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2006年10月3日中級のコースレイアウト

2006年10月04日 | 中級レイアウト
 コソ練をしようと思って平日の中級に参加したのですが、K島イントラの仕掛けが見事だったので、記事にすることにしました。
 この日の参加者は13名、担当イントラはメインがK島さん、サブがM川さんです。スタートは例によってブレーキチェックです。60kmからの制動を行いました。その後普段はやらない練習で、1速でレッドゾーン直前まで加速し、そこからブレーキをかけることを行います。狙いはエンジンブレーキが強力にかかり始めるところで速やかにフロントブレーキをかけ、滑らかで段つきのないブレーキングをしようということです。

 次に図の右手のスペースで直線パイロンスラローム、11本セットの往復というコースです。ここで、普通の直パイではなく、高いギヤでアイドリングのスピードを上げ、アクセルのオンオフによる前後荷重を使わないで、左右の切り返しだけでバイクを進める練習をします。
 最初はステップだけを使って、次に膝を使った倒し込みで、最後に両方を使ってという順序で練習を進めました。さらにハンドルを自分で切ってより強く曲がっていく練習を行いました。


 次のテーマは、大きな定常円旋回を含む(HMSにしては)巨大なS字の組合せのコースを使って、パーシャル・スロットルを使った旋回の練習です。(図の上の方の新コースのレイアウト)
 奇しくも次の記事はパーシャル・スロットルを使った旋回の話をしようと思っていたので、実に興味深い研究の場を貰いました。

 走行の要領は、最初の右回り定常円旋回から二番目の左周り定常円旋回につなぐ部分を「敢えて加速し過ぎないように」走り、軽いブレーキからバイクを倒し込んですぐにアクセルを開けパーシャル・スロットルでスピードを残したまま走ります。つまり三つの大きなコーナーとそれをつなぐコースを加減速を抑制し、一定の速度を維持するイメージで走りとおすのです。
 この時、旋回速度を高くしたいので、バンパーやステップを擦るところまでバンクさせるのですが、それを助けるためにリーンインの姿勢を取ります。ここでの注意点は、体を内側に入れた時にバイクを一緒に引き込んでしまうとリーンウィズになってバンクを深めてしまうことがあるので、体を入れたらバイクは逆に起こすようにします。基本は2速推奨でしたが、1速でも色々試しました。
 タイムは2速で一つ目と二つ目の間のつなぎでしっかり加減速して少しでも稼いだケースが一番だったのですが、二つ目に対する目標速度にピッタリ減速することが難しく、減速し過ぎるとタイムが落ちます。
 2速のラインを1速で走ると、エンブレが強いので旋回時の速度維持に神経を使います。減速してしまうリスクが大きく、これも走りが安定しません。
 ベストタイムにはならないが、走りとタイムがそこそこに安定するのが2速の「定速」ラインということになりました。


 さて、この日の仕上げは、バリアブルで下図のようなコースを走りました。


 コース案内では何だか無駄に外周を使っているように感じましたが、実はスタートから最初のコーナーに向うストレートと、反対側のバックストレッチの直線がちょうど1速が吹け切る距離があって、そこからのブレーキングという朝一番の練習課題に対応していたのです。スタートからの直線は、第1コーナーの先のスピードが欲しい為、強すぎるブレーキを避けてスピードを残すようなブレーキングを行います。バックストレッチの方は、小さいコーナーにつながるので、こちらはそのコーナーを回り終えたときにしっかりスピードが落ち切っている状態を目標にした制動になり、豪快なブレーキングになります。


 そして、次の課題に対応するのが、①②から③、④、⑤と、大き目の回転半径で左右に振れる連続コーナーです。これを前後動を抑えてパーシャル・スロットルで一定の速度を維持して走るのです。
 ポイントは、①へアプローチする時に、②まで走りきれる位のスピードを残せるようにブレーキを強く掛けすぎないようにする。②を回ったときのスピードで③、④を回るので、②のスピードを決めたら後はスピードを落とさないように我慢する。切り返しは、アクセルとブレーキではなくステップと膝を使って行い、スピードを維持する。最後の⑤だけは半径が小さいのでそこで減速するということです。

 ⑦はブレーキを使わないでリーンインでスピードを維持し、度胸で走り込みます。

 そして、最後の課題が、⑨⑩および⑪⑫⑬のセットです。ここが、朝の直パイの練習の通りで、腕を使ってフロントタイヤを差し込むようにして切り返します。特に⑪⑫⑬が連続的な動きで、直パイの感覚を活かします。

 ということで、1)ブレーキング、2)前後荷重移動を使わない切り返し、3)腕を使ったフロントタイヤの差し込み、4)パーシャル・スロットル、5)リーンインによる旋回速度の向上、といった基本練習の要素を全て織り込んだコース・スラロームなのでした。

 こういうシナリオ性の高い講習は大歓迎です。中級も良いなあと思いました。予約さえ取れれば‥‥‥‥。


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11 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
目線について (かんじ)
2006-10-04 23:57:28
初めて投稿します。10/3中級では600に乗ってました。パーシャル・スロットルやリーンインなど大きいところは愉しめたのですが、直パイやZターンなど細かいところが苦手で、最後の課題(⑨⑩および⑪⑫⑬のセット)は苦しみました。いつもUターンでパイロンや縁石ぎりぎりを通ってるので【パイロンや縁石が気になる→パイロンや縁石をしっかり見てしまう→パイロンや縁石に吸い込まれる→余計大回りになる】という悪循環に陥ってる気がするのですが、全くパイロンや縁石を見ないでわけにもいかず、どうしたもんでしょうか?
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>かんじさん (@sushi)
2006-10-05 09:21:49
こんにちは。お疲れ様でした。



⑨⑩は普段の中級でも使われるセットですが、⑪⑫⑬は中級としては細かかったですね。



細かいオフセットパイロンの場合、パイロンの近くを通ってバイクを倒そうとすると、車体もしくはライダーの肘や肩がパイロンに当たってしまいます。そのためにそれ以上倒せない、もしくは倒すのを途中で止めてしまうのです。



パイロンの近くを通る⇒パイロンが当たりそうになる⇒リーンを途中で止める⇒それが気になるのでパイロンを凝視する⇒ますますパイロンに向ってしまう⇒パイロンを凝視したまま身体が固まる



という感じになります。



対策は、1)パイロンに近付きすぎないところからアプローチする。2)パイロン真横まで突っ込んでから一気に倒す。というラインを徹底することです。



直パイは、セパハンの場合、車体の幅が狭いので、それを活かしてバイクを立て気味にして直線的に切り返していく走り方もありますので、寝かす練習をするか、速く走る練習をするか切り分けた方がよいと思います。直パイでは、3本先から5本先のパイロンを目線の上に乗せて見つめるようにすると手元が気にならなくなりますよ。



縁石については、これは市街地ですから⑪⑫⑬ほどには細かくないはずです。だから⑪⑫⑬のような細かいオフセットと同じようには考えない方がよいのではないでしょうか。後輪は落ちても大丈夫なので、前輪の通り道だけを考えてラインを選ぶとよいと思います。

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目からウロコです(*^^*) (かんじ)
2006-10-05 13:54:29
>@sushiさん

丁寧な解説、ありがとうございました。なるほど、ラインが悪かったんですね!また市街地では、後輪は落ちても大丈夫ということで、安心しました。あと自分の場合は、ネイキッドでも、細かいところが苦手です。(^o^;)



失礼ついでにもう1つおききしたいのですが、Uターンなどでは、逆操舵やリーンアウトの方が楽に回れる気がするのですが、邪道なのでしょうか?

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>かんじさん (@sushi)
2006-10-05 17:45:42
 まずカウンターステアですが、以前にこんな記事を書いていますので、ご参考に。

http://blog.goo.ne.jp/sushi306/e/90a037a75983186d2d43996db9fc614b



 で、カウンターステアについては中間過程のテクニックと位置付けています。というのは、ブレーキを使ってUターンにアプローチする場合にはフロントブレーキを強くかけて減速し、フロントフォークが戻ってこない程度にブレーキを緩め、それを切っ掛けにして倒しこみます。ということはカウンターステアをかけるのはブレーキが緩む前になり、その瞬間はまだ強いブレーキによってフロントが押さえられていますからハンドルは動いてくれません。ブレーキを緩めてからだと、セルフステアを妨げたり、あるいは遅らせる要因にしかなりません。



 カウンターステアが有効なのは定速もしくは微妙に加速しながら倒し込みを始めなければならない時と言えます。ですから速度を乗せながら大きな定常円に入る時とか、スタートして直後にUターンする場合です。



 スタート直後のUターンはスタート加速してすぐに倒すので倒し込みの切っ掛けを掴みにくいので、カウンターを当ててそれを切っ掛けにします。しかもフロントの荷重が足りないのでハンドルが切れにくいので実舵角を稼ぐためにリーンアウトが有効です。その他、後ブレーキを引き摺ったまま発進しアクセルを開き気味にして回るということもします。





 リーンアウトは旋回スピードが落ちるだけなのでブレーキを使える時にはなるべく避けます。逆に言えばリーンアウトを使うとリアの滑り出しが早くなるので、おっかないのでやりたくないです。



 リーンアウトを避けるというよりも素早くUターンをするためには身体から進行方向に投げ出していくというイメージで操作しますので、リーンアウトはそのイメージに合いません。まあ自分ではそのつもりでも傍から見るとリーンアウトになっているということは往々にしてありますけど



 細かいオフセットの連続の切り返しでは結果としてリーンアウトになっていることがあります。上級に来てしまうと、イントラさんは「リーンアウトだからダメ」という指摘はしなくなります。ですから邪道だとは考えません。それはライン作りの結果として、スピードを捨ててリーンアウトを選んでいるということになります。



 ほか、セパハンの場合にはリーンアウトしてしまうと全然曲がらなくなります。



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謎が氷解です(*^^*) (かんじ)
2006-10-05 20:05:03
またしても懇切丁寧な解説、ありがとうございます。10月3日中級のメイン・テーマである【K島イントラの見事な仕掛け】から外れて、単なる【個人的なライディング悩み相談】になってしまい、申し訳ないです。



基本もできてないのに、無謀にも上級に挑戦中ですので、もしもご一緒する機会がありましたら、宜しくお願い致します。m(__)m
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ご一緒するのを楽しみにしています (@sushi)
2006-10-05 20:49:48
かんじさんの「悩み方」はよくわかりますよ!

頑張ってください。

これからもよろしくお願いします。



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こんばんは (RR)
2006-10-05 23:22:20
微にいり細を穿つ、貪欲なまでのライディングへの探究心。そして時には理路整然と、時には体を張ってそれに応えるイントラさん。@sushiさんやこのblogに集う人々がHMSに取り組む姿勢を見るにつけ、過去に学んだことをすっかり置き忘れて桶川に向かう自分を反省することしきりです。記憶の薄れないうちに要点メモを残し、それを見返すくらいの努力は最低限しなくては・・・



K島イントラのレシピに沿ってドラマティックに展開したこの日のHMS中級、残念ながら悩めるところまで消化するには至らなかったのですが、スロットルだけでスピードを作る大き目の定常円旋回はとても難しかったです。駆動力もエンブレも強力な1300での1速パーシャル旋回、右手の1mm2mmの動きが実に大きな挙動の乱れを引き起こしてくれました。とてもわかりやすい、本当にいいバイクです。



話変わって、かんじさんに続いてライディング身の上相談なんですが…。お題は『タイヤのグリップ限界を探る』。レッドゾーン加速中からのブレーキングでフロントロック、K島イントラの寿命を3ヶ月縮めた事件なんぞに絡めた話なんですが、、、ここに続けてしまってかまいませんでしょうか?

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>RRさん (@sushi)
2006-10-05 23:57:26
 うーん、朝のブレーキ練習で、煙を吐いている人がいましたねぇ。私は80メートル手前から見ていたので、どういうことだったのか、よくわかりませんでしたが‥‥‥‥。



 K島さんのブレーキターンは、あれはバックストレッチで2速から激しいブレーキング、シフトダウンして⑭にアプローチしようとしたところです。シフトダウンした時に前後ブレーキともかけていたために、特に後ブレーキをそのままの強さでかけていて、リアがロックし、そのため制動距離が伸びていたのです。それにもかかわらず、行けると思ったK島さんが⑭に向けて倒し込んだのでスピードが高すぎてリアが軽くロックしたまま滑り出し、綺麗なブレーキターンになって300度ターンしてこけたという絵柄ですね。

 ご本人は「あれは曲がれると思っていた」と言っていましたから、そういうことなんでしょうね。お見事でしたね!!



 タイヤのグリップ限界については、この日の大きな定常円旋回の最初の右ターンを1速で走っているときに、「もうちょっと」と思って少し余計に開けるとリアタイヤが滑り出すのがわかって、とても興味深かったのを覚えています。1300でもリアがヌルヌルと滑り出すのを感じ取るのは、中々感動的でした。



 トピックスはどうぞご自由にあげてください。コメントで受けられない場合には、別に記事を立てますので‥‥‥‥



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バンク恐怖症 (RR)
2006-10-06 22:08:55
この辺までは大丈夫 <-> ここから先は危険

          ↑ここの兆しを捕まえたい!



定常円旋回で前後タイヤが遠心力に負け始める感覚、これがお聞きしたいテーマです。



これまでHMSではなかなかお目にかかれなかった、一定速度でひたすら遠心力と戦うようなコースを走ってわいた「この先に何が待っているのだろう?」という疑問。

練習バイクの(一応)本命である1000RRの場合、桶川の車両はバンクセンサーを外されていることもあって、危険な領域に踏み込みつつあることを物理的に教えてくれるものがありません。幅広扁平タイヤの特性で、体感バンク角がネイキッドタイプよりかなり深く感じることも恐怖心を増幅しているようです。こと1000RRでのパーシャル旋回に関していえば、『闇雲に転倒を恐れながら限界のはるか手前でこわごわ走っている』状況になるかと思います。

ということで、がんばりすぎてしまった場合にどんな挙動が待っているのか、そこを乗り越えていくアプローチにはどのようなものがあるか、手がかりだけでも教えていただけると幸いです。少しずつペースアップして探っていこうにも、目標地点がおぼろげにすら見えていない状況なので・・・
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セパハンの限界? (@sushi)
2006-10-07 00:58:12
>RRさん



桶川育ちのネイキッド乗りの私にその質問は酷だと思いますが、私の経験の範囲で申し上げるならば‥‥‥‥。



まず、「遠心力に負け始める」という想定は間違っていると思います。

1)もし、遠心力に負けるならば、倒し始めて限界まで倒したところで倒し過ぎでそのまま前後輪とも流れてこけるはずです。

2)とりあえず旋回を始めたならば、後は遠心力に負けるのではなく、トラクションに負け始めるはずです。それはアクセルをもう少し開けられないかというトライアルと、それによる速度の増加に応じてバンク角を増やしていく時に後輪のグリップが負けていく感覚として察知できると思います。この時には、間違いなく、バンクするから流れるのではなくアクセルを開けるから流れるという感覚で捉えられると思います。この場合は、あくまでもリアの滑り出しであって、フロントの挙動は考えられません。フロントが頼りなく感じるとしたらそれは前後の荷重の不安定さによるものであって、旋回の限界とは別の問題だと思われます。

3)セパハンのコーナリングフォースは物凄く高いです。私は600rrに乗っていたときにバリアブルの前半の最後のコーナー(TEC-R左コーナーの次の次でトイレの前の左コーナー)で倒し過ぎてステップ擦りましたが、アクセルを微妙に開けたらしっかり起き上ってくれました。Y島さんに聞いたら、設計上、ステップをするところまでは倒せるようになっていますと爽やかに教えてくれました。以前にY下さんが、1000RRで「倒し過ぎてこけた人は一人もいません」と言っていました。

 故に私のイメージの中では、1000RRと600RRに関しては、桶川のコースで走っている限り、倒し過ぎてこけるという印象は全くありません。



 こけるとしたら、①倒していてアクセルを開けすぎてこける。②倒せないために曲がりきれなくなって失速してこける。

のいずれかであって、旋回能力の限界に達してこけるということは考えにくいのです。



 いずれにしても、限界に近い挙動を桶川で研究したいのであれば、セパハンではなくネイキッドで練習して研究し、その結果をサーーキットなどでセパハンで試すという方向性で考えた方がよいのではないでしょうか。

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