地域でやっている子どもたちの集まりで、
いつもやんちゃで、困ると「へへへ~」なんて言ってごまかしていた男の子が、
学校であったちょっとイヤだったことをぽそっと話してくれました。
珍しいな~と思いながら、「そうか~、大変だったね~」と聴いてあげたら、
その子はちょっと驚いた表情をしていました。
ちゃんと聴いてもらえたことが、今まであまりなかったのかもしれません。
自分の気持ちを上手に言葉にできる子は、
聴いてくれる人を見つけることも上手ですから、
話を聴いてもらって心を整理することができますが、
伝えるのが苦手な子は、こちらが丁寧に聴いてあげないと
途中で話すのをやめてしまったり、あきらめてしまいます。
今までは片づけもあまり手伝ってくれたことがなかったのですが、
その日は自分から率先して片づけを手伝ってくれました。
子どもたちは、ちょっとしたことをきっかけに変わっていきます。
それを見逃さない目を大切にしたいですね。
大人は、ついつい子どもは活発(であってほしい)…と思いがちですが、
子どもの中にはのんびりした子もいれば、大人しい子もいます。
具体的には、
みんなが遊んでいるのに少し離れたところからそれを見ているとか、
友だちと遊ばないで好きなことに熱中しているとか。
でも、その子たちがいつまでもそうかというと、
そうばかりではないかもしれません。
のんびりでもゆっくりでも、自分なりに楽しんでいる子は、
何かをきっかけに少しずつ行動範囲を広げていくことができます。
ただ、親が「この子は大人しいから友だちをつくることが難しい」とか、
「自分の気持ちを人に話すことが苦手なんだ」と心配して、
不安なときや困ったときに母親の顔を見ればすぐに察してあげて動いてあげる…
ということが続くと、子どもは動き始めるチャンスを失って
困るといつも母親の顔を見る
母親がいないと(困って)固まってしまう、固まると誰か大人が助けてくれる…
という行動パターンが身についていってしまいます。
先回りして手を貸してしまうのは、大人の不安からです。
子どもの様子をよく見てあげて、その子なりに楽しんでいるようなら、
そっとようすを見守っていってあげることも必要かもしれませんね。