現在市販されている多くの種は、多収穫をねらって多肥栽培し、均一な商品性の高いものを追い求めてきたため、農薬や肥料、資材を前提とした栽培でなければ特性を発揮できない、弱勢化した種に変貌してしまっています。だが畑から抜け出し路傍などで自生しているド根性野菜は畑で生育している姿とは見違える程生き生きとした顔をしています。作物にも野生作物のような自立する力があり、厳しいと思われる自然に近い環境条件で育てると、その環境に適応しようと自ら生命力の強い種を選抜、育成します。
種の育成、採種の方法、植物の植生知識、栽培方法、交配の仕方、母本の選び方、採種から調整等数ある中で初心者でも手軽にできる、自然生え育種法を紹介します。・・・
自然生え(しぜんばえ)育種法
F1から固定種への選抜母本選抜は育種を行う上で最も重要な作業である。特にF2・F3世代は育種の方向を決める大事な選抜になる。そこで自生させ自然に選ばれた種から育種を始める自然生え育種法を採用するとよい。
自然生えから選抜した種は総じて根張りが良く、繁殖力旺盛で少肥性で育種目標に叶った
ものが多く見出され、生態的特性の変異を選抜するのに有効で優良系統が育成される。
また、小面積で選抜できる利点がある。
種の力を引き出す無肥料・不耕起・草生・無整枝栽培
1坪に10個のトマトを埋め込み、発芽した数千株の中で最終的に果実を実らせるのは
1坪の面積に見合った1~3株程度で、他の株は途中で生育が止まってしまう。
耕転や施肥された畑から自然生えしてくる野菜は、栄養生長が旺盛になり蜜生状態になっ
て自然選抜が働かず、共倒れを起こす場合が多い。
自生させる場所は不耕起で無肥料にして自然条件に近付けるほうが自然選抜は働きやす
い。 果実の埋め込みは晩秋に入り平均気温が10℃以下になってから行う。
土中で越冬し発芽が始まるのは翌春の桃の開花期から初夏ごろになる。
発芽した苗は間引きや整枝は行わず、自然に選抜を待つ。果実が肥大したら果実調査を行
い、育種候補を選抜する。全くの無肥料栽培・小麦、豆類との輪作交互栽培・畦間に牧草
雑草を生やして定期的に刈り取る草生栽培・作物と草生の境界に帯状に敷き草にして土壌
小動物の住み処にしながら土を肥やす刈り敷き農法。
圃場は作物区と草生区が交互に配置され畦を造らず、草を剥ぎ取って播種や定植し、除草
は作物区のみ行う不耕起栽培とする。
巣播き法栽培
一ヶ所に沢山の種を播く事によって痩せ地や低温期の発芽条件の悪い時に発芽や初期生育
をよくするために行う。
胡瓜、トマト・南瓜・茄子などは一ヶ所に20~30粒程を播き共育ちさせる。これら気
象条件の悪化ストレス等からお互いが護り合い、絶滅する事は無く自然に根張りの強い良
い株が選ばれるようにする。生育さが現れる本葉4~5葉期に間引き選抜し最も生育の良
い株を残す。
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