朝からいつもの様にのんびり過ごしていた。
お昼が過ぎて、夫に「出かけるんだよね?」と声をかけられ「あっ、そうだった」と思い出して慌てた。
昨日から「明日出かける日だね」と声をかけられていたのに…。
娘はiPhoneのリマインダーを上手に利用していた。
私もAndroidのリマインダーを利用しようとしたが、うまく行かなかった。
結局、夫がリマインダーとなって、何度も知らせてくれる。今日はほんとにすっかり忘れていたので、助かった。
簡単な昼食を済ませて、1時過ぎに出かけた。
空は快晴。気持ちの良いお天気だ。
ミュンヘン大橋を渡りながら、雪で覆われた河川敷を見下ろす。
太陽に照らされて、ひときわ雪の白さが美しい。
広い雪野原にキツネの足跡が長く真っ直ぐ続いている。規則正しい小さな雪穴の連なりは、まるで雪野原に刻まれた“切り取り線”みたいに見えた。
途中、盲導犬の訓練士と訓練犬に出会った。指導中らしく、信号機の側で一定の時間止まっている。
北海道盲導犬協会がそばにあるのだ。
盲導犬、盲人の目の代わりとなって働くお利口な犬。人の役に立っている。
もし、私が犬だったら…盲導犬にはきっとなれないな。盲導犬に向いているかどうか見極めるところで、きっと私ははじかれるてしまう。落ち着きがなく、判断に誤りが多いから。
途中少し大きめの鳥の集団が飛来。よく見ると10羽ほどのムクドリの群れ。街路樹に止まる。
その辺りは、飲食店が軒を連ねていたが、何れも札幌市が“まん延防止等重点措置”を実施したため、「1月27日~2月20日まで休業します」との張り紙や酒類提供の時刻を記載したお知らせ等が、それぞれのお店に掲げられている。
飲食店関係の方々の苦境に思いを馳せる。
目的地に到着し、用事は30分ほどで終わる。
外に出てふと周りを見渡すと、建物の看板の一部に「幌西(こうさい)」という文字が見えた。
もしかしたら、私が小学校1年生の時に通っていた幌西小学校は、ここから近いのかも知れない。そう思いスマホで調べると、2丁違いの住所だった。
懐かしいのでちょっと見に行こうと足をのばした。
過去に書いたブログ「2番めの家」の近辺住所が正にここだ。
小学校はすぐに分かったが、校舎の面影自体は幼すぎて覚えてもいない。小学校の1年生の途中で転校したから。
建て替えられたらしく、校舎は新しかった。
昔住んでいた正確な住所も知らない。ただ当時住んでいた家から真っ直ぐに歩いていった記憶があるので、校門から逆にたどって住んでいた家の辺りへ行ってみようと思った。ところが、校門の真向かいに道はなく、少しずれたところに細い道がある。記憶違いということもあるので、「ここだったのかなあ」と思いながら歩いてみた。
その一体は、新しいアパートや住宅が密集しており、すっかり様変わりしてしまった様だ。元の風景もほぼ覚えてないけど。
ただ、その道の先に1件だけ恐ろしい程古い一軒家があった。そこだけ当時のまま時間が止まっている。完全に昭和の木造家屋で、一瞬あばら家かなと思ったぐらいだ。しかし、玄関の雪もかいてあり、屋根の雪も下ろしてあるところを見ると、ちゃんと人が住んでいるらしい。
お笑い芸人サンシャイン池崎の建て替え前の実家よりは相当ましだけど、それでも周囲が全て最近の建築物なのでインパクトがすごい。ディズニーのアニメ「小さな家」のワンシーンを思い出した。
その家を過ぎて、大きな通りに出る。「確か八百屋さんがここら辺にあったはずだが」
当時の記憶ではお店がポツンと1軒あっただけだったけれど、今ではずらりと様々なお店が軒を連ねている。曖昧な記憶しか無いのだからわかるはずもない。
午後3時を過ぎて気温が急に低くなって来た。歩みを早めて、家路を急ぐ。
歩道上に捨てられたタバコの箱。さっきもあった。路上に躊躇なくゴミを捨てることができる人の気が知れない。
先程は、父が好んで吸っていたセブンスターのボックスだった。
今度は派手なパッケージのLUCKY STRIKEのボックス。
「捨てた人!アンタにラッキーはストライクしない。バチがストライクするわ。このバチ当たりが!」
と心の中で毒づく。
4時近くなって、ミュンヘン大橋に差し掛かった。
だいぶ日が長くなって、まだ明るい。
再び橋から豊平川と河川敷を眺める。
キツネはいないと思っても、ついつい見渡してその姿を求めてしまう。
キツネの足跡をたどってみると、川の浅瀬を渡り、雪野原へと続いている。こんな冷たい川の中にも足を浸すのか。厳しい環境だなぁと思う。
川を渡った足跡は木の根元の方へと続いている。よく見ると、木の根元から、小さな小さな足跡がキツネの足跡とは逆方向からついていて、丁度キツネの進行方向と交わって消えている。
キツネに捕食されたのだろうか。
それにあの小さな足跡。野ネズミだろうか。
人知れず弱肉強食のドラマが繰り広げられていた。
それにしても足の裏が痛い。
年々面の皮は厚くなるものの、足の裏は痩せて肉薄になって行く。
やっと家にたどり着く。
不織布マスクの表面は呼気が結露して、水滴が滴るほどだった。
気温マイナス5度。路面も凍結。
今日の帰り道、滑ったけれど転ば無くて良かった。
今日の歩数。
あちこちに寄り道したので、19,000歩を超えた。自分でもビックリ!
最近の最高新記録だ。