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桐野利秋(中村半次郎)。
私にとって、とても大きく響く名前です。
桐野利秋の戦とも呼ばれる西南戦争。
今般“政府へ尋問の筋これ有り”
教科書的には士族の反乱。国内最後の内戦。
この表現では本質は見えない。
彼の師・西郷隆盛の言葉から誠の本質が見えてくる。
文明とは道の普(あまね)く行はるるを賞賛せる言にして、
宮室の荘厳、衣服の美麗、外観の浮華を言ふには非ず。
世人の唱ふる所、何が文明やら、何が野蛮やら些(ち)とも分らぬぞ。
予嘗(かつ)て或人(あるひと)と議論せしこと有り、
「西洋は野蛮じや」と云ひしかば、「否(い)な文明ぞ」と
争ふ。「否な否な野蛮ぢや」と畳みかけしに、「何とて夫
(そ)れ程に申すにや」と推せしゆゑ、「実に文明ならば、
未開の国に対しなば、慈愛を本とし、懇懇説諭して開明
に導く可きに、左は無くして未開蒙昧の国に対する程むご
く残忍の事を致し己れを利するは野蛮ぢや」と申せしかば、
其の人口を莟(つぼ)めて言無かりきとて笑はれける。
『西郷南洲遺訓』より
明治維新で西洋化する日本。
そして横行する汚職事件。
小野組転籍事件・山城屋和助事件・三谷三九郎事件・尾去沢鉱山事件。
はやくも国家の私物化が行われ始める。
このあたりの事件は自ら調べないと知る機会はない。
これらの汚職事件の主体は長州閥。
こんな国にするために維新を戦ったのではないと憤る
生き残った志士たち。
司法卿の立場で追及する江藤新平や、義憤に燃える桐野利秋たち。
これらの真っ当な勢力が結局下野することになる。
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「私の郷里の鹿児島がまだ薩摩と呼ばれていた頃、
世の中を何とかしたいと熱き想いの大勢の志士たちが
全国から誕生しました。
薩摩でも西郷隆盛や大久保利通をリーダーにして、怒涛の
ごとくその時代の流れに突っ込んで明日を信じて命を投げ出して
逝った人々が居ました。
あの情熱を再び思い出すことで、今の世の中を何とか出来るような
気がしてなりません。
当時の志士たちは皆、侍でした。本当の侍精神とは私心を戒めて
公の為に生きることです。
その「先義後利(せんぎごり)」の精神こそ、今の世に求められるものです。
人を信じ、他人の痛みをわかって、全ての人に誠意を持って接することこそ
世界を平和に導く鍵でないでしょうか。
日本には世界に誇れる精神文化が有ります。
それを今一度思い出すことは、現代の様々な事件や不祥事の多くの問題の防止
にも繋がることでしょう。
文化を亡くした国は亡びます。日本の文化は世界を救う可能性を秘めています。
私は今、本来の日本文化の素晴らしさをもう一度取り戻したく思います。
肝(はら)を失くした日本人にかつての威風堂々たる日本人を思い出して
もらいたく思います。
その時初めて自分がこの世に生を受けた意味と役割に気づけるのではないでしょうか。
そこで私はここに薩摩武士、桐野利秋(中村半次郎)を主役にした
明治維新の映画造りを提案いたします。 榎木孝明」
内容紹介:
明治十年西南戦争-- 日本最後の聖戦に挑んだ男たちがいた。
オイどんが戦う意味は、必ずや誰かに届く
【企画・榎木孝明が贈る、明治維新の薩摩武士の生涯を描いた時代劇】
主演は鹿児島出身で今作の企画者でもある榎木孝明。
明治維新の時代に活躍した薩摩武士・桐野利秋
(中村半次郎)の生涯を描いた壮大な時代劇。監督はじめスタッフも強力、
『突入せよ!あさま山荘事件』『男たちの大和 /YAMATO』
『墨攻』など、スペクタクル溢れる撮影・照明の匠、阪本善尚・大久保武志が
躍動感ある人間ドラマに仕立て上げた。
【EXILEも胸打たれた!<半次郎>の情熱に集う豪華キャストの競演】
永山弥一郎役にはEXILEのAKIRAを迎えた。時代劇初挑戦にもかかわらず、殺陣の素晴らしさ、流暢な薩摩弁には目を見張る。
半次郎の恋人役には白石美帆が<体当たり>の演技に挑戦。
その他、津田寛治、坂上忍、雛形あき子、竜雷太などが脇を固め、
見応えたっぷりの映画に仕上がった。
【ご当地・鹿児島県で大ヒットを記録】
舞台となった鹿児島県では記録的な劇場ヒットを樹立した話題作。
幕末の動乱期。薩摩の若き侍たちの中心的存在である西郷吉之助(田中正次)が京に
上ると聞いた中村半次郎(榎木孝明)は一行に加わることに。
上京した半次郎は、人並み外れた度胸の良さと剣の腕などで、たちまち名をとどろかせる
ようになる。さらに半次郎は、長州藩士の鮎川小次郎(葛山信吾)や薩摩藩士の
永山弥一郎(AKIRA)と交流を深め、維新の理想を再び胸に抱いていくのだった。
映画『半次郎』予告編
なっちょらん なっちょらん!
道しるべを持たない 若者たち
そして
道しるべになれない 大人たちに
この「半次郎」を届けます
榎木孝明