東寺の猫
おれが東寺で出会ったのは 去年の5月だった。
それから一年経って ようやく彼等の縄張り 行動範囲 癖などが分かった。
彼らも おれが行くと やっと逃げなくなって 逆に近づいて来る様にもなったんだ。
その間 悔しくて辛くて 何度泣いたか分からない。
糞ガキ と言うのは 何処にでも居るもんで 当然東寺の中にも遊びに来る。
意味も無く追い掛け回し 寝ている所を蹴散らし…etc
馬鹿な大人も勿論大勢居る。
鳩を追い掛け回し ついでに猫達を追い掛け回す。
猫の能力は不思議な物で 動物(猫)が嫌いな人間には 決して近づかないし
むしろ そう言う人間が近ずこうとすると 彼らの方から去って(逃げて)行く。
おれは そんな馬鹿野郎な糞ガキや大人達を 黙ってじっと睨みつけるしかないんだよな。
何故か?
おれは彼らを撮る上で 彼等との間に暗黙の誓いをたてたんだ。
それは 彼らとの間に「壁」を置くと言う事だ。
つまり 他人が何をしようが 口を挟まない助けない。
そして餌をやらない と言う事だ。
ここに住む動物達に 餌をあげている人が居る。
その人は 毎日来るわけではない。
その人から その人の家の事情を聞いた事もあるし 猫の昔の飼主にも会った事がある。
彼らには 彼等の接し方が有る様に おれは そこには入り込まないようにしたんだ。
お腹が空いている猫達は おれが行くと「にゃぁ~にゃぁ~」と 普段は寄って来ない猫までも寄ってくる。
おれに出来る事は 優しく声を掛けて体を撫でてやる事しか出来ないんだ。
何度も何度も何度も 家が近いから 家に帰って御飯を持って来てやろうとしたか。
追い掛け回す糞ガキや大人達を 何度ぶん殴ってやろうとしたか分からない。
でも じっと見守ってやる事しか出来ない。
約束事だから じっと我慢するしかないんだな。
ある日の事 おれは東寺に行って猫達を撮っていた。
夕方4時30分には 猫達が待ちに待った食事が出来る時間。
10分経ち 20分経ち…1時間経っても 食事の時間は来なかった。
猫達は 直ぐ傍まで近づいてくる観光客の姿に怯えつつ それでも門の方をじっと見ているんだ。
約束事でも有るかのように そこが約束の場所でも有るかのように 近くの灯篭や門の所で待ってる。
その人が来るのをじっと待って 門の方を見ているんだよ。
何十分も 何時間も待っているんだ。
来なかった。
さすがにおれは駄目だった。
何故かと言うと 猫の表情に 明らかに落胆の表情が出ていたからだよ。
その日おれは 一日中猫達と居たんだ。
朝の6時から夕方5時30分まで ずっと居たんだ(家のおんちゃんと2時間位交代したけど)
その間 猫達は食事はしていない。
御昼頃 猫達は何度も水を飲んでいた。
前の日も 夕方の猫達の食事の時間前から閉門まで居たけど その人は来なかったんだ。
つまり2日間 何も食っていないんだよな。
家に帰る時 何時までも猫が着いて来た。
こんな事は初めてだった。
よっぽど腹が減って どうしようもなかったんだろうな。
家に帰ったおれは 当然食事を造るわけだけど…
造っている途中で 何度も何度も涙を拭いた。
笑いたいなら笑えよ。
おれには猫の気持ちが分かる。
おれがお金が無い時に 公園の雑草を食っていた時が有る。
スーパーの裏の搬入口に夜中に行って 落ちている野菜くずを拾って食ってた時が有る。
朝早く 往復30キロ歩いて漁港に行って 落ちている魚を拾って食ってた時も有る。
ハングリー精神などと言う 甘っちょろいもんじゃあなかった。
飯を…おかずを買うより フイルムを買ってしまってたからだ。
あの頃は 死なない程度に生きていた。
この猫達もそうなんだろうな。
毎日毎日 必死で生きている。
人間と同じだよ。
だから生き様を撮りたいと思ったんだ。
おれが東寺で出会ったのは 去年の5月だった。
それから一年経って ようやく彼等の縄張り 行動範囲 癖などが分かった。
彼らも おれが行くと やっと逃げなくなって 逆に近づいて来る様にもなったんだ。
その間 悔しくて辛くて 何度泣いたか分からない。
糞ガキ と言うのは 何処にでも居るもんで 当然東寺の中にも遊びに来る。
意味も無く追い掛け回し 寝ている所を蹴散らし…etc
馬鹿な大人も勿論大勢居る。
鳩を追い掛け回し ついでに猫達を追い掛け回す。
猫の能力は不思議な物で 動物(猫)が嫌いな人間には 決して近づかないし
むしろ そう言う人間が近ずこうとすると 彼らの方から去って(逃げて)行く。
おれは そんな馬鹿野郎な糞ガキや大人達を 黙ってじっと睨みつけるしかないんだよな。
何故か?
おれは彼らを撮る上で 彼等との間に暗黙の誓いをたてたんだ。
それは 彼らとの間に「壁」を置くと言う事だ。
つまり 他人が何をしようが 口を挟まない助けない。
そして餌をやらない と言う事だ。
ここに住む動物達に 餌をあげている人が居る。
その人は 毎日来るわけではない。
その人から その人の家の事情を聞いた事もあるし 猫の昔の飼主にも会った事がある。
彼らには 彼等の接し方が有る様に おれは そこには入り込まないようにしたんだ。
お腹が空いている猫達は おれが行くと「にゃぁ~にゃぁ~」と 普段は寄って来ない猫までも寄ってくる。
おれに出来る事は 優しく声を掛けて体を撫でてやる事しか出来ないんだ。
何度も何度も何度も 家が近いから 家に帰って御飯を持って来てやろうとしたか。
追い掛け回す糞ガキや大人達を 何度ぶん殴ってやろうとしたか分からない。
でも じっと見守ってやる事しか出来ない。
約束事だから じっと我慢するしかないんだな。
ある日の事 おれは東寺に行って猫達を撮っていた。
夕方4時30分には 猫達が待ちに待った食事が出来る時間。
10分経ち 20分経ち…1時間経っても 食事の時間は来なかった。
猫達は 直ぐ傍まで近づいてくる観光客の姿に怯えつつ それでも門の方をじっと見ているんだ。
約束事でも有るかのように そこが約束の場所でも有るかのように 近くの灯篭や門の所で待ってる。
その人が来るのをじっと待って 門の方を見ているんだよ。
何十分も 何時間も待っているんだ。
来なかった。
さすがにおれは駄目だった。
何故かと言うと 猫の表情に 明らかに落胆の表情が出ていたからだよ。
その日おれは 一日中猫達と居たんだ。
朝の6時から夕方5時30分まで ずっと居たんだ(家のおんちゃんと2時間位交代したけど)
その間 猫達は食事はしていない。
御昼頃 猫達は何度も水を飲んでいた。
前の日も 夕方の猫達の食事の時間前から閉門まで居たけど その人は来なかったんだ。
つまり2日間 何も食っていないんだよな。
家に帰る時 何時までも猫が着いて来た。
こんな事は初めてだった。
よっぽど腹が減って どうしようもなかったんだろうな。
家に帰ったおれは 当然食事を造るわけだけど…
造っている途中で 何度も何度も涙を拭いた。
笑いたいなら笑えよ。
おれには猫の気持ちが分かる。
おれがお金が無い時に 公園の雑草を食っていた時が有る。
スーパーの裏の搬入口に夜中に行って 落ちている野菜くずを拾って食ってた時が有る。
朝早く 往復30キロ歩いて漁港に行って 落ちている魚を拾って食ってた時も有る。
ハングリー精神などと言う 甘っちょろいもんじゃあなかった。
飯を…おかずを買うより フイルムを買ってしまってたからだ。
あの頃は 死なない程度に生きていた。
この猫達もそうなんだろうな。
毎日毎日 必死で生きている。
人間と同じだよ。
だから生き様を撮りたいと思ったんだ。
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