Toshiが行く

日々の出来事や思いをそのままに

いつの間に

2024-10-01 06:00:00 | エッセイ

 

「今日、家にいるかな?」ちょっとした用を伝えるため長女に電話した。

「何時頃になる?」「そうだな、1時過ぎあたりかな」

「あら困った。その時間、病院に行っているわ」「どこか悪いのか」

「肩、肩が痛いのよ」「どうした?」

「五十肩」「何とまあ。そんな年になったんかい」─笑い声と一緒にそう言ってやった。

「54です」「それはそれは、どうぞお大事に」

 そう言えば、東京に勤務する孫娘(長女の長女)が夏休みで帰省した際、

「私もうアラサー、27歳なのよ」と言うものだから「ええっ」となった。

ということは会うたびに「まだまだ子供だな」と思う

一つ違いの弟も、もう26になるのか。

 

それと、次女も8月で50歳になったのだったな。その一人娘も21だ。

小さく、愛らしかった3人の孫たちが皆一人前の振る舞いをするようになっている。

あちらもこちらも、いつの間にやらである。

 

           

 

子や孫がそうであれば、こちらも年を取るはずだ。

日本人男性の平均寿命をクリアして82歳になった。

幸い、かかりつけ医は「80歳を超えられたにしては、大変お元気」と言ってくれる。

もちろん悪い気はしない。

確かに病院で行き交う同年配と思しき人と見比べると

「足取りもまだ確かだし、そうなのかな」と思う。

だが、「ああ、衰えたなあ」というのが本心だ。

ウオーキングに出かけると以前は18分で歩けた同じ道が20分かかる。

スマホの歩行計を見ると歩数はほぼ同じだ。

歩く速度が遅くなったということだろう。ひどく情けなくなる。

 

日本人の健康寿命は男性72歳、女性75歳。

つまり80歳を前に寝た切りや要介護になる人が多いということだ。

幸いここは乗り越えた。今度は80歳代をどう無事に過ごしていくかだ。

敬老の日に3人の孫たちが「これからも長生きしてください」とLINEしてくれ、

「はいはい、ありがとうさん」と爺らしく返信した。

さてさて、どう生き長らえようか。

高齢者専門の精神科医・和田秀樹さんは

『80歳の壁は高く厚いが、壁を乗り越える最強の方法がある。

それは嫌なことを我慢せず、好きなことだけすることだ』という。

なるほど。要するに、「衰えたなあ」などとネガティブにならず、

前向きに明るく生き抜けということか。

少しばかり、励まされたような気がしないでもない。

 

 

コメント
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