遠水は近火を救わず(えんすいはきんかをすくわず)ということばがあります。これは、「遠くにあるものは、緊急の時には役に立たない」ということのたとえ。中国戦国時代の思想家、韓非(かんぴ)の著書「韓非子」からでたことばだと言われています。
強国の圧力に苦しむある国の重臣が、他国と友好を結んで助けを期待しようと考える王様をけん制するように言いました。
「池に溺れている者を見つけたとき、泳ぎの上手い人を知っているからと、その人に助けを求めに行っても間に合いません。火事が起こったとき、海には水がたくさんあるからといってわざわざ汲みにいっても間に合いません。ですから、遠方の国と友好を結んだとしても、責められたときにあてにすることはできません」
日本のことわざでいえば、「遠くの親戚よりも近くの他人」という言葉がこれと同じですね。
当組合への府民の方々からのご相談の中にも、「ずっと物置に置いていた消火器を処分したい」とか「大掃除をしたら消火器が見つかったので処分したい」といった問い合わせのお電話が来ることがあります。きっと、消火器を買った当時はキッチンや寝室等に置いていた消火器も、出番がないので物置の奥にしまってしまい、いつしか消火器があることすら忘れてしまった・・・というケースが多いのだと思います。
いざ、火事が起こったとき、せっかく買った消火器も物置の奥に隠れてしまっていては、すぐに消火をすることができず、「遠水は近火を救わず」ならぬ「物置の消火器は天ぷら火災を救わず」になってしまいます。
消火器は、火災の初期消火にはとても有効な消火器具です。どこにあるかすぐに思い出せてすぐに使える場所に設置して、「宝の持ち腐れ」にならないようにしたいものですね。
事務局 農澤
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