JUSSI SALMIAKKINEN (ユッシ☆サルミアッキネン)

フィンランド各地の日の出、日の入り時間の変化をウィークリーでご紹介します。

FILE-009 Photographic Animal

2006-01-17 16:23:22 | フィンランドぶらぶら紀行
 
冬のフィンランド旅行の本命と言えば、『オーロラ』と言っても過言ではなかろう。
私もご多分に漏れず、一度が二度、三度と冬のフィンランドを訪れるようになってしまった。見るだけでは飽き足らず、写真も撮る。

彼の地でオーロラに夢中になるのは、日本人だけである。他の外国人もオーロラに関心が無いようだ。カメラを持ち、おまけに眼鏡を掛けている私は、彼らにとってはエコノミック・アニマルとかつて日本人が呼ばれた時の典型的な姿に映って見えるだろう。

彼らは、昼間はクロスカントリースキーや滑りがいのなさそうなゲレンデスキーを楽しみ、夜はゆったりと時間を過ごす。

私も、昼間はクロスカントリースキーを楽しむのが常だ。
しかし、陽が沈み、辺りが暗くなり始めるとそわそわし始める。部屋にいても、レストランにいても、絶えず外に眼が向いている。
“星は見えるか?”
そう、空に星が出ていないと、オーロラも見えない。

この日は夕方の時点で天気が良く、早めに夕食を済ませて撮影に出かけるつもりだった。
しかし、食後の一服をしようと外に出ると、既に大きなオーロラが出ている。
“まずいっ!”と思い、慌てて部屋に戻って準備をする。そして、撮影地点まで急行!

やがて、雲が一筋、二筋と流れだす。どんどん雲が増え始める。でもあきらめない、まだ星が見えているところがある。カメラをあちこち向ける。やがて雲の奥にぼぉーっと白っぽいものが見えてくる。これは雲じゃない、オーロラだ!

そんな中で撮ったのが、この一枚である。撮影開始後わずか5分で雲が空を完全に覆ってしまった。しかし、3度目の撮影行ともなれば、そんな条件も想定内
旅行前、1ヶ月の歳月を掛けて作った連続撮影用タイマーを駆使して貪欲に自動撮影・連写を行った。
エコノミック・アニマルならぬフォトグラフィック・アニマル撮影術だ。
でも、この方法には大きなメリットがあることに気付いた。
以前は、長時間露光をコントロールするために、レリーズボタンを握りしめ、腕時計の針を見つめていることが多く、肉眼でオーロラを楽しむ余裕は無かった。
しかし、自動撮影が可能になったおかげで、目視によるオーロラ観察を楽しむ余裕ができた。そんな意味では、道具の存在と選択そして過去からの学習は重要だ。

撮影地:サーリセルカ
撮影日:2005年2月26日

注:レリーズボタン(カメラのシャッターボタンをカメラから離れてコントロールするための器具)

おまけ話:この時は、旅行中にギックリ腰に遭遇、昼はベッドで過ごすはめになり、クロスカントリースキーを楽しむことができなかったのは想定外だった。
ギックリ腰でもオーロラ撮影を敢行したのはアニマルのなせる技か?!