見出し画像

ポジティブな私 ポジ人

トイレと砂時計

お昼ごはんを簡単に済まそうと、戸棚の中に残っていた最後のカップ麺を開けた。麺はうどん、お湯を注いで5分かかる。

5分間。本来は短い時間なのだが、カップ麺の出来上がりを待つ間は、長く感じる時間でもある。
「まだかな~」と、キッチンタイマーを見に行ったタイミングで、尿意を催した。こんな事なら、お湯を入れたタイミングで直ぐ行けば良いものをなどと自分にダメ出し。

残り時間を見ると、あと1分26秒。
タイマーが鳴る前に出て来たい。鳴りっぱなしのタイマーで、夫を煩わせたくない等と1秒躊躇したものの、ええい、行ってしまえ!
きっと間に合うさ!とトイレへ駆け込んだ。

個室に入った後、タイマーのカウントダウンが気になって、およその残り秒数を予測した。遠い昔、何だか似たような事があった。

小学生の頃の事だった。
クラスメートの女の子の家に遊びに行った時、友達はおトイレに入る時に、下駄箱の上に置いてある小さな砂時計を素早くひっくり返して、おトイレに入って行った。
用を足して出てくると、砂時計を確認して、砂が落ちきる前に戻ってきた事を、私に自慢した。
その砂時計は確か3分より短い2分の砂時計だと友達が言っていた様な気がする。

時間を置いて、私もチャレンジしたのだが、私は要領が悪く、もたもたしていたものだから、トイレから出てきてみると、砂時計の砂はすっかり落ち切ってしまっていた。
友達は勝ち誇った満面の笑みで私を出迎え、私はほんの少しだけ悔しい思いをした。

子供って変な事で競うものだ。彼女はいつもあんなふうにして、トイレタイムの短縮を訓練していたのだろうか。

あれから何十年の年月が経過したが、今回私に与えられた時間は1分25秒。個室の中で、刻々とカウントダウンするキッチンタイマーの事を考えると、それは中々スリリングな時間であった。

結果的にトイレから出て来た私は、タイマーが鳴る前に、ミッション完了。鳴ったアラームを余裕でとめることが出来た。ヒュー。

出来上がったカップのうどんをすすりながら、何十年も経って、私も進化したなー。なかなかいいタイムだったんじゃない?きじうち(トイレの隠語)、中々の早わざ。一体何の競技よ?!と、一人ボケとツッコミしながら、カップ麺を平らげた。

今日のタイムなら、あの子に勝てたかもしれないなー。



名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「思い出」カテゴリーもっと見る