小学校の理科の時間に習ったのだったか、子供の頃からよく見かける白い蝶はずっとモンシロチョウだと思っていた。
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(学研の図鑑より)
大人になってからも、白い蝶はずっとモンシロチョウだと思っていたのだが、羽根に筋の入った蝶をよく見かける様になり、それがスジグロシロチョウだとテレビか何かで知った。
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先々週、用事を足す為にいつも通る川の側におびただしい数の白い蝶が群がっていた。うわ、すごいなと思いながら、その日は素通りした。
その翌日もその通りを歩いたのだか、前日と同じ様に、一本の木を中心に蝶が群がっていたので、じっくり眺めてみた。
元々昆虫は苦手だが、チョウチョやトンボ位は子供の頃に捕まえた事がある。
卵でも産み付けているのだろうかと思って、枝を注意深く見てみると、なんと枝にビッシリと幼虫!
嫌いな方は閲覧注意!
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卵ではなく、おびただしい数の幼虫の群れが枝に密集していたのだ(写真右上の枝)。チョウチョは大丈夫でも、幼虫となると苦手だ。あまりの数に、「うわっ!」と思ったけど、「えっ?」とも思った。
私の認識では、白い蝶と言えば、幼虫は緑色をしたアオムシと決まっている。
子供の頃、近所のキャベツ畑でお婆さんが、アオムシを目の敵とばかりに、割り箸で取り除いていたのを覚えている。
アオムシが無心でモリモリキャベツを食べている姿は嫌いじゃなかったので、何だか可哀想な気もした。
思い出はさておき、枝の幼虫は明らかに周辺を飛び回っている蝶の幼虫だと思うのだが、アオムシでは無かったので不思議に思い、いろいろ調べてみた。
するとこの蝶は、北海道固有のエゾシロチョウであることがわかった。
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モンシロチョウやスジグロシロチョウよりも大きい。そして羽根のスジもひときわハッキリとしている。
枝についていた幼虫は全く動いていなかったので、どうやらすでに蛹らしかった。そこから順次、羽化して大量の蝶が飛び回っているようだった。
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枝から落ちた幼虫なのか、歩道側のコンクリートの壁に蛹の抜け殻。
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右の蛹、羽化はこれからかな?
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よくよく見ていると、羽もまだ乾かない蛹から出てきたばかりのチョウも枝に止まっていた。
成虫になったばかりのチョウ達は、驚いた事に、生まれて間もないのに、もはや次の世代の命を生み出す行動に出ていたのだ。あちこちで雌雄のチョウが重なっていた。
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出生率が1を切ったと大慌てしている人間様と違い、考えること無く繁殖に向かう昆虫。
人が地球上から居なくなっても、昆虫は繁殖し続けるんだろうな。
目の前を飛び回る大量のエゾシロチョウにぶつかりそうになりながら、そんな事を考えた。