バリアブル上級基本設定は、時々中級にも出現します。今回の合宿でも登場しました。ただし初級の人もいるので、最初のUターンのパイロンを画面左にずらして、二つ目のUターンとの距離を離しています。また安全上の配慮から最初のUターンの奥には広大な安全スペースが取られていました。
本当の上級基本設定は、下の図のように、②⇒③と、③⇒④はほぼ同じ間隔に置かれています。
この三連続Uターンの走り方です。
合宿では初級の方はもちろん、一部の中級の人たちも苦労されていたようでした。
一般に上級の人でネイキッドに乗っている場合はこのように通ると思います。(番号が打ちかえられているのでご注意ください)
こんなラインを計画して、実際にはもう少し膨らんでしまうこともあるかもしれません。そういうマージンを考えて道幅を使ってパイロンから離れた位置からアプローチします。
さらに小さく回ることが確実にできるようであれば、下の図のように回ります。あまり小さく回ることを意識するとスピードが落ちるので、そのことに対する好みの問題はあるでしょうが、この方が前回の記事で述べたように走る距離が短くなります。いずれにしても、小さく回ることができるならば、この連続Uターンは決して難しいセクションではありません。
ただ、こんな風に小さく回れるのであれば「苦労はしない」のであって、実際には大回りになってしまうのをどのように処理するかで、初中級の方たちは難しく感じるのだろうと思います。小さく回れないと、こんなラインになってしまいます。
このような場合、特に②と③の間の直線部分の距離D1が上図などと比べてとても短くなってしまいます。そうするとその間に「加速をしてブレーキをかけられる速度を作り、ブレーキを使ってそれを緩めることで倒し込みを開始するコーナリング動作」ができなくなり、フロント荷重がないまま遅いスピードで③を回らなければならなくなります。スピードが出ていないので、バイクを倒せず、フロントが浮いているのでハンドルが切れず、結果として大回りになってしまうのです。
このようにバイクに乗せられたまま、切ないコーナリングになってしまっている時は、まず直線で加速ができるスペースを確保することを考えます。
そのためには、パイロンの奥で旋回するのです。こんな感じになります。
こうすると、旋回の角度が若干でも浅くなるのと同時に、直線の距離D2はD1よりも長くなります。この直線区間を使って一瞬でもアクセルを開けて加速し、次いでブレーキをかけ、それをリリースすることを切っ掛けに、バイクを倒しセルフステアを呼び込むのです。うまくいけば自分のイメージよりももっと小さく回れるかも知れません。小さく回れるようなら、次のパイロンに対するアプローチ角も余裕ができるし、また次のパイロンまでの加速の距離を余計に取ることができます。うまくこれらの要因が良い方向に噛み合ってくれれば、突然もっと楽に素早く回れるようになるかもしれません。
この「かもしれません」というところがバイクの練習をしている時の最大の魅力です。バイクは統合的なバランスが要求されるスポーツですから、上達の過程ではうまくいくときと、そうでないときのバラつきが出やすいものです。逆に言えば、突然「うまくできてしまう」ような瞬間があって、そのイメージを掴むことによって、それが段々と当たり前にできるようになっていくものです。
上図のラインは「間違ってうまく回れてしまった」時もちゃんと許容してくれるので都合がよいのです。
この「奥で回る」というのは、特に初級の人にとっては仕切り線に近いところで回るという意味でプレッシャを感じるかもしれませんが、本当はその方が安全だということを理解してください。
心理的なプレッシャという点では、同じく初級者にありがちなパターンです。
曲がりきる自信がなくて、早めにハンドルを切り始めるというものです。そうすると、本来の旋回動作に入る前にパイロンに近付いてしまうので、却って苦しくなります。
この図でわかるように、パイロンに近付いた分、旋回円の中心がずれて、前輪がはみ出してしまっています。寝かせてある仕切りパイロンに乗り上げて、アウトです。
最後に、今回の合宿のように、最初のパイロンが図の左手にずらされている時です。この場合は最初のUターン①から二番目のUターン②との間(距離3)が長さがあるので、そこで問題なく加減速を使うことができます。従って、②のターンは手堅くまとめ小さく回り、③のターンに対する余裕(D1)を作ることが理想です。③のターンについてもその後のS字の外周へのアプローチまで距離がありますので、多少大回りになっても問題ないのです。ということは、この変形パターンでは、①と②の間(距離3)で、いかに態勢をきちんと作るか、もしくは立て直すかということが大切です。③は加減速の区間(距離4)が十分取れないので、やはり大き目の旋回になりやすいです。
また最初のUターン①も、そこに対するアプローチが高速からのアプローチになるので、毎回確実に同じスピードで同じポイントから旋回を始められるかということが問われることになります。ここで多少のブレが生じても、②で小さく回ることで修正できるというのが理想的です。
本当の上級基本設定は、下の図のように、②⇒③と、③⇒④はほぼ同じ間隔に置かれています。
この三連続Uターンの走り方です。
合宿では初級の方はもちろん、一部の中級の人たちも苦労されていたようでした。
一般に上級の人でネイキッドに乗っている場合はこのように通ると思います。(番号が打ちかえられているのでご注意ください)
こんなラインを計画して、実際にはもう少し膨らんでしまうこともあるかもしれません。そういうマージンを考えて道幅を使ってパイロンから離れた位置からアプローチします。
さらに小さく回ることが確実にできるようであれば、下の図のように回ります。あまり小さく回ることを意識するとスピードが落ちるので、そのことに対する好みの問題はあるでしょうが、この方が前回の記事で述べたように走る距離が短くなります。いずれにしても、小さく回ることができるならば、この連続Uターンは決して難しいセクションではありません。
ただ、こんな風に小さく回れるのであれば「苦労はしない」のであって、実際には大回りになってしまうのをどのように処理するかで、初中級の方たちは難しく感じるのだろうと思います。小さく回れないと、こんなラインになってしまいます。
このような場合、特に②と③の間の直線部分の距離D1が上図などと比べてとても短くなってしまいます。そうするとその間に「加速をしてブレーキをかけられる速度を作り、ブレーキを使ってそれを緩めることで倒し込みを開始するコーナリング動作」ができなくなり、フロント荷重がないまま遅いスピードで③を回らなければならなくなります。スピードが出ていないので、バイクを倒せず、フロントが浮いているのでハンドルが切れず、結果として大回りになってしまうのです。
このようにバイクに乗せられたまま、切ないコーナリングになってしまっている時は、まず直線で加速ができるスペースを確保することを考えます。
そのためには、パイロンの奥で旋回するのです。こんな感じになります。
こうすると、旋回の角度が若干でも浅くなるのと同時に、直線の距離D2はD1よりも長くなります。この直線区間を使って一瞬でもアクセルを開けて加速し、次いでブレーキをかけ、それをリリースすることを切っ掛けに、バイクを倒しセルフステアを呼び込むのです。うまくいけば自分のイメージよりももっと小さく回れるかも知れません。小さく回れるようなら、次のパイロンに対するアプローチ角も余裕ができるし、また次のパイロンまでの加速の距離を余計に取ることができます。うまくこれらの要因が良い方向に噛み合ってくれれば、突然もっと楽に素早く回れるようになるかもしれません。
この「かもしれません」というところがバイクの練習をしている時の最大の魅力です。バイクは統合的なバランスが要求されるスポーツですから、上達の過程ではうまくいくときと、そうでないときのバラつきが出やすいものです。逆に言えば、突然「うまくできてしまう」ような瞬間があって、そのイメージを掴むことによって、それが段々と当たり前にできるようになっていくものです。
上図のラインは「間違ってうまく回れてしまった」時もちゃんと許容してくれるので都合がよいのです。
この「奥で回る」というのは、特に初級の人にとっては仕切り線に近いところで回るという意味でプレッシャを感じるかもしれませんが、本当はその方が安全だということを理解してください。
心理的なプレッシャという点では、同じく初級者にありがちなパターンです。
曲がりきる自信がなくて、早めにハンドルを切り始めるというものです。そうすると、本来の旋回動作に入る前にパイロンに近付いてしまうので、却って苦しくなります。
この図でわかるように、パイロンに近付いた分、旋回円の中心がずれて、前輪がはみ出してしまっています。寝かせてある仕切りパイロンに乗り上げて、アウトです。
最後に、今回の合宿のように、最初のパイロンが図の左手にずらされている時です。この場合は最初のUターン①から二番目のUターン②との間(距離3)が長さがあるので、そこで問題なく加減速を使うことができます。従って、②のターンは手堅くまとめ小さく回り、③のターンに対する余裕(D1)を作ることが理想です。③のターンについてもその後のS字の外周へのアプローチまで距離がありますので、多少大回りになっても問題ないのです。ということは、この変形パターンでは、①と②の間(距離3)で、いかに態勢をきちんと作るか、もしくは立て直すかということが大切です。③は加減速の区間(距離4)が十分取れないので、やはり大き目の旋回になりやすいです。
また最初のUターン①も、そこに対するアプローチが高速からのアプローチになるので、毎回確実に同じスピードで同じポイントから旋回を始められるかということが問われることになります。ここで多少のブレが生じても、②で小さく回ることで修正できるというのが理想的です。
回りきれなくて正面衝突してしまったらどうしよう、寝かせすぎてスリップして倒れたままS字のほうにはみだしてしまったらどうしよう、いつもそんなイメージが迫ってきて恐怖と戦っています。
そしてつい早めにブレーキを踏んでしまい、失速しすぎて寝かせることもできず、対向車がいるのでハンドルを切って大回りもできず、余計おそろしい思いをすることになるのです・・・。
「奥で回る」というのは心理的に少しラクかもしれません。今度であったらやってみます。
>そしてつい早めにブレーキを踏んでしまい、失速しすぎて寝かせることもできず、対向車がいるのでハンドルを切って大回りもできず、
早めにブレーキをかけてしまうと、ちょうど本文の図Ⅴの②と同じ状況が③でも起こってしまいます。
>「奥で回る」というのは心理的に少しラクかもしれません。
コースを走るときはどうしてもパイロンを見てしまいますが、多くの場合、後方に余裕をとるようにパイロンが置いてあります。イントラさんの周到な配慮がなされていて、よく考えてあるなあと感心することがたびたびありますよ。
そうすると、600の場合、ギア比が下がる分、エンジン回転が落ちていくときの失速度合いが大きいのでそれが原因となっているかと思います。
根本的には、倒し込みの時の速度を高め、倒し込みの動作を素早くすることでしょうが、もう一つ。ブレーキリリースして倒し込む瞬間に、スロットルの遊びを取り、さらにコンマ5ミリほどスロットルを開けにいくとよいと思います。
CB400でもエンブレによる減速度合いが大きいのでともかく早いタイミングでスロットルを開けていかないと失速していしまいます。おそらく同じようなことではないでしょうか。
コンマ5ミリ、スロットルを開けると加速するには至りませんが、エンブレが弱くなり、スピードを維持することができます。(と思う)
ここは一つ、最近600に自信を持っている事務総長さんあたりのご意見を聞きたいなあ~(どうっ?)
呼ばれたのでしゃしゃり出てみました
1000で行けて600で行けないのはトルクの差です。
600は開けてるにも関わらず失速気味になるのでちょっとでも開け遅れると足がでます(イッパイ出ました)
で、トルク不足を補うためにアクセルを早めに多めに開けるんですけど、そのままだとはらんだりオーバーランしてしまうのでリアブレーキを思いっきり使って旋回半径をコントロールしてました(夏場にやったらどうなるのやら)
>旋回速度が遅くて失速するので・・・・
これは気合い入れてオーバースピードで飛び込むしかないですね。お勧めはしませんが
600初心者ですがこんな感じでいかがざんしょ?
PS:自信は無いけど楽しいジョ~~
アドバイス、ありがとうございました。
総合すると、こんな風に走れば良いのですね。
>気合い入れてオーバースピードで飛び込んで、ブレーキリリースして倒し込む瞬間にスロットルの遊びを取り、さらにコンマ5ミリほどスロットルを開け、それでもオーバーランしそうになったらリアブレーキを思いっきり使って旋回半径をコントロールする。
かなり難しそうですが、954がいなくなったら、また600にチャレンジしてみます。
元々neko6さんに、1000より600の方が簡単といわれ、乗ってみたら確かに軽くて疲れ少ないもののなぜか遅くなり、X4さんと一緒に平日赤組を600で走ったら大恥かきました。neko6さんとX4さんの意見も聞いてみたいですね。
>レーキリリースして倒し込む瞬間にスロットルの遊
>びを取り、さらにコンマ5ミリほどスロットルを開
>け、それでもオーバーランしそうになったらリアブ
>レーキを思いっきり使って旋回半径をコントロール
>する。
多分、その通りです(笑)
私の場合のネイキッドでは、オーバーランしそうになってリアブレーキを強めに使うときには同時にハンドルをロックまで切り増します。多分、このようなケースではフルロックまでもうひと押し(引き)できるはずです。もっとも、コーナリングの初めからバイクが寝て、ハンドルが切れていればアクセルを開けてもバイクは小さく回ってくれるはずなのですが‥‥‥‥。
>かんじさん、@sushiさん
うってつけの映像があったので話をちょっと外に引っ張ってしまいました。ごめんなさい。
で、車両の慣れの問題も少なからずあるのではないかと。私の感覚だと「400と600=ポジション以外は似たもの同士」「600と1000=ポジション以外は別物」だったりするのですが、みなさんどうお感じでしょう。
X4さんのコメントを見て思い出しました。連続Uターンではありませんが、3.3m間隔の直パイに1000で突っ込んだとき、前ブレーキかけっぱなしでスロットルを開け閉めしないと通過できませんでした。細かいところを走る際にけっこう有効?<フロントブレーキかけたままオフオン
初級から中級に上がる頃、バリアブルを走る時は、
この「奥で回る」走り方をしていました。
そうすると、ある方に、
「なぜ奥で回るのですか?」
「奥で回る分、タイムも距離もロスしていますよ」
と、指摘を受けました。
奥で走りゃ、タイムをロスし、
手前で走りゃ、直線が作れず、これまたタイムをロスし、
どっちで走ればいいんじゃい、とジレンマです。
どっちでも走れるようになれればいいんですよね。
そうですね。
どちらでも走れるようになる、と言うよりも小さく回れるようになる、ということが肝心な訳です。
ただ、私が思うのは、回りきれないんじゃないか?という「恐れ」が体を硬くして、大回りになって、そのために直線が足りなくなってブレーキのタメを作れず再び大回りになるという負のスパイラルが問題ですよね。
大回りになることを恐れずスピードを上げると、その分ブレーキが使えて、ブレーキを使った分しっかり回れるという正のスパイラルを作りたいわけです。
そのためには、「どっちかが走れればいいんじゃい」ということで居直るのが大切でしょうね。初中級の時の「恐れ」は「タイムをロスする」ことよりも「回り切れない」ことでしょうから、「回りきれればいいんじゃい」と思えばよいのでしょうね。
ただし、今のとみもさんの実力からすれば、手前で小さく回ることを常に達成していただくべきなのは言うまでもありませんです。