | Weblog
20日に その事件は起きた。

弘法市の前日 おれは家のおんちゃんと いつもの様に東寺へ行った。
あちこちで 弘法市の出展準備のテント設営で大忙しで そこそこ賑わっていた。
南門の例の ちっちゃい神社に行って 切れ耳一家とその娘の一家と 交互に撮影してた。
そこへ 和服を作務衣に改良したものを着たお姉さんが来て しばし話をしてたんだ。
その人も猫が好きで 時々来ては見ていたらしい。
話が弾んで おれが「でもね あそこに見える子猫の様に めちゃくちゃ小さいと 
カラスにやられるんだよね」と話をしたんだ。
こうも言った「おれは ここの猫には壁を置いていて 何が有っても助けない 餌をやらない」とも。
言い終わらない内に 写真に写っている手の平にすっぽりと収まってしまう子猫が ぽてっと落ちたんだ。
高さは30センチくらいだから 大した事は無かった。
子猫は 頭をぷるぷると振って 何事も無かったかのように見えた…はずだった。

瞬間 天井からどさっと 真っ黒い物が落ちて来た。
???分けが分らなかった。
ばさばさばさ じゃあないんだよ。
どさっと落ちて来たんだ。
白い子猫が見えなくなり ぎゃぁ~ぎゃぁ~と凄い悲鳴がこだました。
カラスだった!
おれは走っていた。
「このやろぉ~!」と言ってたらしい。
カラスが1メートル程上がった時に ぽとっと子猫を放した。
おれは 自分がガタガタ震えているのが分かっていたよ。
子猫を抱き上げて撫でていたら 例のお姉さんが震える声で「話していたばかりなのに…」と言った。
左側を見たら そばにお姉さんとおんちゃん その横には切れ耳の息子の子猫が 一丁前に毛を逆立てているんだ。
子猫の異常な鳴き声で 母猫がやって来た。
当たりを見渡したら そこら辺にファミリーの雄猫達が居た。
お姉さんは「きっと あなたを動かしたのは ここの神社の神様と猫の霊だね」と言ったんだ。

以上の事もふまえて…
今朝 猫の夢なんか殆ど見ないのに 助けてやった親猫が夢に出てきて「ありがとう!本当にありがとう!」
と 人間の声を出して御礼を言う夢を見た。
今日22日は 朝っぱらから大雨だ。
西門のボスと 助けてやった子猫が気になり 大雨の中を出かけたんだ。
西門のボスは とても小さな軒下で ずぶ濡れになりながら居たよ。
挨拶もそこそこに 南の八嶋神社に向かった。
切れ耳だけしか居なかった。
娘一家は???
助けてやった子猫は???
写真に写っているコンクリートの垣根と 奥に見える金網の隙間は10センチくらいなんだ。
その隙間を 隅から隅まで…
居たよ。
手の平くらいの水溜りに沈んでいた。

おれは人間だ。
血の通っている人間だ。
雨に誤魔化して 大声で謝ったよ。
「ごめんな おれが助けたばっかりに。ごめんな」
何度も何度も何度も謝った。
三匹居るはずなんだ。
大声で呼んでみたら ずぶ濡れになった子猫が みゅぅ~みゅぅ~と鳴いて近づいて来た。
親猫も近づいてきたけど この親は若いだけに子育て放棄をしている。
いくら母親のおっぱいに近づけても 吸わせようとはしなくて 離れてしまう。
子猫を抱き上げ ベストに入れて暖めながら 白い子猫に最後のお別れを言うつもりで声を掛けた。
「あした必ずお墓を造ってやるから」…???毛が動いたような?
びっくりして でかい声で「おい!おい!おい!動けって。動いてみろって!」と言っていた。
首だけを残し 体全部が沈んでいる状態で やっと首を持ち上げ かすかにみゅぅ~と鳴いた。
有刺鉄線がある隙間に 思いっきり手を突っ込んでいた。
手が血だらけになったけど ベストに入れてやった。
兄弟二匹 震えながらじっとしていた。
親猫は無関心で おれの傍から離れて じっと鳥居の入り口を見つめている。
小一時間 半分雨に濡れながら おれは考えていた。
自問自答していた。
良いんだろうか?

あぁ~めんどくせぇ~!
前に居る親猫に「おめぇ~が子育て放棄したんだから 文句なんか言うなよ!」
連れて帰って来た。
見ての通り 白い子猫は未熟児で 左目はまだ見えていない状態だ。
でもな 連れて帰って来たからには 最後の最後まで面倒を見るつもりだ。
親猫の姿 この子猫の姿 おれが何十年前に飼っていた「み~」と同じだ。
白い猫は「み~」の母親の「たま」と同じだ。
ずぶ濡れになって帰って来た おれと子猫を見たおんちゃんは 黙っておれの体を拭いてくれて
これも又黙って スーパーから牛乳を買って来て「なぁ その猫飼うんだろ?なって?」
黙って頷くと ダンボールを引っ張り出して来て 猫の寝床を造ってこう言った。
「これから よろしくな」
又も不思議な事が起きた。
ちゃとらの子猫は よたよたと近づいて おんちゃんの手に ちっちゃな右手を乗っけて みゅぅ~と鳴いた。