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ポインセチア

2012-12-22 01:46:07 | フラワー・園芸

クリスマスシーズンに商店のディスプレイや、

ツリーやリースと共に、デコレーションとして、あちこちで見かける、

赤と緑のコントラストが美しい花、ポインセチア“Euphorbia pulchrrima”

 

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赤にも濃淡や斑(ふ)入りのものがあり、

赤以外にピンクやオレンジ、クリームイエローやライムグリーンなんかもある。

丸みを帯びたものからシャープなもの、カールしたものなど、葉の形にもバリエーションがある。

 

鮮やかな赤と緑のツートンカラーは、まさしくクリスマスカラー。

そのため、11月上旬くらいから店頭に出回り始め、

同時にクリスマスのデコレーションに多用される。

赤い部分は花だと思われがちだが、実際には上部の葉の変化した葉苞(ようほう)。

花自体はその葉苞の中央にある蕾からチョロチョロと出る黄色いもの。

花びらが存在せず、咲いているのが判りづらく地味。

 

Photo_2

ポインセチアの花

 

モミの木とともに、クリスマスシーズンの主役となる植物だが、

このポインセチア、原産は温かな中米メキシコであり、

実は寒さにめっぽう弱い観葉植物である。

 

そのため、北半球の寒いクリスマスシーズンは、

この植物にとっては、枯死してしまう気候である。

本来ならば冬場は暖房の効いた室内か温室で管理すべき植物。

にも関わらず、冬の植物と勘違いしている人が、

寒風吹きすさぶ戸外に、ツリーとともに並べているのをよく見かける。

ポインセチアにとっては、枯れるのを待つだけである。

 

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ラッピングの干渉で傷んだ葉

 

葉は薄く、衝撃にとても弱い。

ちょっとでもキズが入ったりすると、黒ずんで見苦しくなってしまい鑑賞価値が落ちる。

また折れた葉や茎からは、タンポポのような白い液体がにじみ出る。

この乳液には毒性の物質が含まれており、

目など粘膜に触れたり、幼児が誤食したりしないように注意が必要。

 

切り花として利用する際は、切り口からにじみ出る乳液を

きれいに拭き取ってから生ける必要がある。

自分は切り口を焼いて利用する。

こうすると保ちがかなり違う。

  

Photo

折れた枝などは切り花として利用する。

その際、切り口の処理をきちんとしていれば、かなり長保ちしてくれる。

 

アメリカの植物学者が、公使としてメキシコを訪れた際に発見。

その真っ赤な草姿に見惚れてアメリカに持ち帰り、

クリスマスシーズンに赤く色づくことから、その赤色をキリストの血に見例えて、

聖なる植物として大規模な栽培・植樹がなされた。

その植物学者の名前がポインセットといい、

“ポインセチア”とは、この学者の名前から名付けられた。

 

日本へは明治時代に観賞用として渡来。

その赤色を、中国の空想上の生き物、赤ら顔のショウジョウに見例えられ、

ショウジョウボクという和名が付けられている。

(赤いハエ、ショウジョウバエと同じ)

近年は、ポインセチアという英名が一般的となっている。

 

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寒さで傷んだ若枝

こういうのは放置しないで早めに取り除く。

 

上記のとおり寒さに弱い植物であるため、

たいていの場合は冬を越すことができずに枯死してしまうのだが、

運良く冬を乗り切れば、春から夏にかけて大きく成長させることができる。

夏場は、挿し木で増やすことも可能。

 

そして秋になり、寒くなるころにまた赤く紅葉・・・と思うが、

これが日本では赤くならずに、真緑のまま。

ポインセチアは短日植物といい、

夜の長さが昼よりも短くなって、その期間が40日~60日続くと赤く色づく。

寒さに弱いため、どうしても晩秋からは室内に取り込む必要がある。

室内に取り込めば家の灯りで短日にならない。

 

このため葉を赤く色づけるには、短日処理という特殊な処理が必要。

ポインセチアに箱をかぶせたりして、わざと光を遮断し、

光の当たる時間を少なくして、人工的に赤く色づかせなきゃならない。

二年目以降も、クリスマスシーズンに鮮やかな赤色を出したいならば、

面倒で根気の要る作業だが、この短日処理が必要になる。

 

Photo_4

過去に作ったポインセチアを使ったアレンジメント。

発表会か何かで使用されるため、かなり派手に豪華に色んな花を入れたので、

ポインセチアがあまり目立たなくなってしまった・・・。

 

自分もこのポインセチアを過去何度も栽培してきたが、

未だ冬越しに成功したことがない。

常に5℃以上キープしないといけないため、

九州といえど、真冬は終日暖房を効かせるか、

温室で管理するなどしないと、うまく冬越しさせるのは難しいようだ。

 

今年も懲りずにこのポインセチアを買ってしまった。

大好きな観葉植物のひとつで、枯らしてしまうと判っていても、どうしても買ってしまう。

そして、今年もクリスマスらしく寄せ植えを作ってみた。

ゴールドクレスト,カルーナ,チェッカーベリー,ヘデラと共に。

 

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本当はハツユキカズラやシロタエギクなんかも植えたかったが・・・。

 

ついでに昨日・今日立ち寄った店それぞれで、

寂しく売れ残っていたものを買ってしまったので、

それらもまとめて陶器鉢に植え替える。

 

部屋にひと鉢あれば、とたんに明るくなってクリスマスの雰囲気に。

ツリーやリースもいいけれど、趣向を変えて、ポインセチアの植え込みもいかが?

 

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赤と淡いピンクのコントラストがいい。

冬越しできればいいのだが・・・。

 

 


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