お寺様の催しに出かけた。午前と午後の部に別れる。
総勢七人の僧侶が先達を務める豪華なもの。
私は午前の部のみ参加。お会いできなかった妻の友
に遅れた挨拶をすませた。お昼には家に帰り着いた。
いつもの日常に戻った。荷物が届いていた。
NETで本とお線香。中を確かめお昼。
朝の味噌汁とご仏飯のオジヤ。
姪の部屋を掃除。汚れた下着を抽斗にしまうのが悩み。
思いきってタンスを空にするのを決めた。抽斗に何を
入れようとも構わない。シーツが汚れているが下着が
見つからない。本当に弱る。
洗濯した物を畳みながら考える。金色に輝く祭壇に亡き
人を思い自らも極楽でと思わせる。
自らも打ちひしがれている時は考える暇もない行事に助
けられた。周りに人が集まり息就く暇もない。
四十九日が過ぎる頃には気持ちも随分落ち着く。日常は
戻らないが次第に諦めがつく。
届いた本は柴田哲孝著”Mの暗号”小説は感情を収める。
高校一年にカフカの本に出合う。放課後図書室に詰める。
一心に読みふける。生きる事に不安を覚えた。
今は種を絶やした罪で自らを罰する。それのみで暮らす。