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ポジティブな私 ポジ人

ながら族

その昔、同時に複数の事をする人のことを「ながら族」と言っていた時期があった。私が若い頃だから、随分前のことだ。テレビを見ながら宿題したりは当たり前のようにやっていた。
よく父に「どっちか一つにしなさい」と叱られた。

社会人になって、電話でお客様と話をしながらメモしたり、対応を考えたりということは頻繁にあったから、「ながら族」であったことが、ある種訓練にもなっていたわけで、悪いことではなかったと思った。

母親になってからも、台所に立ち料理を作りながら、子供の安全に目を配るとか、多くの場合、生活の中では同時進行が多い。

最近になって、この同時に2つ以上のことをするのが、無理な年齢になってきたなと思うことがよくある。
料理を火にかけながら、煮物だからとちょっと他のことなどをすると、すっかり忘れてしまうことが何度かあって反省した。それ以降、必ずタイマーをかけるようにしている。

土曜日、ジョギングの帰りに高架橋から大型書店の駐車場を何気なく見下ろすと、一羽の鳩がうずくまっていた。

地上にいる鳩で歩いている鳩はよく見かけるけど、うずくまっている鳩はあまり見かけない。どこか怪我でもしているのではないかと気になった。
広い駐車場にポツンと一羽。上から良く見えるから、猛禽類やカラスに狙われる可能性もある。

とにかくそばに行ってみよう。もし、重大な怪我をしていたらどうしよう。保護したほうがいいだろうか。下手に抱えて持ち帰り、途中で道路に飛び出して最悪の結果になってもなあ…。等と、様々な事を考えながら、鳩の方へ向かって、ほぼ鳩まであと少しという所まで来た時に、初めて自分が危険な車専用道路を歩いていることに気づいた。

高架橋から左へカーブしながら下へと続く大型書店への道は、車と人との専用道路がある。鳩のことを考えているうちに、うっかり最短コースの車専用道路の左側を歩いていた。
道路の脇に寄っていたとはいえ、もし車が降りて来たら、カーブで先の見えづらい細い道路だ。突然人影が見えたら、運転手さんはさぞかしビックリした事だろう。
開店前の時間ということもあって、車が来なくて良かった。

結局、鳩は近づいてみると足の状態はわからなかったが、翼は大丈夫なようで、高架橋の下の隙間へ飛んでいった。そこなら安全だ。

鳩の安全を考えながら、危険を犯していた自分に失笑した。

時折、私よりも遥かに先輩のご老人たちが、交通量の多い道路の左右を確認もせずに渡る場面に遭遇することがある。
「道路を渡る」という行為と「考える」行為を同時にしていて、私がしたように考えの方に気をとられて、危険を犯しているのじゃないかと心配になる。
歳を取るごとに、心配事は増える。
経済的なこと、家族や自分の健康のこと、家族の関係のこと、etc.
それとも単に、ぼんやりしてしまったのかもしれない。

人の心配より、先ずは自分の心配だな。かつての「ながら族」も、今じゃ形無し。気を付けないと。





コメント一覧

ポジ人
だっくす天国様、今晩は。
そうですよね。一回限りだからこそ頑張れたのかな?
ホントにもう、やれと言われても出来ない。でも、母親って幸せものですよね。
duchsparadise
分かりますわ。今じゃすっかり現役を引退して、やっと趣味に没頭できるようになりましたけど、おかあさんやっている時は、
朝は弁当作りながら、朝食の用意して、電話を取り、ゼッケンを体操服に付けたり、犬に餌やって、自分もご飯をかきこみ、仕事に行ってましたから。

今は、音楽を聴きながら、編み物するだけで、一日が過ぎてしまいます。

昔は急流下りのカヌーみたいな一日でしたが、思い起こせば「しんどい反面充実していた?かな」でも、もう二回はしたくないですワ(;^_^A
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