もうすぐ、クロスカントリースキーの本格的なシーズンに入る。
彼の地では、2月を過ぎると日も伸び、天候も落ち着きを見せ始め、hiihtoloma(スキー休暇)を楽しむ人たちがスキーリゾートに集まってくる。
写真は、ラップランドのスキーリゾート、サーリセルカ(Saariselkä)の素晴らしいスキーコースである。
ここは、最盛期に入るとスキーコースの総延長が250Km近くに達するという、クロカン(Cross-country skiing)天国である。
そして日本人にとっては、オーロラ遭遇スポットでもある。
クロカンを始めてもう?十年経つが、良く滑る雪でのスキーは楽しい。日本でこんな雪に巡り会えるのは、北海道か本州の標高の高いところくらいだ。
第一に、一歩当たりの滑りが違う。滑っている距離が長くなるのだ。だから、自分が随分上達したように感じる。長い距離でもそれほど辛くない。
クロカンの板は、ゲレンデスキーと比べると幅が狭いが、コース状況にあった幅の板を使い分ける。(44mmから60mmくらいまで数ミリ単位でバリエーションがある。)
そのかわり、ゲレンデスキーよりも長いものを使う。
クロカンの楽しみ方を大別すると2つに分けられる。
整備された環境でのスキー(ON TRACK SKIING)と未整地でのスキー(OFF TRACK SKIING)だ。
ON TRACKスキーは、幅の狭めの板を使う。競技的な要素が強い印象があるが、整備されたコースを使ったピクニックスキー(TRACK TOURING)は初心者や家族連れにはおすすめである。
一方、OFF TRACKスキーは、幅の広めの板を使う。本来、シーズンの終わり近くに、雪が自然と固く締まった山野を滑るものであり、多少のスキー技術が要求される。
新雪に膝はおろか腰まで埋もれてしまうような時期のOFF TRACK SKIINGは、苦痛でしかない。ただし、厳冬期にしかできない完全に凍った湖でのスキーは例外だが。
話を戻そう。
ここサーリセルカは、とにかくコースの整備状態が良い、整備も頻繁だ。
ダイヤゴナル(クラシカル)走法のための二本の溝(トラック又はシュプールという)もしっかりと固く作ってあり、踏み潰され、無くなってしまわないのが、ありがたい。
トラックはコースの両端に付けられている。
それは、進行方向右側のトラック(Keep Right)で滑っていれば、右回りにコースを回る人と左周りに回る人とが正面衝突なんていうことも無い。
コースの真ん中は、スケーティング走法という別な走法で滑る人が使う。
日本ではトラックが二本ある場合は、コースの片側に寄せて付けられていることが多い。
だから、周り順を決められている場合が多く、逆走するとすれ違いに注意しなければならなくなる。これを改善してくれれば、もっと楽しいのに!
でも、これはいい方で、場所によってはトラックが一本なんていう場合やトラックが潰されてしまっている、または元から無いことさえある。
『愚痴』はやめよう。スキー文化の歴史が違うのだ。
脱線復帰。
抜けるような青空を見れば察しがつくかと思うが、前夜には大きなオーロラが見えた。
幸せな気分で、青空の下でクロカン!!
“もう、やめられません! また、行きたい!”
2001年撮影