私がベトナム語を勉強している大学に行くと、同じようにベトナム語を勉強している日本人が数人います。今日初めて話をしたのは、ご主人がサイゴンで起業しているという女性。日本とベトナムでは、人々の考え方や社会習慣がまったく違うこともあり、来た当初はとても困惑したと言っています。
あるとき、服を買いに店に立ち寄ったそうです。店には店員が一人だけいて、椅子に座って携帯をいじっています。その店員はめんどうくさそうに女性のすぐわきに来て、はやく帰らないかなとでもいわんばかりに、スリッパのつま先を上下させて「トントン」と音を立てるそうです。店員は店長から万引き防止のために客が来たら見張るように言われているようなのです。その女性が店に来なかったらずっと携帯で遊んでいられたのに、女性が来たばかりに携帯遊びを中断させられて、とても不愉快だったようです。その女性はゆっくりと服を選ぶこともできずに店から出たそうです。
また、若いベトナム人の女性ではあまり見かけませんが、中年の女性になると近くのスーパーに買い物に行くときに、パジャマのままですっぴんで来る人がいるといいます。最初は驚いたけど慣れるにつれて、「ここだとそれでいいんだ」と思い、かえって気が楽になるとも行っていました。
日本とはまったく価値観や生活習慣が異なる異国で生活していると、どうしても日本の価値観では理解できないことや不快に思うこともあります。しかし、ここは日本ではありません。「日本だったら・・・・」というように、日本の価値観や尺度でものを捉えると自分自身が窮屈になるので、日本と比較をしないようにするといいようです。
「ベトナムに入ってはベトナムに従え」。