ネイチャーセンターの方は、シマエナガのシマは小鳥の体の模様に因むと勘違いされるけれど、実は北海道を一つの島ととらえて、そこに生息するから頭にシマが付くのだと解説してくれた。
漢字で書くと「島柄長」。ちなみにシマフクロウも、「島梟」とのこと。ためになったー。
ネイチャーセンターから出て、先程キバシリを見つけた林の方向に歩いてみる。小雨が振り始めたせいか、小鳥の姿もあまり無かった。収穫は、木の上に見つけた小さな小鳥の巣くらい。でも、樹上の鳥の巣を見つけるのも稀なことなので、ちょっとうれしかった。
軽く雨も降り出し、もと来た道を戻ることにした。
オタルマップ川にかかる橋を再び渡り、湖畔から離れた別の道を行く。
ウッドチップの敷かれたフワフワな道。
少し沈む感じのこの感触。お祭りのお化け屋敷の暗闇の中、これに似た仕掛けがしてあったことを思い出し、「ねえ、お化け屋敷の地面に似てると思わない」と夫に同意を求めたりした。
小鳥の声も聞こえないので、木や植物を眺めながら歩くと、面白い木を見つけた。
木に巻き付くつるが、下からゆっくり巻き付き、左上の方でお菓子の「麻花(マファール)」と呼ばれるねじりんぼうみたいになっているのが面白い。
マファールは父が大好きだった固い中華揚げ菓子だった。「よりより」とも言うらしい。
頭蓋骨に響くようなガリガリと固い揚げ菓子。父が食べているのを見て、歯の悪い私は「あんな固いお菓子はごめんだ」と思っていたのに、父が亡くなったあとに一度食べる機会があった。頭に響くガリガリ。でも、食べてみるとほんのりとした甘み、ああ父はこれが好きだったのだなあ。カラリと揚がった揚げ菓子は、想像以上に美味しかった。それ以来、私も大好きになった。
鳥獣保護センターを過ぎ、展望台へ。
湖上を上から眺めるも、水鳥の姿は残念ながら認められなかった。
その代わり、
様々なファッションのスズメちゃん。道の駅の名物らしい。
展望台に上がる前には、雨よけのビニールを被っていたのに、晴れ間が出たらこの通り。
マメな対応に関心するとともに、そんなささやかな事が、この施設全体の居心地の良さへとつながっていく。
その後、道の駅店内をぶらぶら。
土産物屋にありがちな、奇妙な土産物に息子と二人で盛り上がる。
「金運が上がるペン立て」。透明なペン立ての本体内部には、水とモヤモヤした金色の柔らかな塊が、密に浮遊している。これに立てたペンで勉強すれば、何か合格しそうな気もしてくる。
「イクラアイマスク」
アイマスクは透明なビニール製のようで、中に水とイクラそっくりの丸い粒がびっしり入っている。ちょっと不気味。でも、好きー。
直売所で目立たないところに超お買い得商品を発見。メインの棚の足元の段ボール箱の中に、一口サイズの小さなじゃがいもが、1.6キロも入って100円。このご時世に。これは買いだ!最近買った中で、一番のお買い得品だった。
ウトナイ湖の帰り、息子がよく会社帰りに公園でカササギを見かけるという。
カササギを見たことがない私に見せたいと、その公園に行ってみた。残念ながらお目にかかることは出来なかった。
それでは鹿の群れをと、今度はよく見かけるというシカスポットへ。
居ましたよ。こちらを見ているのは、群れのリーダーだろうか。常に警戒して、こちらを見ていた。
野生のエゾシカが9頭も群れていた。
息子にとっては、日常茶飯事の事だが、私にとっては非日常。雄大な自然の中に生息する野生動物とのめぐり逢いに感動でいっぱいだ。
息子のもてなしに感謝。
その後、創業104年を迎えた第一洋食店で食事をした後、息子の部屋でちょっとくつろいでから、別れた。
息子と一緒に自然に触れた一日。夫と帰りの車の中で、楽しかった一日を振り返り、喜びを噛みしめながら帰途につく。