いよいよコンサート会場へ。受付を終えたが、どの入り口から入ればいいか分からない。なんとなく前の人に付いて行く。途中カウンターがあり、呼び止められる。私のこととは思わず素通りすると、再度呼ばれる。えっ、私?
どうやら荷物を預けるクロークだったらしく、手持ちのエコバッグを預けるよう言われる。うーん、この肉臭いエコバッグを?昼ご飯の残り物をクロークに預けるのは私くらいだろうなと恥ずかしく思いながら、バッグを手渡す。そのまま行こうとすると、預かり料金を払うよう言われる。えっ?有料なの?そんなこと言われても…さっきカフェでコーヒーを飲んだことを後悔する。お金足りるかな。
クロークの料金表を見せられる。きっとチップも含めて多めに払った方が礼儀にかなっているんだろうけど、そんなことを言っている余裕はない。払えるか?全然スマートじゃないけれど、財布をひっくり返して、小銭を一枚一枚数えながら払う。小銭ばっかり山と積み上げて、とにかく既定の料金は足りた。セーフ…なのか?『優雅なマダムごっこ』はどこへやら。
ホールに入り係員に席を案内してもらう。2階で、ピアニストの背中を見下ろす感じの席。ピアニストの指の動きも見える。黄金のホールというだけあって、全体がキラキラしている。まだ時間があったので、客席をうろうろしながらホールを眺める。さっき小銭を積み上げたことも忘れて、王侯貴族の気分になる。
音楽にしても、建築にしても、自分を捧げて何か最高の物を作ろうとするエネルギーには圧倒される。その美しい作品にも心を動かされるが、その作品に詰まっているエネルギーを感じて私たちは力付けられるのだと思う。建築には全く興味もないが、そんな私でもホールを見ているとドキドキ高ぶる。
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