アイヌ民族の楽器、トンコリ。
国内で有名なトンコリ奏者oki(オキ)さんがいることを思い出した。そう言えば音を聞いたことがない。どんな音なのか、You Tubeで聞いてみた。
ギターとも琴とも違う、深い弦の響きが心地良い。道東の大自然を感じさせるような神秘的な響きだ。
アイヌ民族の楽器でよく知られているのは、口琴の一種のムックリ。あのビヨ~ンビヨ~ンという、紐を引っ張りながら口元で音を響かせる楽器。
この写真の左側に展示されているのがムックリ。三叉の木に掛けられた、横長の小さな楽器だ。
子供の頃、物好きな父が家に持って帰って来たことがある。何度か練習して、直ぐにあのビヨ~ンを鳴らすことが出来て嬉しかった思い出がある。
館内の展示品はアイヌ民族の生活品の大半を網羅しており、じっくり見ているとかなりの時間を要する。
私は子供の頃父に連れられて多くのアイヌ民族にまつわる施設を訪れたが、これほど充実した展示品を見たことがない。
ここ数年でアイヌ民族の歴史や文化が見直されたということも、関係しているのかも知れない。
ゴザの製作途上。
完成品。
生活展示品の密度が濃い。
左下のソリの様なものは、アイヌ民族のいわば揺りかご。
ネズミや虫から赤ちゃんを守るため、天井から吊るす形なのだという。
機織り機
モンペもある。
食器類。
素敵なバッグだ。欲しいなあ。
この箱状の物(チェンパコという)が、解説を読むと実に良く出来た物なのだ。
食事のときに小さなテーブルとして利用したものだそうだが、上の蓋を外しひっくり返してもテーブルとして利用できる。
引き出しがあり、食べきれなかったものは一旦引き出しにしまい、後から食べるとあった。
実用的でこれも欲しくなってしまった。
展示室内の図録のようなものが欲しくなって、係の方に聞いてみたところ、図録はないがアプリがあると教えてもらった。
「ポケット学芸員」という無料のミュージアム展示ガイドのアプリだ。
ダウンロードしてみると、都道府県別に利用できるようになっている。
これで北海道を選んで施設名をタップすると、施設内の事や展示品の一部の説明を見ることが出来る。
現代ならではの便利な方法だと感心した。
展示品を見る時、夫は見終わってしまうのが早い。
私は丹念に見るのが好きなので、ものすごく時間がかかってしまう。夫をそう待たせるわけにもいかないので、後ろ髪を引かれながら展示室を出た。
アイヌ民族の文化を体験できるコーナーがあった。面白そうだなと思って眺めていると、先程の展示室の係の方が「無料ですから、体験しませんか」と声をかけてくれた。体験の種類は曜日によって異なるらしく、本日はストラップ作りだった。
すでに製作に取りかかっている年配のご夫婦がいた。制作時間30分とある。やってみたいなあ。
夫のところに行ってその旨伝えた後、私もストラップ作りに参加した。
材料を用意していただき、早速ひもをテーブルに固定して編み始めたのだが、右、左と交互に編むべきところを何度も間違えひどい出来上がりとなった。
編み方は覚えたので、今度家でちゃんと編んでみたいと思った。
このコーナーの一角に、アイヌ民族の衣装を身に着けて撮影できる場所も併設されている。
早々とストラップ作りを終えられた先の年配のご夫婦が、早速衣装を身に着けて、撮影されていた。ご主人は
これ(写真後方)「サパンペ」を頭につけて、正に酋長の貫禄。
後から私も、マタンプシ(写真前方)と衣装をつけ夫に写真を取ってもらった。衣装は数点あり、好きな物を選ばせてくれる。
コスプレは楽しかった。
夫は、そのコーナーの方に何度も勧められたのに、恥ずかしがって、結局衣装を身につけなかった。酋長にしてみたかったのになあ。
ストラップ作り、コスプレともに無料。穴場だ。
続く