よろず戯言

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本庄の大樟

2016-06-24 00:22:28 | 旅行・まち歩き

昨年の8月のこと。

福岡県築上町にある巨木、本庄の大樟(ほんじょうのおおくす)を観に行った。

なんでも全国第4位の巨木らしく、クスノキに絞れば第3位。

樹齢は不明だが少なくとも300年以上で伝承では1900年。

国指定の天然記念物にもなっている。

 

 

付近を通る際に、その標識などで前々から存在は知っていたものの、

全国第4位の巨木だとか、そんなにすごいものだとは知らなかった。

この日も、この大樟を見るつもりではなく、

この先にある、城井ノ上城址(きいのこじょうし)に行く途中に立ち寄ってみた。

県道237号線、それを少し逸れた場所にあった。

数100m先から、もう巨大な木が見えてくる。

 

 

駐車場に車を停め、さっそく境内へ。

この大樟、大樟神社という小さな神社の境内に植えられている。

無人の神社だけど、駐車場も公衆トイレも整備されていて、

大樟を見に来る観光客への対応がしっかり行き届いている。

まずは手水舎で清めてお参りし、さっそく大樟を拝見する。

 

 

樹齢は伝承1900年。

幹の周りは20m超、樹高は22m超。

ご神木らしく、幹にはしめ縄がかけられていた。

樹木の維持のため柵が設けられていて、木に触れることはできない。

枝を支える鉄柱や、途中、修繕というか治療した痕跡も見られ、

人の手で大切に守られているのが判る。

 

 

見上げると複雑に枝分かれして伸びた樹形が観察できる。

このいびつな枝分かれは、クスノキの特徴でもある。

この枝一本が、ふつうの樹木一本分に相当する規模。

幹には、大きな洞(うろ)があり、人ひとりくらい住めそうな感じ。

実際、明治時代にこの洞で寝泊まりしていた者が居て、

火の不始末でこの大樟を燃やしてしまったこともあるらしい。

そんなエピソードもありつつ、生きながらえている巨木。

どっしりとしたたたずまいに、しばし言葉を忘れる。

 

 

惜しむべきは、この巨木が開けた場所にあること。

これが森林のなかだったらならば、もっとすごい雰囲気を味わえただろう。

ひととおり巨木を鑑賞したあとは、

おみくじの自販機があったので、それを引いて神社を後にした。

自分と入れ替わりで、一台車が入って来た。

やかましい音をたてる、カスタマイズされたコペンだ。

ちっ・・・こんな荘厳な場所へ場違いな無粋な野郎が来たもんだ・・・。

そう思っていたが、コペンから降りてきた、自分と同じか少し若いくらいのグラサンの男、

大樟を見上げて、口を開けたまま驚いていた。

グラサンをかけていても、巨木に驚き感動している様が窺えた。

まあ、やかましい車に乗っていても、こういうの見に来るくらいだから、いいやつかもしれんな。

汗をぬぐいながら、そんなことを考え、城井ノ上城址へ車を向かわせた。

 

なんで洞の写真を撮って無かったのか?

 



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