タイトル候補2「ピヨユキ~網に舞い降りた鳥類~」
それは、昔々、まだ日本人が神様や物の怪の存在を信じていたころのお話です。東の国の奥に、天和村という村がありました。村のそばには大きな川が流れていて、その水を村人は生活用水として使ったり、田圃の整備に使うのでした。
この川には大昔から、シゲルノオロチという主がいました。シゲルノオロチは気分屋で、大雨を降らせ川を氾濫させたかと思うと日照りを起こし、村人の生活を脅かしていました。また、どう考えても分不相応というくらいHPMPがあったので、もういっそ黄河とかナイル川とかに転職しろよと村人たちは言いたかったのですが、機嫌を損ねないよう、息を潜めて暮らしておりました。
毎年のしきたりの通り、今年も村人や神官は、シゲルノオロチのご機嫌をとるべく、ふぐさしやフグ料理を献上し、村の息災を願います。しかしシゲルノオロチは言いました。「いいかげん毎年毎年フグは飽きた。今年はもっと別のもんが食いたい」村長の沢田さんはあわててたずねました。「それでは村一番の牛や馬を・・」「いやいや食いたくねえ」「それでは村一番の美しい娘・・」「いやいや気分じゃねえ、お前、家で鳥を飼ってるだろう。あれのから揚げが食いたい。食わせてくんなきゃ地球滅ぼす明日」「ぴよゆきを・・?!ていうか明日って急だなオイ」
奥さんと子供に先立たれ、失意のどん底だった沢田さんが、ある日庭先で拾った弱った子雀・・・・それがぴよゆきでした。沢田さんは欅で作った鳥かごをこしらえてやり、そこをぴよゆきのおうちにしました。
ぴよゆきは大変かしこい雀で、人語を解し、少しだけですがお話もでき、麻雀までできます。村の自治費が財政難に陥ったとき、沢田さんは裏麻雀で利益を上げ、村の危機を救いました。そのとき通しの合図をさえずっていたのがぴよゆきなのです。
可愛がっているぴよゆきをから揚げにして食われるなんて・・・・でもそうしなければ地球が・・・・・・沢田さんは、断腸の思いで意を決しました。籠の戸を開けてぴよゆきに声をかけます。「ぴよゆき、出ておいで」ぴよゆきはいつもどおり沢田さんの手の平に乗ります。
そのままビニール袋にぴよゆきを入れ、塩、胡椒をし軽く揉み、醤油を入れよく揉み込み、10分程置いておきます。さて次は小麦粉と片栗粉をまぶさなくてはいけません。なんにも知らないぴよゆきは、小麦粉のうえをコロコロと転がってとても楽しそう・・・・そして・・・・揚げぽよ・・・・・・
今までの楽しかった日々、ささやかだったけれど暖かな日々、麻雀をすると牌を足で挟んで一生懸命動かしていたぴよゆき、仁義なき戦いのテーマがいつまでたっても覚えられなかったぴよゆき、本を読んでいると、ふざけて読んでいるページをちぎってちょっかいをかけてくるぴよゆき・・・様々な思いが渦巻く中、沢田さんはぴよゆきをつかむと、油の煮えたぎる鍋に入れました。素手で。引くわー
想像を絶する苦痛に悶えながらぴよゆきを見ますと、羽根をバタバタ振りまくって逃げようとしています。その目が訴えます。「サワダサン・・アツイヨ・・クルシイヨタスケテ・・」メンタルライフは零よの沢田さんはまどマギ10話のほむほむよろしく呻き叫びながらぴよゆきをから揚げにしたのでした・・・
こうして完成したから揚げをシゲルノオロチに献上しに行くと、旨そうに頭からパリっと半分食べてしまいました。(ぴよゆきはミスドのドーナツボール(小さいやつ)くらいの大きさ)そして沢田さんに言います。「お前も半分食え」えっ・・」「この世一番うまいものは人の心だ・・・お前は女房にも子供にも去られ・・子供のようにこのチビを心の支えに可愛がっていた・・そんな鳥をお前自身がから揚げにして食う・・・それは人の心を食らうようだ・・」そう、シゲルノオロチは、フグやぴよゆきが食べたいわけではないのです。その過程で生じる人の心の葛藤、激情・・・人の心を食らう化け物なのです。
世界なんかどうなってもいい、でももうぴよゆきはこの世にいない、俺がから揚げにしてしまった・・・全ての因果を感じながら、噎びながらぴよゆきのから揚げ(下半身)を咀嚼しました。小さな骨が、きしむ音と感触に、ほたほたと涙が湧きました。沢田さんは思いました。「これで村は、地球は救われる。でもふしぎだ。こんなに哀しいのに、怒りも憎しみも起こらない。感情が水の底に沈んでしまったようだ。ぴよゆきも、俺の心も戻っては来るまい・・・」
こうして、シゲルノオロチは悪さをやめ、水神としての勤めを全うし、後に麻雀の神仏、「赤木氏卦婁」として天上に昇りました。清寛寺所蔵の赤木仏画は、全国的な赤木信仰のお手本として人々の生活に根付きました。赤木の仏画には、かならず傍らに小さな雀の絵が描かれます。これがぴよゆき(井川比余往(依川尋往(いがわひろゆき)と表記する地域もあり))であり、天上で、赤木の使いとしていつも傍らにいて、いそがしくこの世とあの世を飛び回っているのです。リー棒を口にくわえながら・・・・
それは、昔々、まだ日本人が神様や物の怪の存在を信じていたころのお話です。東の国の奥に、天和村という村がありました。村のそばには大きな川が流れていて、その水を村人は生活用水として使ったり、田圃の整備に使うのでした。
この川には大昔から、シゲルノオロチという主がいました。シゲルノオロチは気分屋で、大雨を降らせ川を氾濫させたかと思うと日照りを起こし、村人の生活を脅かしていました。また、どう考えても分不相応というくらいHPMPがあったので、もういっそ黄河とかナイル川とかに転職しろよと村人たちは言いたかったのですが、機嫌を損ねないよう、息を潜めて暮らしておりました。
毎年のしきたりの通り、今年も村人や神官は、シゲルノオロチのご機嫌をとるべく、ふぐさしやフグ料理を献上し、村の息災を願います。しかしシゲルノオロチは言いました。「いいかげん毎年毎年フグは飽きた。今年はもっと別のもんが食いたい」村長の沢田さんはあわててたずねました。「それでは村一番の牛や馬を・・」「いやいや食いたくねえ」「それでは村一番の美しい娘・・」「いやいや気分じゃねえ、お前、家で鳥を飼ってるだろう。あれのから揚げが食いたい。食わせてくんなきゃ地球滅ぼす明日」「ぴよゆきを・・?!ていうか明日って急だなオイ」
奥さんと子供に先立たれ、失意のどん底だった沢田さんが、ある日庭先で拾った弱った子雀・・・・それがぴよゆきでした。沢田さんは欅で作った鳥かごをこしらえてやり、そこをぴよゆきのおうちにしました。
ぴよゆきは大変かしこい雀で、人語を解し、少しだけですがお話もでき、麻雀までできます。村の自治費が財政難に陥ったとき、沢田さんは裏麻雀で利益を上げ、村の危機を救いました。そのとき通しの合図をさえずっていたのがぴよゆきなのです。
可愛がっているぴよゆきをから揚げにして食われるなんて・・・・でもそうしなければ地球が・・・・・・沢田さんは、断腸の思いで意を決しました。籠の戸を開けてぴよゆきに声をかけます。「ぴよゆき、出ておいで」ぴよゆきはいつもどおり沢田さんの手の平に乗ります。
そのままビニール袋にぴよゆきを入れ、塩、胡椒をし軽く揉み、醤油を入れよく揉み込み、10分程置いておきます。さて次は小麦粉と片栗粉をまぶさなくてはいけません。なんにも知らないぴよゆきは、小麦粉のうえをコロコロと転がってとても楽しそう・・・・そして・・・・揚げぽよ・・・・・・
今までの楽しかった日々、ささやかだったけれど暖かな日々、麻雀をすると牌を足で挟んで一生懸命動かしていたぴよゆき、仁義なき戦いのテーマがいつまでたっても覚えられなかったぴよゆき、本を読んでいると、ふざけて読んでいるページをちぎってちょっかいをかけてくるぴよゆき・・・様々な思いが渦巻く中、沢田さんはぴよゆきをつかむと、油の煮えたぎる鍋に入れました。素手で。引くわー
想像を絶する苦痛に悶えながらぴよゆきを見ますと、羽根をバタバタ振りまくって逃げようとしています。その目が訴えます。「サワダサン・・アツイヨ・・クルシイヨタスケテ・・」メンタルライフは零よの沢田さんはまどマギ10話のほむほむよろしく呻き叫びながらぴよゆきをから揚げにしたのでした・・・
こうして完成したから揚げをシゲルノオロチに献上しに行くと、旨そうに頭からパリっと半分食べてしまいました。(ぴよゆきはミスドのドーナツボール(小さいやつ)くらいの大きさ)そして沢田さんに言います。「お前も半分食え」えっ・・」「この世一番うまいものは人の心だ・・・お前は女房にも子供にも去られ・・子供のようにこのチビを心の支えに可愛がっていた・・そんな鳥をお前自身がから揚げにして食う・・・それは人の心を食らうようだ・・」そう、シゲルノオロチは、フグやぴよゆきが食べたいわけではないのです。その過程で生じる人の心の葛藤、激情・・・人の心を食らう化け物なのです。
世界なんかどうなってもいい、でももうぴよゆきはこの世にいない、俺がから揚げにしてしまった・・・全ての因果を感じながら、噎びながらぴよゆきのから揚げ(下半身)を咀嚼しました。小さな骨が、きしむ音と感触に、ほたほたと涙が湧きました。沢田さんは思いました。「これで村は、地球は救われる。でもふしぎだ。こんなに哀しいのに、怒りも憎しみも起こらない。感情が水の底に沈んでしまったようだ。ぴよゆきも、俺の心も戻っては来るまい・・・」
こうして、シゲルノオロチは悪さをやめ、水神としての勤めを全うし、後に麻雀の神仏、「赤木氏卦婁」として天上に昇りました。清寛寺所蔵の赤木仏画は、全国的な赤木信仰のお手本として人々の生活に根付きました。赤木の仏画には、かならず傍らに小さな雀の絵が描かれます。これがぴよゆき(井川比余往(依川尋往(いがわひろゆき)と表記する地域もあり))であり、天上で、赤木の使いとしていつも傍らにいて、いそがしくこの世とあの世を飛び回っているのです。リー棒を口にくわえながら・・・・