若者とスマホ
昨日の朝日新聞の「天声人語」に次のような記事があった。
「お昼どき、たまたま目にした小さな定食屋に入った。何を注文しようかと考えていると、店長らしき年配の男性と、まだ10代ではないかと思えるアルバイトの若い女性の会話が聞こえてきた▼「きょうのお薦めはサバだ。おめえ、鯖(さば)って漢字、書けねえだろ」。店長は大きな声で言った。若者はのんびりとした調子で小さく答えた。「いえ、書けます。スマホで調べますから」。しばらくして、壁にかかった品書きの黒板に、彼女はきれいな文字を記した▼私はえっと驚いた。「お薦めメニュー 秋刀魚」と書かれていたからだ。女性は何げない表情で仕事を続けている。わざと、書いたのかな。そう思うと、ちょっと愉快な気分になり、やがて、少し切なくなった▼よし、今夜はサンマを食べよう。思い立って、帰宅途中にスーパーに寄った。時間が遅かったせいか、食品棚にはパック入りのサンマが、ぽつんと1匹だけ。〈さんま、さんま、/さんま苦いか塩つぱいか〉。(以下略)」
最近は当方も寝転がったりしている時に、ちょっとした調べ事があるとスマホを使うことが増えたが、そのあと新聞や雑誌などを読んだりすると文字がぼやけてしばらく戻らない。
(当方近視が強いせいか年をとっても未だに老眼鏡なしで新聞などが読めるが、これはその影響もあるのだろうか。)
最近の若い人たちは頻繁に、かつ長時間スマホを使い続けることも多いようだが、目を悪くしないだろうかと他人事ながら気になって仕方がない。
ところで先の女店員の話だが、これは単にサバとサンマを聞き間違えただけのことかと思われるが。
(わざとそうしたとしたら、書けねえだろと馬鹿にされたと思っての腹いせか。)
(追記)
「若者とスマホ」について、他に最近気になっていることを幾つか記しておく。(少数かと思うが。また余計なお世話かも知れないが。)
・情報が偏っていないか。
(スマホで見るのは自分の選択箇所だけ。最近は新聞などを読まない若い人たちも増えているようなので、物事を幅広く見聞きする機会が減っているのでは。特にSNSなどは一方的な、或いは虚偽の情報も多いので、他にも情報源を広く持っているかどうか。)
・思考停止に陥っていないか。
(スマホは画面が小さいので文章を深く、かつ行間を読むことは難しい。特に最近の若い人たちは時短と称して早読みすることも多いようなので、印象だけで物事を判断するようになってはいないか。)
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