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ポジティブな私 ポジ人

家族旅行大阪③ ユニバーサルスタジオ 後編

「フライト・オブ・ザ・ヒッポグリフ」で、娘と私はジェットコースターの前から2列目に座った。最前列には欧米系のカップルが乗り込んでいた。

私の眼の前にそのカップルの男性が座っていたのだが、体格が超ビッグサイズだった。150キロはあったのではないだろうか。
私は彼が乗ったまま、コースのカーブに差し掛かった時の事を想像した。高速で過剰にかかる遠心力。脱輪してしまうのでは無いかと少し不安な気持ちになった。

安全バーが降ろされ、係員がバーの安全確認をし始めた時の事。1度はOKと親指を立てた係員が、その直後に人差し指を立てた。人差し指はどうやらNGらしい。
NGの原因は、正に私の目の前に座っている、規格外の体格の男性の安全バーだった。体が大きすぎるのだろう、バーにロックがかからない。
別の係員が安全バーを押し込みOK、直後にNGと、10数回ほど繰り返した。それでも男性は全く諦める気はなさそうだ。
娘が不安を感じ、「降りようかな…」とつぶやいたが、私は成り行きを最後まで見守ることにした。

結局、安全バーのロックがかからず、乗車は無理だと判断した係の方が“sorry”と声をかけ、件の男性に下車してもらったのだった。
娘と私は心底ホッとした。

彼らの去った最前列は空席のままジェットコースターは出発した。実質私達が先頭だ。

絶叫ランキングではゆるめと評判の「フライト・オブ・ザ・ヒッポグリフ」なのだが、あのOKとNGの連続で高まった緊張が、男性が降りたことで一気に解け、ジェットコースターの乗り心地も特別なものとなった。終点で何故か笑いが止まらなくなった。不安と恐怖からの開放のせいだろうか、長らく人目もはばからず、ゲラゲラと大笑いした。

コースターが定位置に止まり、私の笑いも収まって降りてみると、先程の男性と恋人がまだ乗り場の側にスタッフと一緒に立っていた。
何としても乗るつもりなのだろうか?
その場を立ち去りながら、その後どうなったのか、気になってしょうが無かった。
この一連の出来事は、この日一番の語り草となったのだった。

「水がかかるよ」と娘から聞いていた「ジュラシック・パーク・ザ・ライド」。
台風の影響で、雨のユニバーサルスタジオジャパンを想定していた私は、雨ガッパを用意して来ていた。このアトラクションの為に、雨ガッパを使用しようかどうしようか迷っていた時、並んでいる列からモニターに、ジェットコースターの着水の様子が写っていた。
モニターの中のコースターは横幅が広く、着水した時の水しぶきは、乗客にはさほどかからないような設計のものだった。それを見て、その程度の水しぶきなら、雨ガッパは不要だなと判断したのだった。

席順は前から2番めの右側。このライドは一人で挑戦。先頭は高校生くらいの仲良し男子4人組。出発前から楽しそうにはしゃいでいた。
スタートはゆるやかにジュラシックパークのストーリーをなぞりながら進み、最後のクライマックスでジェットコースターは勢いよく水の中に急降下、ザーッと着水した。
その瞬間、前方の水しぶきが一列目の男子全員を襲った。みんな頭からずぶ濡れ。一番はしゃいでた坊主頭の子の呆然とした様子がおかしかった。坊主頭が、水でキラキラ光っていた。
それを見ていた私の方も、サイドの水しぶきがかかり、右ももからお尻までビシャビシャになる大惨事。
実際に乗ったジェットコースターの形は、モニターに写っていたのとはまるで違った。水しぶきを避けようのない車体だったのだ。だまされたー。雨ガッパは絶対着た方がいい。
お天気で良かった。ズボンは自然乾燥に任せた。

それから娘とお茶タイム。お店の大きな窓から、私のズボンを濡らしたジュラシック・パーク・ザ・ライドとザ・フライング・ダイナソーが両方見える。悲鳴が何度も通過し、フライングダイナソーが楽しそうに見えた。

早速「ザ・フライング・ダイナソー」に、これまた一人でチャレンジした。
荷物を預けるロッカーが画期的だった。少し戸惑ったけれど何とか預け入れた。出てきた紙切れについているQRコードがロッカーを解錠する“鍵”になっている。無くしたら大変。しっかり上着のポケットに入れた。



プテラノドンにつかまれて空を飛ぶというコンセプトそのままに、体の体勢は下向きに吊り下げられた格好でスタートした。足首が固定されていることで安定し、正に空を飛んでいるような感覚を味わえた。怖いというよりも、とても楽しかった。らせん状に進むコースでは、何度も空が見え、鳥になって空を自由に飛んでいるような気分を存分に味わえた。

娘がジェットコースター好きの私に最初からおすすめしてくれていたのが、ハリドリこと「ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド」。これが一番凄いと聞いていたのだが、待ち時間が他のアトラクションより長かったので後回しにしていたら、行列の人数が多かったためか、まだ7時台なのに早々に入場打ち切りになってしまった。残念。

アトラクションの最後は「ジョーズ」にした。
その頃にはもうすっかり日が落ち、暗い波間に船出するのは、なかなか雰囲気があってワクワクした。饒舌な船長さんが更に期待感を高めてくれた。
水面は適度にライトアップされ、ジョーズがいつ出現するか、ドキドキ感が増す。

船に乗ってすぐに、娘は座席に水しぶきの痕跡があることに気づき、左側から水がかかることを察知していた。防御のために、私が買ったハリー・ポッターのお土産のビニール袋で左サイドをガードしていた。

クライマックスでは爆発が起こったり炎が上がったりで、暗闇が効果を倍増させ迫力満点だった。

娘の予測通り、終盤に左側からジョーズの水しぶきがあがり、ハリポタのビニールが完璧に娘をガードしたのだった。

昼間の故障で後回しにしたのが良い方に転じた。夜のジョーズ、お勧めです。



心地よい疲労と満足感を感じながら、軽く夕食を取って宿へと戻った。

ハリドリに乗れなかった…。それだけが唯一の心残り。
私は「また当たるわけ無いよな」と思いながら、ユニバーサルスタジオジャパンの懸賞に、ネットから応募したのだった。ハリドリ、リベンジのために…。






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