誰もが上のクラスでいつか走りたいと思ってHMSに参加していることでしょう。 初級で走っている時には中級の走りを見て凄いと思い、いつかあのペースのせめて中間位でも走ってみたいものだと思います。このときには上級クラスの走りは、別な乗り物を走らせているようにしか見えません。中級に初めて参加する頃はもうその速さに着いて行けず、Uターンでは足を突きながら、それでも走りきったりします。そのうちに段々と走りが安定してきます。確実にセルフステアでオフセットパイロンを曲がれるようになると、そこそこスピードも付いて来ます。
やがてコースに対する慣れも出てきて、もう曲がることそのものには何の問題も無いような気になってきます。上級のコースを横目でみて、あのコースなら自分でも走れる、後は速さだけの問題だ、なんて考えたくなってきます。中級には時として上級の常連さんが参加することもあって、そのスピードにはついていけないけど、自分もまんざらではないように思えることもあります。
しかし、その辺で、中級の予約が取れないからという理由で、えい!上級だ、と上級に参加すると、痛い目に遭うわけです。それは上図のように、フルロックターンが連続するようなコースを、ただ走るというのではなく、高いスピードで走り抜けるという世界です。コースを走るというだけであれば、バランスファーストのようにバイクを立てて、ハンドルを切って回れば回れるけど、それではあっという間に離されてしまい、あせってスピードを上げようとするとラインが作れなくなり破綻してしまいます。行ってみないとわからないが、行ってみるとやっぱり撃沈ということを多くの人が経験してきたのだろうと思います。
私自身は、初級に6回ほど行って、その後平日開催の中級に4,5回参加してから定例開催の中級に参加。都合40回目位の時に平日開催の上級に4回ほど参加。そして定例開催の上級に参加するようになり、中級と行きつ戻りつしながら、今は上級を中心に走っています。平日開催のクラスは、その当時は参加者が少なく、遅くても何とかなったということがあり、うまく移行できたと思います。
上図は確か上級参加2回目の時のレイアウトでさすがに上級のコースは細かいと感心したものです。今、見返してもかなり細かいコースです。私の場合は、何とかコースを回り切ることはできたので、あとはスピードの遅さが課題だったのですが、他にも遅い人がいたのと、参加人数が少なかったので運が良かったと思います。初めて定例開催の上級に参加したときには再び緊張しまくりでした。
今は、中級の予約競争が激烈ですし、上級の平日追加開催がほとんど無くなってしまったので条件は随分違いますね。
さて、上級に初めて参加しようとするときに、誰もが思うのは、「上級に参加しても大丈夫だろうか」ということでしょう。HMS自身は「少なくとも一回中級クラスに参加するように」と指定していますが、いきなり上級に参加して、まるっきり走れない人が来ると、やはり運営上問題があるということでしょう。中級で前の方を走れないと、上級に参加しても苦労するだけですよということを極めて暗示的に示唆していると考えられます。しかし、これ位のスキルがあれば、ということを説明してはいないし、それを説明することは極めて困難です。「それができないから、スクールに練習しに行くのだ」という参加側の論理に対して、HMSとしては受け入れざるを得ないでしょう。
ここでは、上級の常連参加者だけが知っている事実と論理的な側面から、「上級に参加する条件」を考えてみましょう。
誰もが考えることは、「他の参加者に迷惑をかけない位には走れると思う」ということではないでしょうか。裏返せば、「他の参加者に迷惑をかけるようであれば、もっと基本を鍛えてから参加するべきではないか」ということです。HMSの参加者は皆さん紳士ですから、決して面と向かって「遅くて迷惑だ」などとは言いません。誰でも始まりはあるし、遅いことそのものが迷惑なのではありません。無理して速く走ろうとして、パイロンを倒しまくる方がよほど迷惑なのです。
誰も口に出して教えてくれることのない、現実的な側面について述べます。
「迷惑をかけない」という点から考えた参加条件とは、
①コースを壊さない
②ミスコースをしない
という2点に尽きるだろうと私は考えます。
①のコースを壊すというのは、
①-1 毎周、同じところでパイロンを倒す
①-2 コースを1周する間に何箇所もパイロンを倒す
ということです。
誰でもパイロンを倒すことはあります。まして上級で攻め込んでいって接触してしまうということは避けられません。そういうことではなく、要は曲がり切れなくてパイロンを倒すということです。
こういうことになる原因は、
a)バイクを素早く寝かせられないとか、ハンドルが切れていないなど、小さく曲がることができていない
b)ラインが作れていない
などが考えられます。中級のコース設定と走行速度においては問題にならなかった技術的な限界が、上級の設定になって表出するということも考えられます。
で、結果としてどうなるかというと、以下のようなことが起こります。
イ)コースが荒れる‥‥‥‥パイロンが多数倒れるので、コースが壊れます。倒れたパイロンに対して走るということをするのですが、たいていの場合、倒れたパイロンに対して走るとコースが易しくなります。そもそも、立っているパイロンに対しては40cmくらいのマージンを取らないといけないのですが、そのパイロンが倒れているとその分、パイロンに寄ることができるわけです。イントラさんが綿密に計算して立てたパイロンのコースがつまらないものになってしまいます。
ロ)休憩が入る‥‥‥‥パイロンをたくさん倒されると、それはライン取りを含めて全員の走行が荒れていると見られますから、イントラさんはここで休憩を入れようとします。実際にはパイロンを倒しているのは特定の人であって、他の大多数の人は普通に走っているとしても、パイロンを倒す人がいるという現実に対応して、イントラさんは休憩を入れます。結果として走る時間が不必要に短縮されます。
ハ)コースの設定が易しくなる‥‥‥‥完熟走行やコース案内の時に、パイロンを回り切れないで走ってくる人がいると、イントラさんは安全性の観点からコースの設定を変更します。パイロンを間引いたり、易しい位置に置き換えたりするのです。
先日の事例ですが、完熟走行の時に設定されていたコースはバリアブル基本コースの「逆まわり」でしかも最後に4メートル間隔の直パイが5本セットされていたのですが、完熟を終わって一切のコース案内に入ったときには、直パイ5本はどこかに消え、順周りの当たり前のバリアブル基本コースに変わっていたのでした。
走りなれている人は、そういう変化が起こったことにはすぐに気付き、「曲がりきれない人がいるから」そうなったということを理解しています。しかしその原因を作った人は、そのことに気が付いていないことが殆どです。
しかも、回り切れない人がいると、その人の水準に合わせて、その日のコース全てが、易しいコースになってしまうことが、しばしばあります。
②ミスコースをするというのは
②-1 コースを曲がりきれなくてはみ出してしまう
②-2 コースを間違えて別の方向に行く
②-3 コースを見失ってその場にとまる
などです。
その原因は
a)①と同じで曲がる技術がない
c)パイロンコースに慣れていないのでコースが読めない
d)スピードが遅く、コース案内についていけないのでコースを見失う
ということが考えられます。
この結果として以下のようなことが起こります。
ニ)他の走行車線に対する飛び出し‥‥‥‥上級の場合はセーフティゾーンが小さくなっていますのでミスコースがそのまま対向車線への飛び出しにつながる可能性があります。
ホ)走行の中断‥‥‥‥コースがわからなくなった時には適当に走るのではなく、その場に止まる方が賢明な判断でしょう。すぐにイントラさんが駆けつけてくれます。ただ、その間、全体の走行は中断されます。
へ)イントラの独占‥‥‥‥コースを覚えられなかったり、コースを走れない人がいるとイントラさんの1名は、その人に掛かり切りになります。まあ、上級は「放置プレイ」でただひたすら走るという場合が多いので、そんなに大きな問題ではないのですが、それでもイントラさんに教わりたいこともあるわけです。
上級クラスへの参加者は、走り込むことで自ら課題を発見し、練習して上達しようとしているので、「たくさん走る」ことと「難しいレイアウトに挑戦する」ことが共通の価値観であろうと思われます。ですから上記のようなことが他の参加者にとって迷惑といえるのではないでしょうか。
上記の理屈からしますと、まず細かいコースでも走り切れるということが優先だろうと考えられます。
コースの細かさというのは、最初の図を一つの参考にしていただくと良いでしょう。あるいは別記事に紹介している上級のレイアウトを見てください。一般には中級のコースレイアウトよりは細かいですが、ジムカーナやその他の講習会などで細かいコースを走り慣れている方なら問題ないでしょう。HMS専門であれば、バランスファーストの千鳥コースをフルロックでまわることができれば、その延長線上で処理することができると思います。
スピードは、少なくともコース案内についていけないといけません。確かに上級ではコース案内も速いですが、実際の走行速度よりは落として走っています。集団の最後尾についていれば、かなり速さが軽減されます。スピードの不足を補うには、スタートする順番を考え、自分より速い人を前に出すことと、最後尾で自分の前が空いて、先頭集団に追いつかれたときには、1周パスすることです。
この走る順番については、別に記事を立てることにします。
やがてコースに対する慣れも出てきて、もう曲がることそのものには何の問題も無いような気になってきます。上級のコースを横目でみて、あのコースなら自分でも走れる、後は速さだけの問題だ、なんて考えたくなってきます。中級には時として上級の常連さんが参加することもあって、そのスピードにはついていけないけど、自分もまんざらではないように思えることもあります。
しかし、その辺で、中級の予約が取れないからという理由で、えい!上級だ、と上級に参加すると、痛い目に遭うわけです。それは上図のように、フルロックターンが連続するようなコースを、ただ走るというのではなく、高いスピードで走り抜けるという世界です。コースを走るというだけであれば、バランスファーストのようにバイクを立てて、ハンドルを切って回れば回れるけど、それではあっという間に離されてしまい、あせってスピードを上げようとするとラインが作れなくなり破綻してしまいます。行ってみないとわからないが、行ってみるとやっぱり撃沈ということを多くの人が経験してきたのだろうと思います。
私自身は、初級に6回ほど行って、その後平日開催の中級に4,5回参加してから定例開催の中級に参加。都合40回目位の時に平日開催の上級に4回ほど参加。そして定例開催の上級に参加するようになり、中級と行きつ戻りつしながら、今は上級を中心に走っています。平日開催のクラスは、その当時は参加者が少なく、遅くても何とかなったということがあり、うまく移行できたと思います。
上図は確か上級参加2回目の時のレイアウトでさすがに上級のコースは細かいと感心したものです。今、見返してもかなり細かいコースです。私の場合は、何とかコースを回り切ることはできたので、あとはスピードの遅さが課題だったのですが、他にも遅い人がいたのと、参加人数が少なかったので運が良かったと思います。初めて定例開催の上級に参加したときには再び緊張しまくりでした。
今は、中級の予約競争が激烈ですし、上級の平日追加開催がほとんど無くなってしまったので条件は随分違いますね。
さて、上級に初めて参加しようとするときに、誰もが思うのは、「上級に参加しても大丈夫だろうか」ということでしょう。HMS自身は「少なくとも一回中級クラスに参加するように」と指定していますが、いきなり上級に参加して、まるっきり走れない人が来ると、やはり運営上問題があるということでしょう。中級で前の方を走れないと、上級に参加しても苦労するだけですよということを極めて暗示的に示唆していると考えられます。しかし、これ位のスキルがあれば、ということを説明してはいないし、それを説明することは極めて困難です。「それができないから、スクールに練習しに行くのだ」という参加側の論理に対して、HMSとしては受け入れざるを得ないでしょう。
ここでは、上級の常連参加者だけが知っている事実と論理的な側面から、「上級に参加する条件」を考えてみましょう。
誰もが考えることは、「他の参加者に迷惑をかけない位には走れると思う」ということではないでしょうか。裏返せば、「他の参加者に迷惑をかけるようであれば、もっと基本を鍛えてから参加するべきではないか」ということです。HMSの参加者は皆さん紳士ですから、決して面と向かって「遅くて迷惑だ」などとは言いません。誰でも始まりはあるし、遅いことそのものが迷惑なのではありません。無理して速く走ろうとして、パイロンを倒しまくる方がよほど迷惑なのです。
誰も口に出して教えてくれることのない、現実的な側面について述べます。
「迷惑をかけない」という点から考えた参加条件とは、
①コースを壊さない
②ミスコースをしない
という2点に尽きるだろうと私は考えます。
①のコースを壊すというのは、
①-1 毎周、同じところでパイロンを倒す
①-2 コースを1周する間に何箇所もパイロンを倒す
ということです。
誰でもパイロンを倒すことはあります。まして上級で攻め込んでいって接触してしまうということは避けられません。そういうことではなく、要は曲がり切れなくてパイロンを倒すということです。
こういうことになる原因は、
a)バイクを素早く寝かせられないとか、ハンドルが切れていないなど、小さく曲がることができていない
b)ラインが作れていない
などが考えられます。中級のコース設定と走行速度においては問題にならなかった技術的な限界が、上級の設定になって表出するということも考えられます。
で、結果としてどうなるかというと、以下のようなことが起こります。
イ)コースが荒れる‥‥‥‥パイロンが多数倒れるので、コースが壊れます。倒れたパイロンに対して走るということをするのですが、たいていの場合、倒れたパイロンに対して走るとコースが易しくなります。そもそも、立っているパイロンに対しては40cmくらいのマージンを取らないといけないのですが、そのパイロンが倒れているとその分、パイロンに寄ることができるわけです。イントラさんが綿密に計算して立てたパイロンのコースがつまらないものになってしまいます。
ロ)休憩が入る‥‥‥‥パイロンをたくさん倒されると、それはライン取りを含めて全員の走行が荒れていると見られますから、イントラさんはここで休憩を入れようとします。実際にはパイロンを倒しているのは特定の人であって、他の大多数の人は普通に走っているとしても、パイロンを倒す人がいるという現実に対応して、イントラさんは休憩を入れます。結果として走る時間が不必要に短縮されます。
ハ)コースの設定が易しくなる‥‥‥‥完熟走行やコース案内の時に、パイロンを回り切れないで走ってくる人がいると、イントラさんは安全性の観点からコースの設定を変更します。パイロンを間引いたり、易しい位置に置き換えたりするのです。
先日の事例ですが、完熟走行の時に設定されていたコースはバリアブル基本コースの「逆まわり」でしかも最後に4メートル間隔の直パイが5本セットされていたのですが、完熟を終わって一切のコース案内に入ったときには、直パイ5本はどこかに消え、順周りの当たり前のバリアブル基本コースに変わっていたのでした。
走りなれている人は、そういう変化が起こったことにはすぐに気付き、「曲がりきれない人がいるから」そうなったということを理解しています。しかしその原因を作った人は、そのことに気が付いていないことが殆どです。
しかも、回り切れない人がいると、その人の水準に合わせて、その日のコース全てが、易しいコースになってしまうことが、しばしばあります。
②ミスコースをするというのは
②-1 コースを曲がりきれなくてはみ出してしまう
②-2 コースを間違えて別の方向に行く
②-3 コースを見失ってその場にとまる
などです。
その原因は
a)①と同じで曲がる技術がない
c)パイロンコースに慣れていないのでコースが読めない
d)スピードが遅く、コース案内についていけないのでコースを見失う
ということが考えられます。
この結果として以下のようなことが起こります。
ニ)他の走行車線に対する飛び出し‥‥‥‥上級の場合はセーフティゾーンが小さくなっていますのでミスコースがそのまま対向車線への飛び出しにつながる可能性があります。
ホ)走行の中断‥‥‥‥コースがわからなくなった時には適当に走るのではなく、その場に止まる方が賢明な判断でしょう。すぐにイントラさんが駆けつけてくれます。ただ、その間、全体の走行は中断されます。
へ)イントラの独占‥‥‥‥コースを覚えられなかったり、コースを走れない人がいるとイントラさんの1名は、その人に掛かり切りになります。まあ、上級は「放置プレイ」でただひたすら走るという場合が多いので、そんなに大きな問題ではないのですが、それでもイントラさんに教わりたいこともあるわけです。
上級クラスへの参加者は、走り込むことで自ら課題を発見し、練習して上達しようとしているので、「たくさん走る」ことと「難しいレイアウトに挑戦する」ことが共通の価値観であろうと思われます。ですから上記のようなことが他の参加者にとって迷惑といえるのではないでしょうか。
上記の理屈からしますと、まず細かいコースでも走り切れるということが優先だろうと考えられます。
コースの細かさというのは、最初の図を一つの参考にしていただくと良いでしょう。あるいは別記事に紹介している上級のレイアウトを見てください。一般には中級のコースレイアウトよりは細かいですが、ジムカーナやその他の講習会などで細かいコースを走り慣れている方なら問題ないでしょう。HMS専門であれば、バランスファーストの千鳥コースをフルロックでまわることができれば、その延長線上で処理することができると思います。
スピードは、少なくともコース案内についていけないといけません。確かに上級ではコース案内も速いですが、実際の走行速度よりは落として走っています。集団の最後尾についていれば、かなり速さが軽減されます。スピードの不足を補うには、スタートする順番を考え、自分より速い人を前に出すことと、最後尾で自分の前が空いて、先頭集団に追いつかれたときには、1周パスすることです。
この走る順番については、別に記事を立てることにします。
先日浜名湖HMS上級に参加してきたんですが、
市街地エリアのコーススラロームにて草でフロントから滑って大転倒してしまい、Uターン部分が90度の直角ターンに易しく作り変えられてしまいました。易しく作り変えられたコースは少々物足りなかったので、これが@sushiさんの仰っていた「コースを壊す」ことなんだと強く実感しました。
亀レスではありますけど、自分の身を以って体験したことなので書き込みします。
今後はこんなことの無いようにしたいと思います。反省。
>易しく作り変えられたコースは少々物足りなかったので
もう、上級魂バッチリですね! 飽くなき挑戦と冒険あるのみ!
参加者も少数だったということですから、たかしゃんさんの転倒が原因でコースを変更したのではなく、全体の流れを見た判断で、イントラさんがちょっと直しておこうかと思われたのでしょう! あまりお気になされませんよう。「壊した」とは思わず、「ちょっと攻め過ぎたかな」という位にしておいて、次の機会にリベンジしてください。