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真田丸ロス

2016-12-25 15:39:26 | 日記・エッセイ・コラム

先週の日曜、今年のNHK大河ドラマ、真田丸がとうとう最終回を迎えた。

真田信繁(幸村)に、さほど興味があったわけではなかったが、

1月の第一回目から観始めて、序盤二話ほど見損ねた回があったものの、

なんだかんだで一年間通して観入ってしまった。

一昨年放映された、軍師官兵衛以来だ。

 

 

当初、脚本が三谷幸喜氏ということで、少し敬遠していた。

氏のコメディ映画は大好きだけど、大河ドラマではたして・・・?

そんなふうに思って不安だった。

同氏は過去にも大河ドラマの脚本をやったことがあり、

そのときの作品、新撰組!も大人気だったとか。

残念ながら、新撰組!は観ておらず、どんなだったのか知らない。

 

 

同氏が歴史に造詣が深く、有名で人気のある人物のみならず、

裏舞台で地味に活躍したマイナーな歴史人物たちも掘り下げて、

そういったキャラクターを前面に出して色濃く画いてくれたり、

個性豊かなキャラクターを多数出演させるという、群像劇を好む彼の作品スタイル。

そういったものが自分は好きでもある。

映画、清須会議なんかも完全にコメディだったけれど、すごく楽しめた。

なので、不安を抱えつつも期待大で真田丸を観ることにしたのだった。

大坂の陣での活躍しか知らなかった、真田信繁。

その生涯を知るにもいい機会だ。

 

 

そうして毎週楽しみながら、あっと言う間に一年が過ぎた。

三谷色が実に強くて、といってもふざけ過ぎているわけでもなく、

期待を裏切らない個性の強い数多いキャラクター達の群像劇で、清須会議以上に楽しめた。

脚色も多く、史実と異なる表現も多数あったようだが、

それは歴史ドラマには致しかたない部分でもある。

そういった部分を理解して視聴すればなんら問題なく、

こと、真田信繁に関しては、"幸村”という名前をはじめ、

"真田十勇士”など、大坂の陣での没後、

江戸時代に入ってから談話として創作された架空の物語が多いため、

歴史に詳しいひとたちも、この辺はどう描かれるのか期待していたかもしれない。

大阪城入城を決めた信繁。

九度山村を脱出する際、決意の証に名前を変える。

あのときの"幸村”の決め方は巧いなあと思った。

 

 

十勇士は最初から、(猿飛)佐助のみが、忍びとして登場していたが、

まさか最終回に、他のメンバーが全員登場するとは思ってもいなかった。

しかも番宣として作られた企画動画のダメ田十勇士が。

あれは完全に不意打ちを食らってしまった。

「真田丸には登場しない、8人の物語・・・。」

なんて言っておきながら、最終回に登場するなんて。

Mr.オクレさんだけ本編に登場しなかったけれど、もしかしてオクレ兄さんが佐助役だったのかな?

でも、この動画のラスト、生き残った六郎が、この名もなき雑兵仲間のことを語ったものが、

"真田十勇士”として語り継がれ、現代まで伝わったという物語を画いているのなら、

本編にも登場したシーンと合わせて、なんとも泣けてくるニクい演出だ。

 

 

登場人物を振り返ってみる。

草刈正雄演じた、真田昌幸、小日向文世演じた豊臣秀吉、山本耕史演じた石田三成、

内野聖陽演じた徳川家康に、中川大志演じた豊臣秀頼。

当初、小日向秀吉と内野家康に違和感を感じたけれど、

回を重ねるごと見事にハマり役だったと思った。

小日向さんの演技で、秀吉の陽気さの裏の冷酷さが伝わってきたし、

内野さんの秀吉没後の家康の演技は素晴らしかった。

なんでも家康を演じるにあたって、20kgも増量したのだとか。

軍師官兵衛のときの、寺尾聡の家康は何だったんだろう?

あれ、何でずっと片目つぶってたのやら。

 

 

脇役で光っていたのが、小林隆演じた片桐且元。

豊臣の忠臣で誰よりも真面目に豊臣に尽力するも、

気が弱いうえに不器用過ぎて、東方寺鐘名問題で板挟みとなり、

けっきょく豊臣に居られなくなってしまい、どうにもならず徳川に降ってしまう。

大坂の陣の直後に暗殺されたという説があるけれど、

賤ヶ岳の七本槍の寂しくていたたまれない最期を、なんとも情けなく切なく演じていた。

小林隆さんは、やはり三谷幸喜監督の作品、ステキな金縛りで、

幽霊を証言に立たせることを認めるという、温厚な裁判長を演じていたのが印象に残っている。

 

 

女優さんでは、なんといっても信之の側室おこうを演じた長野里美さん!

序盤の正室であったときの病弱でへろへろの演技から、中盤以降は側室になって

なぜか元気になって、真田と徳川の板挟みとなって苦しむ信之を懸命に支える演技。

正室、稲の息子の信政ではなく、自分の息子の信吉を時期当主として選んでもらえたとき、

大粒の涙を流して息子に抱きつくシーンはたまらなかった。

サル顔なのもチャームポイント。

序盤、病弱だったのは稲登場と同時に途中退場(病死か?)を視野に入れての設定だったとか。

けっきょく、吉田羊演じる稲とコンビを組ませて、いいシーンが多く観られた。

途中退場した場合、信吉は登場したのかな?

お忍びでお通の元へと通う信之を、稲とともに問い詰めるシーンは最高だった。

 

 

色々と回想していくと、まだまだ魅力的なキャストがたくさんで、

とてもブログで書き切れるものじゃあない。

一年間、楽しませてくれた真田丸。

制作に携わった、全てのスタッフ,キャストに感謝。

そして、来年の大河ドラマ、"おんな城主 直虎"だ。

最初に大河で描かれる人物、井伊直虎が発表されたときから、

これまた観なきゃ!と思った。

 

主演の井伊直虎を演じるのは、柴崎コウ!

直虎のイメージにぴったりだ。

 

さっそく買って読んでいる関連雑誌。

どれもこれも、えらく美女に描かれているけれど、戦国時代に男になりすますような女性。

宮崎あおい演じた可憐な篤姫が、実際は奈良の布団叩きおばさんみたいな容姿だったように、

この直虎も、もしかしたら・・・。

 

井伊直虎

あまり知名度は高くないようだが自分は知っていた。

前にNHKのバラエティ番組、"歴史秘話ヒストリア”で、この井伊直虎の回を観ていた。

そのときに、女性ながら戦国の世を生き抜くために、

群雄割拠のなかで、数々の悲劇と困難に見舞われながらも、

女性であることを捨てて、井伊家存続のために懸命に戦った生涯。

彼女が居なければ、井伊直政も徳川四天王として召抱えられなかっただろうし、

幕末の大老、井伊直弼だって居なかったかもしれない。

そんな魅力的なキャラクター、演じるのが柴崎コウとあっては、これはもう観るしかない!

真田丸が終了して、ちょっと寂しいけれど、もう今から直虎が楽しみなのだ。

 

 



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