今日は、休暇を取って「博士の愛した数式」を観てきた。
この映画は、上映前の予告編でなんか良さそうだったので観てみようと思った。全体的な感想は、「半落ち」同様事前の期待値が高すぎたのか、若干物足りない感じが。もちろん、それでもいいところはたくさんあった。
まず、一番良かったのは、深津絵里の純粋な演技かな。彼女は、「恋のチカラ」や「スローダンス」のように、ちょっと幸が薄いけれど、それでも前向きに生きる役をやらせたら天下一品だが、この家政婦のような心の綺麗な役もよく映えるなぁ。彼女の笑顔、話し声すべてに心が癒される。これだけでも観に来た甲斐があったというもの。
それに加えて、息子の√(ルート)も純真な少年。あの母親に育てられたのだからそれも当然か。博士と母と息子の3人がもたらす空間は、一種のクリーンルームのような。静に流れる時間の中で、優しさが充満している。あまりに静か過ぎて、中盤危うく寝そうになってしまったが。
話の筋は、大人になり数学の教師になった√が数学の授業で回想していくことで進む。友愛数、完全数、オイラーの公式を、博士とのエピソードを交えて順番に説明していくが、これが愛のある授業というか(実際に虚数iも登場したし)、数学の授業っぽくなくてとても親しみやすかった。自分は数学が大嫌いだが、こういう授業を受けたら、数学に興味を持つ生徒が増えるだろうなぁと思う。
問題は、博士の記憶は80分しか持たないという設定。次の日になればリセットされてしまい、また新しい家政婦が来たという形で1日がスタートすることはいいが、1日の中では何度も80分が経過するところがあるはずなのに、その場面は一切なかった。80分経つとその80分間の記憶はすべてリセットされてしまい、その瞬間台所で料理をしている人、一緒に散歩している人は誰なのか?なぜ自分はグラウンドに来ているのか?という疑問にぶち当たると思うのだが。そのあたりが妙に気になってしまった。
また、心地よい空間の中でただ独りだけ暗黒フォースを放っていたのが浅岡ルリ子。久々に見たけれど、お歳を召されました。。。
彼女と博士の禁断の愛、そして事故は、彼女の中では決して許されることのないものとして、事故後の10年間ずっと重くのしかかっていたのだろう。愛する男と一緒になれなくても、それでも子供を産み幸せに暮らしている家政婦親子と、すべてを捨てられず、子供も産めなかった自分という対比もそこにはあったのか。
それがあの閉ざされた木戸で表現されていたようで、しかし、最終的には親子のおかげでその木戸も開放され、彼女の重い十字架も下ろされたみたいだ。
√役の子は小さい頃の吉岡秀隆によく似ていたな。
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それに加えて、息子の√(ルート)も純真な少年。あの母親に育てられたのだからそれも当然か。博士と母と息子の3人がもたらす空間は、一種のクリーンルームのような。静に流れる時間の中で、優しさが充満している。あまりに静か過ぎて、中盤危うく寝そうになってしまったが。
話の筋は、大人になり数学の教師になった√が数学の授業で回想していくことで進む。友愛数、完全数、オイラーの公式を、博士とのエピソードを交えて順番に説明していくが、これが愛のある授業というか(実際に虚数iも登場したし)、数学の授業っぽくなくてとても親しみやすかった。自分は数学が大嫌いだが、こういう授業を受けたら、数学に興味を持つ生徒が増えるだろうなぁと思う。
問題は、博士の記憶は80分しか持たないという設定。次の日になればリセットされてしまい、また新しい家政婦が来たという形で1日がスタートすることはいいが、1日の中では何度も80分が経過するところがあるはずなのに、その場面は一切なかった。80分経つとその80分間の記憶はすべてリセットされてしまい、その瞬間台所で料理をしている人、一緒に散歩している人は誰なのか?なぜ自分はグラウンドに来ているのか?という疑問にぶち当たると思うのだが。そのあたりが妙に気になってしまった。
また、心地よい空間の中でただ独りだけ暗黒フォースを放っていたのが浅岡ルリ子。久々に見たけれど、お歳を召されました。。。
彼女と博士の禁断の愛、そして事故は、彼女の中では決して許されることのないものとして、事故後の10年間ずっと重くのしかかっていたのだろう。愛する男と一緒になれなくても、それでも子供を産み幸せに暮らしている家政婦親子と、すべてを捨てられず、子供も産めなかった自分という対比もそこにはあったのか。
それがあの閉ざされた木戸で表現されていたようで、しかし、最終的には親子のおかげでその木戸も開放され、彼女の重い十字架も下ろされたみたいだ。
√役の子は小さい頃の吉岡秀隆によく似ていたな。
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