「頼れる存在」...男性助け死亡、中村さんの勇気悼む
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/121125/dst12112521470008-n1.htm
2012.11.25 21:29 [鉄道事故・トラブル]
事故から一夜明け、現場の踏切には花束が置かれていた=25日、埼玉県本庄市銀座(佐藤祐介撮影)
24日午後、埼玉県本庄市のJR高崎線踏切で、線路にしゃがみ込んでいた男性と同市の主婦、中村のり子さん(60)が快速電車にはねられ死亡した事故。中村さんは、線路上に取り残された男性を救おうとし、亡くなったとみられる。近所の人たちも「他人を放っておけない性格」と口をそろえる中村さんの突然の死に、周囲は深い悲しみに包まれた。
「踏切に入って電車にはねられたと聞いたときは『妹がまさか』と...」。中村さんの姉(68)は24日夕、のり子さんが事故に巻き込まれたことを聞いた。「助けに入ったと知って、勇敢な妹を誇りに思った」と言葉少なに語った。
中村さんは20年以上前から、90代の母親と本庄市内のアパートで2人暮らしだった。母親は近くの病院に入退院を繰り返しており、現在も入院中。中村さんは母親の世話に一生懸命で、地元自治会の旅行などに誘われた際も「うちはお母さんがいるから」と丁寧に断っていたという。
中村さんをよく知る近所の女性(51)は、「高齢者が多いこの近所で、中村さんは一番頼りにされる存在だった。お母さんと寄り添うように過ごしていたのが印象的。他人を放っておけない性格で、倒れている男性を見ていられなくて助けに入ったのだと思う。あんなにいい人が...」と声を詰まらせた。